Mの法則でお馴染みの今井雅宏氏と当サロン主催・亀谷敬正との師弟トークコラム『今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク~』。馬券的に美味しい種牡馬の解説、馬券的な活用方法などをデータを交えながら説明いたします。
第112回目のトークテーマは先週の実戦例と、前回に続きロジャーバローズ。師弟によるディープな競馬トークをお楽しみください!
亀谷敬正(以下、亀):先週末も日曜札幌12Rでキタサンブラックの馬体重作戦が決まりましたね。タイセイミッションが前走馬体減で惨敗後の14キロ増だったんですよ。サロンメンバーの方も「馬体重が増えてますね!」って盛り上がりました(笑)。単勝は14.9倍もつきました。
今井雅宏(以下、今):お、それはかなり美味しかったね~。「キタサンブラックの馬体増」の話を熱心にしたばかりだもんね。
亀:この連載を上手く活用している人は、一般競馬ファンが知らないキタサンブラック産駒の取捨ができているわけです。
今:馬体重馬券はかなり効果的なのはもちろん、そうやって当日パズルみたいにして楽しめるのも、みんなで盛り上がって良いよね(笑)。馬体重と言えば、土曜新潟のBSN賞なんかも面白かったよ。ブレイクフォースを本命にしたんだ。
亀:おお、単勝24.8倍も付いていますね。休み明けの馬体増だから、余計に「買い」になったわけですね。
今:逆に危なくなったのが対抗にしたルクスフロンティアだったよ。この馬は前走大幅増で充実して3勝クラスを勝ったんだよね。それが今回は休み明けなのに6キロ減なんだ。エピファネイアはMのL系なんだけど、このタイプは特に休み明けのダートで減ってるようだと良くないんだよ。
亀:なるほど。ダートで休み明けの牡馬が馬体減りだったケースでは、36回走ってまだ連対馬が出てませんね。複勝回収率は18%しかないです。
今:芝向きなんだけど強引に体力でダートを走るタイプの種牡馬だから、休み明けの馬体減りはその頼みの体力が減って良くないんだよね。
亀:ところでブレイクフォースはアジアエクスプレス産駒ですが、どこが狙い目でした?
今:以前、上のクラスに上がると馬群で矯めるしぶといタイプにモデルチェンジしないと厳しいみたいな話をしたけど、それがまさにこの馬だよね。内枠から矯めるだけ矯めて差す競馬を狙っての本命だったんだ。
亀:そういえば内枠が良いなんて話もしてましたね。
今:あと、アジアエクスプレスは同じ日の札幌12R(芝1200m)でも激走したけど、この馬(オベイユアマスター)も上位評価にして3連複万馬券を当てたよ。
亀:1600mからの短縮を狙ったわけですか。アジアエクスプレスは芝1400m以下への短縮で結構走るんですよね。芝の延長は勝率2.1%ですが、短縮は8.8%と4倍以上の開きがあります。
ちなみに、今まで芝1400m以下を短縮で馬券になった産駒の母父はすべて「サンデー系か芝1200mのG1勝ち馬を出した種牡馬」です。アジアエクスプレス自体も一応芝のG1を勝っているのと、母父の影響を受けやすいことが、こういう傾向になるんでしょう。
今:特に短縮の外枠は走るよね。短縮が精神的には合うタイプなんだけど、ちょっとアジアエクスプレスは芝の短距離への短縮だと忙しく感じる産駒が多いんだ。それで内枠だと追走で一杯になって余裕がなくなっちゃうケースも増えるんだよね。そういうタイプなんで、忙しさの軽減される外枠とか、重い馬場の方が短縮は走りやすい。
亀:洋芝の外枠は短縮1200mにちょうど良かったというわけですね。では、ここからは前回から始めたロジャーバローズの話に移りましょう。前回は先行馬がとにかく買いという話でしたね。