いよいよ「ドバイワールドカップデー」が近づいてきました。今年は5つのGI、3つのG2に、日本から史上最多の22頭が出走します。日本での海外馬券発売が行われるドバイゴールデンシャヒーン、ドバイターフ、ドバイシーマクラシック、ドバイワールドカップの後半4レースは各メディアが取り上げているかと思いますので、当コラムでは馬券発売が行われない前半4レースについて触れようと思います。(情報は3/23現在)
第2レースで行われるのがG2ゴドルフィンマイル(日本時間土曜21:20発走)です。北半球産4歳以上、南半球産3歳以上のダート1600m戦で、今年は日本から武蔵野Sの勝ち馬ソリストサンダー(C・デムーロ)、ニュージーランドTの勝ち馬バスラットレオン(坂井瑠星)、久々の復帰となる一昨年のサンバサウジダービーの勝ち馬フルフラット(吉原寛人)と、過去最多の3頭が出走します。
大手ブックメーカーのオッズではG2アルマクトゥームチャレンジラウンド2の2着馬アルネフッドや、去年のこのレースを6馬身差で圧勝したシークレットアンビションら地元勢が人気のようですが、フェブラリーS(4着)以来のレースとなるソリストサンダーも10倍前後の4~5番人気の評価を受けています。
第3レースはG2ドバイゴールドカップ(日本時間土曜21:55発走)。北半球産4歳以上、南半球産3歳以上の芝3200m戦です。このレース6年ぶりの参戦となる日本からは、ゴールドシップ産駒のオープン馬ヴェローチェオロ(M・デムーロ)と、先月サウジの芝3200mのG2レッドシーターフHで4年ぶりに重賞を勝利したステイフーリッシュ(C・ルメール)が出走。初の2頭出しとなります。大手ブックメーカーのオッズでは、ゴドルフィンの5戦無敗馬マノーボがオッズ1倍台の圧倒的な支持を集めていますが、ステイフーリッシュもWilliam Hillではオッズ6倍の2番人気の評価を受けています。
ところで、上記2レースに出走するフルフラット、ヴェローチェオロのオーナー、大野剛嗣さんが今月2日、50歳の若さで逝去されたことがわかりました。ステラヴェローチェやドバイでも活躍したマテラスカイなども所有された大野オーナーのご冥福をお祈りします。
第4レースでは3歳以上の直線芝1200mのGIアルクオーツスプリント(日本時間土曜22:35発走)が行われ、日本から去年、仏GIフォレ賞で3着に健闘したエントシャイデン(坂井瑠星)、一昨年のNHKマイルCの勝ち馬ラウダシオン(C・デムーロ)の2頭がサウジからの転戦で出走します。大手ブックメーカーのオッズでは、前哨戦のG3ナドアルシバターフスプリントを快勝したゴドルフィンの1頭、マンオブプロミスが3倍前後のオッズで1番人気の評価を受けています。
第5レースは3歳馬によるG2、ダート1900m戦のUAEダービー(日本時間土曜23:10発走)です。2016年にラニが制したレースに、今年は3戦2勝のクラウンプライド(D・レーン)、前走ヒヤシンスSを勝った日本のゴドルフィン所有馬コンバスチョン(W・ビュイック)、兵庫ジュニアGPではコンバスチョンに競り勝ち、前走サウジダービーでも2着に入ったセキフウ(C・デムーロ)、そのセキフウと前走なでしこ賞で差のない2着だったレイワホマレ(C・ルメール)の4頭が出走。
ゴドルフィンがW・ビュイック騎手を乗せてきたこともあり、William Hillではコンバスチョンが4.5倍で1番人気。ただCORALでは、サウジダービーの1~2着馬、米ボブ・バファート厩舎のパインハーストと日本のセキフウを上位評価しています。また、国際情勢の渦中にあるロシアの調教馬アジュアコーストは、ドバイ3冠の1冠目UAE2000ギニーを強烈な追い込みで制した馬で侮れません。
さてグリーンチャンネルでは、26日土曜日の夜9時から深夜2時まで、日本馬が出走する8つのレースを5時間にわたって完全生中継します。私は今年もスタジオの進行を担当します。長い夜を一緒に楽しみましょう。
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。