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王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」 05/18 (木)

【第18回】出し入れの考え方。桜花賞とオークスの出し入れをソダシに学ぶ/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」

『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。

今回のテーマは「出し入れ」の考え方です。ぜひお楽しみください!



今回のテーマは「出し入れ」の考え方について。G1シーズンなので「トライアルとG1本番の関係」も含めて扱い、桜花賞とオークスの出し入れについても取り上げます。

「出し入れ」とは、2つのレースにおいて、片方では評価を上げ、もう片方では評価を下げるというような意味です。「上げ下げ」でも構いません。

G1のNHKマイルC(東京芝1600)と、前哨戦のG2ニュージーランドT(中山芝1600)を例題に挙げます。

今年のNHKマイルCは、9番人気のシャンパンカラーが1着。ニュージーランドTで3着に敗れていたため、人気薄でした。一方、ニュージーランドTを完勝したエエヤンは、NHKマイルCで2番人気に支持されるも9着に敗退。2頭の着順が大きくひっくり返りました。

ニュージーランドTとNHKマイルCの結果

『どっちも同じ芝1600mの重賞なのに、なぜ簡単に着順が逆転してしまうのか!?』。初心者ならそう思うのが普通です。昭和のドロドロなギャンブルオヤジは『だから競馬なんてヤオなんだよ』と、トライアルとG1で着順が変わると本気で怒ってました。

今年のNHKマイルCは道悪になったためもありますが、馬場を問わず「ニュージーランドTの勝ち馬はNHKマイルCを勝てない」は有名なデータです。過去10年で【0-0-0-10】。勝てないどころか、3着にすら入れない。今年の勝ち馬エエヤンも、この傾向を覆せませんでした。

しかし、ニュージーランドTに出ていた馬がみんな、NHKマイルCで不振というわけではない。ニュージーランドTで2着か3着だった馬はNHKマイルCで【2-2-1-13】。今年を含めた過去10年だと、5頭が馬券になっている。前哨戦でちょっと負けた馬のほうがよく走るのです。シャンパンカラーに次ぐ2着に入ったウンブライルも、ニュージーランドTの2着馬でした。

なぜ同じ芝1600mなのに、前哨戦とG1で逆転が起こるのか。

・中山芝1600と東京芝1600は求められる適性が違うから

・前哨戦を全力で走ると本番の余力がなく、前哨戦は余裕残しのほうが本番で浮上する

主な理由はこの2つです。

右回りで直線の短い急坂コースの中山芝1600にぴったりの馬は、左回りで直線の長い東京コースには合わない。前哨戦を100%の仕上げで走った馬は、G1本番を100%の状態では走れない。だからトライアルとG1で着順の逆転が起こり、これを事前に予測して馬券を買うのが「出し入れ」です。

シャンパンカラーはNHKマイルCの前まで、東京【2-0-0-0】、中山【0-0-1-1】の馬でした。東京得意です。

エエヤンはNHKマイルCの前まで、東京【0-0-1-1】、中山【3-0-0-0】の馬でした。中山得意です。

しかもシャンパンカラーはニュージーランドTが休み明けで、余裕残しの仕上げだった可能性がある。エエヤンはニュージーランドTが3連勝の3つめで、馬体重はマイナス10キロ。ギリギリの仕上げだった可能性がある。

東京のNHKマイルCで評価を上げるべき馬はシャンパンカラー、下げるべき馬はエエヤン。これが出し入れの考え方です。

桜花賞とオークスの出し入れについても、ポイントを伝授します。

桜花賞の前に「馬体重460キロ以上の馬が強い桜花賞と、馬体重の軽い馬も好走するオークス」という傾向の違いを紹介しましたが、今回は別のファクター。それは脚質、位置取りです。

桜花賞で先行した馬はオークスで不振という傾向があるのです。過去10年のオークスにおける「桜花賞の4コーナー位置取り別」の成績をまとめたのが下の表(位置取りはJRA-VANのデータを採用)。

オークスの「桜花賞4角位置取り別」成績(2013~2022年)
▲オークスの「桜花賞4角位置取り別」成績(2013~2022年)


桜花賞で4角4番手以内だった馬は【0-0-1-13】
桜花賞で4角5番手以下だった馬は【7-4-4-49】

桜花賞で先行した馬は、それだけでオークスの成績が悪い。該当馬の中に、オークスの人気馬がいなかったわけではありません。「桜花賞4角4番手以内」でオークス4番人気以内だった馬の一覧が下の表です。

「桜花賞4角4番手以内」でオークス4番人気以内だった馬(2013~2022年)
▲「桜花賞4角4番手以内」でオークス4番人気以内だった馬(2013~2022年)


2021年のソダシは、桜花賞の通過順3-3-3で1着でしたが、オークスは1番人気で8着。2015年のレッツゴードンキは、桜花賞を4馬身差で逃げ切った馬でしたが、オークスは2番人気で10着。唯一、2018年のラッキーライラックは桜花賞2着からオークスも3着しました。

桜花賞で先行した馬はそれだけ軽快なスピードを持つことを意味し、これが東京芝2400のオークスの適性には合わない、ということだと思います。

今年のオークスの出走予定馬で「桜花賞4角4番手以内」だった馬は、桜花賞2着のコナコーストと、3着のペリファーニア。これはまた微妙な馬が当てはまってしまいました。

もっとさかのぼり、桜花賞で先行してオークスを勝った馬を探すと、2010年のアパパネと、2003年のスティルインラブがいます。どちらも三冠牝馬になった名牝です。このレベルの馬なら、ハードルをクリアできることになりますが、さて。

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田端到 近影

田端到

1962年、新潟生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。辛辣ながらも軽妙な文章には定評があり、馬券初心者からベテランまで多くのファンを持つ。近著に「田端到・加藤栄の種牡馬事典」シリーズ、「金満血統王国」シリーズなど。ウェブサイト・noteでは競馬マガジン『王様の極楽競馬天国』を連載中。

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