『田端到・加藤栄の種牡馬事典』で知られる田端到氏が、馬券術の入門から応用まで競馬予想の考え方・コツを伝授する『王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」』。
今回のテーマは「芝2500m以上の考え方」です。ぜひお楽しみください!
▼『田端到・加藤栄の種牡馬事典 2023-2024』が発売されました!
10月20日(金)に『田端到・加藤栄の種牡馬事典 2023-2024』が発売されました。32年選ばれ続ける大定番の種牡馬事典。本シリーズを立ち上げた当初から守り続ける「血の物語を読める事典」のテイストはそのまま。新たに競馬を学びたい初心者にも、血統馬券を極めたい上級者にも納得していただける内容となっています。
距離の考え方。今回は芝2500m以上に注目します。芝2200と芝2400の考え方については、本連載の第15回に書いていますのでそちらを参照してください。
▼参考記事
【第15回】距離の考え方。2200mと2400mの違いをメジロライアンとジェンティルドンナに学ぶ/王様・田端到の「名馬に学ぶ馬券術」
2500m以上と言えば、各距離で特定の重賞の名前が浮かびます。3000mなら菊花賞、3600mならステイヤーズSという具合に、距離ごとの施行レース数は多くない。それらを全部ひっくるめて「2500m以上」という大きな分類にしたときに、どんな特徴があるのか。
まずは驚きのデータから紹介します。2018年から23年10月の芝2500m以上の338鞍(そのうち重賞51鞍)を対象にしました。
ポイント1: 芝2500m以上は先行馬を買うだけでプラスになる
これは本当です。「3コーナーの位置取り別」に勝率と単勝回収率をまとめたのが表1。見慣れない表でしょうから、同じデータを芝2400mでまとめた表2と比べてください。
▲(表1)芝2500m以上の3角位置による先行馬成績
▲(表2)芝2400mの3角位置による先行馬成績
芝2400に比べると、芝2500以上は明らかに先行馬の勝率や単勝回収率が高い。「3コーナー4番手以内」の全馬の単勝馬券を買っても軽くプラスになる計算です。
もちろん、どの馬が4番手以内にいるかをレース前に正確に予測することは無理ですが、対象338鞍という母数で、ざっくり4番手以内という区切りでプラスになるのだから、いかに先行馬が馬券的においしいかはわかるでしょう。
これはつまり、2500m以上になると差し馬があまりアテにならないことも教えてくれます。後方から差す人気馬が不発に終わりやすいから、先行馬の回収率がこんなに高い。2400mとの違いです。
ポイント2: 芝2500m以上で成績優秀なのは8枠
これは意外に思う人も多いのではないでしょうか。枠順のデータをまとめました。表3は芝2500以上の全レース、表4はそのうちの重賞です。