いよいよ2021年最後のコラムとなりました。新しい年を迎える前に、私たちが愛する競馬に多大な貢献をされ、今年惜しまれつつ亡くなられた方々を偲ばせていただきます。
▼ハリド・アブドゥラ殿下…1月12日死去、享年85歳
サウジアラビアの王族で、英・愛・米に拠点を置くジャドモンドファームを擁し、エネイブル、フランケル、ダンシングブレーヴ、アロゲート、キングマン、デインヒルなどなど数多くの世界的、歴史的名馬を生産・所有したあまりにも偉大なオーナーブリーダー。
エメラルドグリーンの胴色にピンクの襷、白袖、ピンク帽の勝負服と「ジャドモンド」は一族が事業を継承しています。
▼岡田繁幸さん…3月19日死去、享年71歳
生産牧場のビッグレッドファーム、クラブ法人のサラブレッドクラブ・ラフィアンを創設したコスモ・マイネル軍団の総帥。ほとばしる競馬への情熱、競走馬への愛情、類まれな相馬眼を忘れることはできません。
日本競馬の偉大なるオーナーブリーダーが亡くなった2か月後、ドイツ語で「生き残る」という意味の馬名がつけられたユーバーレーベンが優駿牝馬を優勝。生産のビッグレッドファーム、馬主のサラブレッドクラブ・ラフィアンともに、これがクラシック初制覇でした。
▼高松邦男さん…6月4日死去、享年73歳
キョウエイプロミス、ホワイトストーンらの調教師。NHKの中継で解説者もされました。
▼野村彰彦さん…9月13日死去、享年78歳
桜花賞馬キョウエイマーチ、中山GJを勝ったスプリングゲントらを管理しました。
▼すぎやまこういちさん…9月30日死去、享年90歳
ザ・タイガースやザ・ピーナッツの楽曲、東京オリンピックの開会式でも使用されたドラゴンクエストシリーズの楽曲を手がけた伝説の作曲家。競馬ファンにとっては、東京・中山競馬場で使用されるファンファーレや「グレート・エクウス・マーチ」をはじめとする馬場入場曲の作曲者として知られていました。
▼川口真さん…10月20日死去、享年83歳
すぎやまこういちさんの死去から僅か20日後に亡くなった川口真さんは、中京競馬場、小倉競馬場で使用されるファンファーレ(G1や名鉄杯を除く)の作曲者です。ザ・ドリフターズの多くの楽曲の編曲を手がけた他、ウルトラマンタロウやウルトラマンレオの主題歌・挿入歌も川口真さんの作曲によるものでした。
皆様、今年1年間ご愛読頂きありがとうございました。来年もこのコラムと土曜前半の競馬中継等でお目にかかります。どうぞよいお年をお迎えください!
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。