プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“追い込み勝ちは過小評価されやすい”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
9月27日中山11R スプリンターズS 芝1200m
スプリンターズSは中山芝1200mで施行。初角となる3コーナーまで300m以下という「コースパターンA」で、先行争いにおいては内枠が有利です。ましてや登録時点で前走の通過順位に3番手以内がある馬が11頭と揃っているため、タイムトライアルになる可能性が高く、メンバー構成的にも先行馬は内枠が欲しいところです。
想定1番人気はパンジャタワー。昨夏のキーンランドC以来勝てていませんが、スプリント~マイル路線のトップグループに位置している馬であることは疑いようがありません。メンバー構成的にしっかり脚をためて差せるのは大きなアドバンテージですし、タイプ的にもG1でより良さが出そう。前走よりも上積みが大きく、1番人気・4.2倍の評価も妥当だと思います。
想定2番人気のスターアニスはオークスからという臨戦。実に6ハロンの距離短縮となります。とはいえ、既にG1を2勝しており、春二冠でともに1番人気に支持された馬。もともと芝1200mでデビューしている短距離指向のタイプでもあり、ここでも十分に通用するでしょう。ただ、大幅な条件変更、古馬との初対戦だけに、もう少しオッズが欲しい気はします(想定4.4倍)。
想定3番人気は現在3連勝中のフリッカージャブ。決まったメンバーでの争いが続き停滞ムードがあるスプリント戦線において、新興勢力と呼ぶのに相応しい存在です。3走前にはレコードとなる1.06.4で駆けており、スピード能力ならこの馬が最右翼かもしれません。それだけに、急坂コースよりは平坦コースがベターでしょう。それでも内枠を引ければ、スピードで圧倒するシーンは十分にあります。想定6.1倍なら、枠次第で期待値はありそう。
ワールズエンドは今春に京王杯SCを勝って、安田記念でも2着。ともにハナを切ってのものでした。今回が初の1200m戦となりますが、過去の履歴からはここでも先行する脚はありそうで、むしろ1400mや1600mよりも適性があるかもしれません。メンバー構成的に距離短縮組にアドバンテージがあり、この馬も内枠を引ければ面白い存在。想定通り11.9倍もらえるなら。
ウインカーネリアンは昨年の覇者。そのスプリンターズSは不利な大外枠でしたが、先行馬が少なく、すんなり2番手を取り切ることができました。今年は先行馬が揃っているので、昨年のように外枠になると苦しいかもしれません。本当はこの馬を押し退けて世代交代が図られなければいけないとは思うのですが、ここ2戦も3着と意気軒昂。9歳ですが衰えは感じられません。王者サトノレーヴが抜けたメンバーで、想定12.7倍は甘く映ります。
差し馬に着目するなら、やはり真っ先に目がいくのはレッドモンレーヴ。高松宮記念で期待に応えて2着に激走をしてくれた馬です。前走は16着大敗ですが、大出遅れしたものでノーカウント。高松宮記念だけ走れれば、当然、チャンスはあります。想定16番人気はナメられ過ぎでしょう。
ママコチャはセントウルSで6番手から3着。ダートを3戦挟んだことで人気を落としていましたが、力を見せてくれました。障害レースを2戦挟んだオールカマーのメイショウゲキリンもそうですが、やはり出馬表に異質なレースが混じっている馬は過小評価されがちですね。展開が向きそうなここは、引き続きマークは必要でしょう。
レイピアはCBC賞で8-8から2着。高松宮記念も7-7から5着としっかり脚をためられるのが強みで、今回はその強みが存分に生かせそう。あとひと押しという内容が続いていますが、そういうタイプは得てしてG1で突き抜けたりするもの。4歳馬でまだまだ伸びしろもあります。
スタートの速い馬が揃って、秋のG1開幕を飾るに相応しい、熱いレースになりそうです。枠と並びをしっかり吟味して、しっかり的中に結びつけたいですね。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言251
追い込み勝ちは過小評価されやすい
★ピックアップレース★
9月5日 中山11R 京成杯AH 芝1600m 良
◎11クランフォード
