『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマは「中山競馬場とサドラー系」です。ぜひお楽しみください!
▼『田端到・加藤栄の種牡馬事典 2023-2024』が発売されました!
10月20日(金)に『田端到・加藤栄の種牡馬事典 2023-2024』が発売されました。32年選ばれ続ける大定番の種牡馬事典。本シリーズを立ち上げた当初から守り続ける「血の物語を読める事典」のテイストはそのまま。新たに競馬を学びたい初心者にも、血統馬券を極めたい上級者にも納得していただける内容となっています。
本連載「名馬に学ぶ馬券術」は今年いっぱいで終了し、来年に書籍として発売の予定です。残りは5回。「競馬場の特徴」を取り上げます。今回は中山競馬場とサドラー系について。
中山競馬場は、東京競馬場と対照的な競馬場です。関東の競馬は中山と東京という、コース形状の違う競馬場でかわりばんこに行うから面白いのです。
中山は右回り。直線が310メートルと短い。小回りでコーナーのカーブがきつめ。ゴール前の約200mから急な登り坂がある。
東京は左回り。直線が約526メートルと長い。大回りでコーナーのカーブがゆるめ。直線前半になだらかな登り坂はあるが、芝コースのゴール前は約300メートルが平坦。
馬券につながる話をするなら、上がり3ハロンの見方も変えなくてはいけません。中山の上がり3ハロン(ラスト600m)は、3コーナーを回り終えたあたりからのタイムで、4コーナーのカーブを含んでいますから、あまり速くなりません。
一方、ラスト600mの大部分が直線コースの東京は上がり3ハロンが速くなります。上がりの速くないレース向きの馬(=鋭い切れ味のない馬)は、中山のほうが合う可能性は高い。
中山はラスト1ハロンに急坂があるので、このタイムも遅くなります。東京芝のラストが11秒台なら、中山芝のラストは12秒台。中山ダートのラストは13秒台になることも多い。
ラップタイムは上級者向けのファクターですが「ラスト1ハロンが12秒未満のレースに強い馬」と「12秒以上のレースに強い馬」という分け方で、各馬の戦歴を見るのも有効です。
登り坂があるなら、どこかに下り坂もある。中山の芝コースは、残り約1400メートルの地点から下り坂です。だから、中山芝1200はスタートからいきなり下り坂でハイペースになりやすい。中山芝1600もスタートしてしばらくすると下り坂になるため、ハイペースになりやすい。これが東京コースとの大きな違いです。
血統を絡めた例題を紹介します。