『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマは「ハーツクライに学ぶ東京適性」です。ぜひお楽しみください!
▼『田端到・加藤栄の種牡馬事典 2023-2024』が発売されました!
10月20日(金)に『田端到・加藤栄の種牡馬事典 2023-2024』が発売されました。32年選ばれ続ける大定番の種牡馬事典。本シリーズを立ち上げた当初から守り続ける「血の物語を読める事典」のテイストはそのまま。新たに競馬を学びたい初心者にも、血統馬券を極めたい上級者にも納得していただける内容となっています。
今回で本連載は最終回になります。最初は「名馬に学ぶ馬券術」だったのに、後半は名馬が出なくなってしまったじゃないかなど、多々ツッコミはあろうかと思いますが、これも一冊の入門書を完成させるため。最後は原点に戻り、名馬も登場します。
前回、東京競馬場を紹介しながら得意血統をピックアップしましたが、東京コースに向く種牡馬を個別に並べるよりも大事なことがあるのではないか、と思い直しました。もっと本質的な話をするべきではないか。
東京の芝コースが得意な血統、それはトニービンです。
中山競馬場の項目で「サドラーズウェルズを持つ馬は中山の芝に向く(馬が多い)」という話をしましたが、同じ言い回しで「トニービンを持つ馬は東京に向く」、これが血統とコースの基礎公式です。
トニービンは1988年の凱旋門賞などを制したイタリアの名馬でした。種牡馬として日本に導入されると、初年度産駒からダービー馬ウイニングチケットや、桜花賞とオークスの二冠馬ベガを送り出すなど、クラシックを席巻して大成功をおさめます。
トニービン産駒にはわかりやすい特徴がふたつありました。