Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『トレンド種牡馬トーク』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第103回目のトークテーマは前回に続きキズナの再検証です。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
▼お知らせ
単行本『Mの法則×血統ビーム 誰でも使える血統買いパターン』は絶賛発売中!
亀谷敬正(以下、亀):函館スプリントS、本線的中お見事でした。
▼参考/競馬放送局
Mの法則・今井雅宏が函館開幕週で土日的中!/先週のMVP
今井雅宏(以下、今):◎〇で馬単55倍を当てて、上位評価5頭中4頭が4着以内だから3連単400倍も当てたよ。ちょうど今回話そうと思ってたアサカラキングも出てたんだ。
亀:1番人気でしたよね。
今:キズナの回でビアンフェの話をしたの覚えている?
亀:単行本にも載ってますね。「ダッシュ力はないけど強引に加速して、根幹距離を非根幹距離に変える特殊な逃げ」という解説でした。
▼参考記事
【第3回】キズナ#3&ドレフォン#1 根幹距離の再定義、母系の引き出し
今:アサカラキングも同じで、安定したダッシュ力はないけど、強引に加速してレースの流れを歪める逃げになるんだ。前走は上手くダッシュがついたけど、本質的なスプリンターでもないから、ストレスのある今回も同じようにダッシュがつく可能性はそんなに高くはない。だから途中から強引に加速していく形になりやすいわけで、そこがキズナ牡馬の難しさだよね。上手く揉まれずスピードに乗れた時はビアンフェみたいに破壊的に強いけど。
そこで今回は、強引にアサカラキングが作るハイラップを利して、外枠を引いたスクリーンヒーローが被せていって体力勝負に持ち込むという読みでウイングレイテストが対抗だったんだ。本命は「ロードカナロアの相手強化」だよね。昨年のキミワクイーンとステップ的にもリプレイだったよ。
亀:では、他のキズナ産駒も特徴を考えていきましょう。まずジャスティンミラノです。
今:スケールそのものが相当あるのと鮮度もあって、安定して走ったね。
亀:今年の3歳は少し配合が変わってきて、馬の出来そのものが違うんですよ。
今:この間、そんな話をしてたね。
亀:キズナは伸びのある欧州血統を持つ配合との相性が良いんです。なかでもジャスティンミラノみたいなデインヒル系や欧州型ナスルーラを持つ配合ですね。日本のディープインパクト直仔では失敗した配合ですが、キズナだと根幹距離で伸びのある仔も出ます。
今:心身タイプとしては、硬くなりやすくて揉まれ弱いという部分は同じと考えているけど。例えば根幹距離を走るディープ牡馬も、硬くなりやすくて揉まれ弱くなる構造は同じだったように。上がり勝負、切れ勝負向きの産駒でも、レースに対する構え、向き合い方自体は変わらないわけだ。サヴォーナはどう?
亀:これも母系がデインヒルなので、ジャスティンミラノのややスケール落ちみたいな感じですよ。
今:根幹距離を速い上がりで好走しているね。
亀:王道でためる競馬ですね。勢いを失った感はありますが。
今:疲れやすいのもあるんだよね。あと、天皇賞みたいな中途半端な競馬でなく、京都なら坂の下りを使って一気に加速するような思い切った騎乗が向いているよ。シックスペンスは?
亀:こっちは母系が米国型で伸びのないタイプで、小回り短距離の方が向いてますね。だからダービーは自信の切りでしたよ。
今:対談の時も危ないって指摘してたよね。
亀:母父米国型だとダートの方が良くなるんですよ。母父欧州型は伸びが出るので、ダートより芝向きになるわけですが。
今:パワーがあって、あんまりごちゃつくと良くないから重い馬場は合うよ。前半の入りは遅めの方が良いけど。
亀:母父米国型だと、3歳牝馬にクイーンズウォークがいますね。次走は秋華賞に直行かもしれません。