『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマは「内回りと外回りの違い」です。ぜひお楽しみください!
「競馬の記事を読んでいると、内回りとか外回りという単語が出てくるけど、これがよくわからない」
ビギナーの人から、ときどき届く質問です。ちょうど京都競馬場が新装オープンしたところなので、これをまとめていきます。
競馬場はそれぞれコースの形状が違います。1周の距離、直線の長さ、坂の有無、コーナーのきつさゆるさ、などなど。詳しくはJRAのホームページに掲載されているコース図を参照してもらうとして、以下はすべて芝コースの話です。
東京競馬場は、内回りと外回りの区別がありません。
中山競馬場は、内回りと外回りでコース形状が違います。
阪神競馬場は、内回りと外回りで直線の長さが違います。
京都競馬場は、内回りと外回りで直線の長さやコースの勾配が違います。
大雑把な説明ですが、競馬場によって注意するべきポイントが違うのです。
中山競馬場からいきましょう。芝1800、芝2000、芝2500などが内回りコース。芝1200、芝1600、芝2200などが外回りコースで行われます。
内回りと外回りの大きな違いは、コース形状です。異なるのは向こう正面で、最後の直線は同じです。
▼参考/JRAホームページ
中山競馬場 コース紹介
中山の内回りは小回りコーナーをちょこちょこ回るコース。外回りに比べてペースの緩急が生まれやすく、器用さを求められます。
外回りは、内回りの2コーナーで回らず、向こう正面のほうへ大回りします。「内回りは楕円形。外回りはおむすび型」と説明されることもあります。ここでペースが緩みにくいため、内回りより締まった流れ(緩急の小さなラップ)になりやすい。
中山芝1600はスタートしてまもなく下り坂のため、すべてのマイル戦の中で最も前半のペースが速くなりやすい。
中山芝2200は、距離の長さなら中山芝2000に近いのに、末脚の持続力が必要な分、求められるスタミナは中山芝2500に近い。
2007年の有馬記念を勝ったマツリダゴッホは「中山の鬼」と呼ばれ、中山芝2200の重賞を4勝、中山芝2500の重賞を2勝しましたが、芝2000の重賞は天皇賞・秋など7回走って【0-1-0-6】。中距離は不向きでした。これは外回りの中山芝2200が中距離ではなく、長距離のカテゴリーに入ることを示しています。
なつかしい名前ではマチカネタンホイザも挙げたい。