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王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」 06/01 (木)

【第20回】善戦マン向きの重賞をナイスネイチャに学ぶ/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」

『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。

今回のテーマは「善戦マン向きの重賞」です。ぜひお楽しみください!



ナイスネイチャが35歳で永眠というニュースが流れてきました。善戦マン、ブロンズ・コレクターとして愛された彼への追悼の言葉の数々を目にするうち、当連載もナイスネイチャをピックアップしたくなりました。

重賞にはそれぞれの性質があり、善戦マンには善戦マンが勝利する重賞がある、というテーマです。

ナイスネイチャは、1991年から93年まで3年連続の有馬記念3着が有名ですが、そのほかにも菊花賞4着、天皇賞・秋4着、マイルCS3着、天皇賞・春4着、宝塚記念4着という、美しい惜敗の歴史があります。

こうしてG1の3着と4着を計8回も重ねた末に、2年7か月ぶりの勝利を手にしたのが、1994年の高松宮杯(当時は中京芝2000mのG2)でした。ナイスネイチャが先頭でゴールインすると、中京競馬場では拍手が起こったというエピソードがあります。

これとよく似た戦歴の馬がいます。マチカネタンホイザです。マチカネタンホイザも、朝日杯3歳S4着、ダービー4着、菊花賞3着、天皇賞・春4着、有馬記念4着、天皇賞・秋4着と、G1の3着と4着を計6回も積み重ねた善戦マンでした。

ナイスネイチャとの違いは、この間に目黒記念やアメリカJCCなどの重賞を勝ったことですが、G1惜敗の歴史の末、最後の勝利をあげたのは1995年の高松宮杯でした。ナイスネイチャが勝った翌年のことです。

G1で惜敗を繰り返した馬が、最後の最後に祝福を受ける楽園、それが中京芝2000mの高松宮杯だったのです! と書くのは行き過ぎとしても、レトリックなので気にしないでください。

その後、芝1200mのG1高松宮記念の創設により、高松宮杯というレースは消滅しました。現在の重賞でこれに近いのは、中京芝2000mのG2金鯱賞です。

ここでデータを取ってみます。2013年以降の約10年半に「芝のG1で2着から4着が計3回以上あるのに、G1勝ちのない馬」を調べてみました。ディープボンド、エアスピネル、カレンブーケドール、クロコスミア、サウンズオブアースなど、当てはまる馬は27頭(対象はJRAのG1)。

では、これらG1の惜敗ホースが、どのG2やG3なら勝てたのか。勝利数2以上の重賞をまとめたのが下の表。

「G1の2~4着が3回以上あるのに、G1勝ちのない馬」が勝利した重賞(2013年以降、勝利数2以上)
▲「G1の2~4着が3回以上あるのに、G1勝ちのない馬」が勝利した重賞(2013年以降、勝利数2以上)


燦然と1位に輝くのは金鯱賞。やはり、中京芝2000の重賞なのです!

2013年の優勝馬カレンミロティック。G1は宝塚記念2着、天皇賞・春2着、3着など。

2014年の優勝馬ラストインパクト。G1は菊花賞4着、天皇賞・春4着、ジャパンC2着など。

2016年と17年連覇のヤマカツエース。G1は有馬記念4着、大阪杯3着、4着など。

金鯱賞は施行時期がころころ変わり、宝塚記念のステップレースだった時期もあるため、昔の高松宮杯のような「G1惜敗馬が最後にたどりつく楽園」という感じではありません。現在は大阪杯のステップレースという位置付けです。しかし、それでも「G1惜敗の善戦ホースがよく勝つ重賞ランキング」では、今もトップに君臨している。ここを勝った馬がその後、G1惜敗馬になるというケースも含みます。これは中京芝2000mの重賞が持つ性質だと考えるべきでしょう。

金鯱賞だけではありません。昨年の鳴尾記念は中京芝2000mで行われました。勝ち馬を覚えていますか。ヴェルトライゼンデです。ホープフルS2着、ダービー3着、ジャパンC3着のG1善戦マンが、中京芝2000の重賞で2年7か月ぶりの勝利をあげました。ナイスネイチャも2年7か月ぶりでしたが、偶然でしょう。

メイショウドトウも中京芝2000が得意で、中京記念と金鯱賞を勝っています。G1ではテイエムオペラオーの2着を重ねた馬です。これらを中京芝2000の重賞の性質として頭に入れておけば、どこかで役に立つはずです。

次回の応用編ではステイゴールドを取り上げます。

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田端到 近影

田端到

1962年、新潟生まれ。週刊誌記者を経てフリーのライターに。辛辣ながらも軽妙な文章には定評があり、馬券初心者からベテランまで多くのファンを持つ。近著に「田端到・加藤栄の種牡馬事典」シリーズ、「金満血統王国」シリーズなど。ウェブサイト・noteでは競馬マガジン『王様の極楽競馬天国』を連載中。

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