高○8ピコローズ
高▲4フォルテアンジェロ
高△6ファンダム
穴☆1クルゼイロドスル
穴注13メタルスピード
注12ディールメーカー

―先週取り上げた札幌2歳Sはガチガチの決着でしたが、同日の京成杯AHは3連複428.4倍、3連単3349.8倍という波乱となりました。予想としては高○8ピコローズの単勝19.6倍のみの的中にとどまりましたが、予想印をみると、高が3頭、穴が2頭と波乱を予見していたようです。
みねた)このレースは私が「危険馬対象レース」と呼んでいる、危険な人気馬がいるレース。亀谷競馬サロンに出演した際、亀谷さんとレース選びの話になったのですが、積極的に参加すべきレースが「危険な人気馬がいるレース」であるという認識で一致していました。3番人気・6.2倍のヴァルキリーバースが危険な人気馬と判定できたので、それ以外の馬に期待値が乗っかっている状態だったのです。
―実際にヴァルキリーバースは16着でした。
みねた)危険な人気馬がいるレースでは単勝多点買いが有効になります。「高」は5倍をオッズ切りの基準にしているので、ピコローズとファンダムの単勝は買うべきでしょう。フォルテアンジェロは予想段階では5倍以上ついていて、私のAIの能力指標ではS評価。このオッズならばと思っていましたが、さすがに最後は5倍を下回りましたね。ただ、出遅れから上がり最速の33,4秒を使っての6着という内容は濃く、高▲という評価は間違いではなかったと思います。次走以降も注目したいですし、同じマイルに出てきて人気を落としくれたら理想的ですね。
―10番人気で勝利したピコローズを高○と高く評価した理由についても教えてください。
みねた)これは週中段階から目をつけていた1頭ですが、理由のひとつは「追い込んで勝ったから」。追い込みで勝利した馬というのは過小評価されやすいのです。「先行昇級」が過大評価される一方で、追い込み勝ちで昇級する馬は、本来はクラスが上がった方がレースしやすいという面があるにもかかわらず、あまり評価されない傾向があります。重賞というのは上がりの速さを問われることが多いので、本来、上がり最速での差し切り勝ちというのは評価されていいはずなのですが…。そして確定した枠順をみたら「逃げハサミ」。一層、自信は深まりました。
―結果は4コーナー6番手からメンバー3位の上がりを使って優勝。終わってみれば、2着のエコロブルームも上がり33.0秒で前走を勝っており、「前走で速い上がりを使って勝っていた馬」のワンツーフィニッシュでした。
みねた)エコロブルームを評価し切れなかったのは残念でしたが、結局、「逃げハサミ」なんですよね。このレースもエコロブルームが進路を作って、そこをなぞってピコローズが差してきた形でした。これまでにも「逃げハサミ」を買う時は両脇もセットで押さえようという話は何度もしてきましたよね。だからこのレースも◎ピコローズであれば、エコロブルームにも印が回り、馬連89.2倍、馬単188.4倍に届いていたはずです。
―◎次第で対抗以下が変わるというのも、以前にお話ししていただきましたね。そして◎はクランフォードでした。
みねた)この馬の18.2倍も相当甘かったと思うので、仕方ないですね。前走でG3関屋記念を2着しているのに、再度9番人気。3走前にもG2阪神牝馬Sで0.2秒差・4着の実績があったことを思うと、かなりナメられていました。
―今回も0.6秒差の7着ですから、そんなに負けていませんよね。
みねた)自身よりも外で13番枠のメタルスピードに行き切られてしまったのは誤算で、外からハナを奪われる厳しい競馬になってしまいました。メタルスピードが1.4秒差の15着に沈んだことを思うと、0.6秒差の7着はバッタリ止まったという感じではありません。馬のキャラクター的に人気しにくいタイプだと思うので、今後も馬券でお世話になることがありそうですね。
―先週、今週と同日に行われた重賞2鞍を振り返りましたが、それぞれ違う色が出ていて興味深かったです。
みねた)勝負レース選びの基本は、「人気を吸っている馬がいること」ですから、京成杯AHは積極的に狙っていきたいレース。札幌2歳Sは1番人気馬がほぼ飛ばないというレースでしたが、2番手も抜けていたので組み合わせで何とか期待値を取れたレース。そういったレースの性質も印や見解文で表現しているつもりなので、注目してもらえたらと思います。
