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王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」 01/12 (木)

【第1回】競馬場適性をゴールドシップに学ぶ(入門編)/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」

新しく連載を始めることになりました。名馬を題材にしながら、初級者にもわかるような馬券術の入門編から、中級者向けの応用編まで、競馬予想の考え方についてまとめていきます。

第1回に取り上げるのは、ゴールドシップと競馬場適性です。

ゴールドシップは2012年の皐月賞、菊花賞、有馬記念、2013年、2014年の宝塚記念、2015年の天皇賞・春などを制した芦毛の名馬。抜群のスタミナを持ち、距離が長くなるほど強さを発揮するステイヤーでした。

戦歴の派手さもさることながら、父ステイゴールド譲りの激しくヤンチャな気性で知られ、ライオンのような声で吠えて他馬を威嚇したとか、騎手や調教助手を調教中に何度も振り落としたとか、単勝1倍台の宝塚記念で大出遅れをやらかして数十億円を一瞬でパーにしたとか、ワイルドなエピソードには事欠かない個性派でした。

ただし、誤解されている面もあります。

現役時代を知らないファンの中には「気まぐれ」で「いつ走るか、いつやらかすか、わからないタイプ」だったと思っている人もいるようですが、実際には得意な競馬場と苦手な競馬場がはっきりした馬でした。

競走馬には得意な競馬場と苦手な競馬場があり、どんなに強い馬でも、合わないコースではコロッと負けてしまう。これは馬券を買う上で、もっとも基礎になる大事な考え方です。

競馬場には、右回りも左回りもある。直線の長いコースもあれば、直線の短いコースもある。ゴール前に登り坂があるコースもあれば、平坦なコースもある。

競馬が人間の陸上競技より予測が難しいのは、馬が人よりアテにならないからではありません。人のほうがよっぽどアテにならない。いろんな競馬場を、様々な天候条件のもとで、個性豊かな馬たちが走るからです。

ゴールドシップの戦歴を振り返ります。主な競馬場4場の成績は以下の通り。

・阪神【6-1-0-1】複勝率87.5%
・中山【2-0-2-2】複勝率66.7%
・京都【2-0-0-3】複勝率40.0%
・東京【1-0-0-3】複勝率25.0%

もっとも得意だったのは阪神でした。宝塚記念2連覇、阪神大賞典3連覇。着外の1回は大出遅れの2015年宝塚記念で、これを除けば7戦6勝。盤石の強さでした。

もっとも苦手だったのは東京です。G3の共同通信杯を勝った以外は、3戦して馬券内なし。ダービー5着、ジャパンC15着、ジャパンC10着。上位人気を背負って3度、G1で馬群に沈みました。

ゴールドシップは気まぐれで好走と凡走が分かれた訳ではありません。気性どうこうの前に、合う競馬場と、合わない競馬場がはっきりしていただけです。

では、得意な競馬場と、苦手な競馬場はどんな理由で分かれるのか。

ここで自動車を思い浮かべてください。フェラーリの高級車と、国産の小型車が、競走したらどっちが速いでしょうか。

500メートルの直線コースで競走したら、勝ち負けは見えています。もしスタートで小型車が飛び出したとしても、長い直線のどこかで、フェラーリがぶおーんと追い抜いていくでしょう。

しかし、これがカーブ続きの小回りコースだったら、どうでしょう。小型車は器用にカーブを回り、瞬時に加速と減速ができる長所を活かして走れます。一方、フェラーリはたぶん小回りカーブが得意ではない。ぶおーんと自慢のエンジンを全開にするタイミングがないまま、能力を活かせずに終わってしまう。

長い直線が最後に待っている競馬場と、小回りカーブが続く競馬場では、勝ち負けが簡単にひっくり返る。これが競馬のおもしろいところで、各馬がどっちに向くかを見極めることが、馬券的中への最大のカギを握るのです。

長い直線の代表的なコースが東京競馬場。小回りカーブが続くコースが阪神の内回り(宝塚記念や阪神大賞典が行われるコース)と、中山競馬場です。

ゴールドシップは、豪快な高級車のイメージかも知れませんが、実際は小回り向きの馬でした。小型車ではないので、ジープにしておきます。ジープは四輪駆動で小回りが利き、雨が降った悪路にも強い。反面、長い直線のスピード勝負や、切れ味比べは得意ではない。

だから、ジープ型は阪神の内回りや中山が得意で、東京は苦手なことが多い。ゴールドシップの成績そのまんま、当てはまります。中山も皐月賞と有馬記念を制した得意な競馬場でした。

ゴールドシップの「阪神」と「東京」の成績をまとめたのが下記の表です(他の競馬場は省略)。大違いなのを確認してください。

▼ゴールドシップの阪神競馬場成績
ゴールドシップの阪神競馬場成績

▼ゴールドシップの東京競馬場成績
ゴールドシップの東京競馬場成績

では、この競馬場適性の考え方をどうやって馬券に活かすか。次回の応用編に続きます。

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田端到 近影

田端到

1962年、新潟生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。辛辣ながらも軽妙な文章には定評があり、馬券初心者からベテランまで多くのファンを持つ。近著に「田端到・加藤栄の種牡馬事典」シリーズ、「金満血統王国」シリーズなど。ウェブサイト・noteでは競馬マガジン『王様の極楽競馬天国』を連載中。

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