競馬キャスター、ならびに単行本「馬場のすべて教えます2」の著者としてもお馴染みの小島友実さんによる連載『コジトモの馬場よもやま話』。
今回のテーマは「先週開幕した阪神競馬場のダートコース」について。長年にわたり“馬場”を取材してきた第一人者からの馬場情報は必見です!
3月1日に再開した阪神競馬場。芝コースに関しては先週の当コラム(鳥取産野芝が大幅に増えた阪神芝コース)で、「開幕週はそれなりの時計が出るでしょうが、レコードが出るほどの速い馬場にはならないと思います」と阪神の馬場担当者が話していた、と書きました。
実際、先週の開幕週はまさにそんな感じで、速めの時計が出たものの、レコードタイムは出ませんでした。
一方、レース中に少雨が降っていたことから速い時計が出てもおかしくなかった日曜を含めて、先週のダートは時計がかかり気味でした(土日とも良)。
阪神ダートコースは芝コース同様にコースレイアウトに変更はありませんが、2006年以来、18年ぶりに上層路盤の改修工事が実施されました。この改修工事が今のダートの走破時計に影響を与えているかもしれません。
ということで、今回はダートコースでどんな作業を行ったのかをお伝えしましょう。
今回、路盤の改修工事を行った理由は、ダートコース路盤の硬化や凸凹が見られたためです。そのため、ダートコースのクッション砂の下にある上層路盤の山砂を入れ替えました(上から15㎝)。なお、使用した山砂は以前と同じ広島県産です。
馬場担当者は開幕前、「これにより排水性とクッション性、均一性が向上。馬場の安全性を高める事ができました」と話していました。
また、ダートコースで使用する砂は使っている間に馬の脚の衝撃などで細かく砕けて泥分が増えたり、ゴミが入ったりするので、そのままにしておくと排水性が悪化する原因になります。そのため、どこの競馬場でも1年に1度、コースすべての砂を洗浄しています。阪神ダートコースでは昨年の2回開催後にすべてのクッション砂を洗浄しました。
なお、2月18日の当コラム(東京ダートコースの最新事情)でも紹介した通り、近年、青森県産の良質なクッション砂の産出量が低下しているため、JRAでは青森県産に加えて、別の産地の砂も使用するようになっています。
現在の阪神競馬場、ダートコースの砂の割合は、