いよいよ日本時間10月2日の深夜、「第101回凱旋門賞」が行われます。悲願達成を目指し、今年は日本から、国内現役最強のタイトルホルダー、今年のダービー馬ドウデュース、2年連続の参戦となるディープボンド、中東の地で重賞を連勝したステイフーリッシュの4頭が出走。“4頭出し”は歴代最多です。
もちろん、日本での馬券発売も行われ、レース当日のグリーンチャンネルの中継では、今年も私が進行役を務めさせていただきます。そこで今回は、中継に向けて準備している凱旋門賞の「記録」についてのメモをいくつかご紹介します。観戦のお役に立てていただければ幸いです。
(1)競走馬の優勝回数…2勝が最多で過去8頭。うち7頭が連覇。<>内は調教国。
クサール(Ksar)<フランス>・・・1921、22年(第2、3回)連覇。牡。3~4歳時。
モトリコ(Motrico)<フランス>・・・1930、32年(第11、13回)優勝。牡。5、7歳時。連覇以外の複数回優勝は唯一。7歳での優勝は最高齢(6歳もいない)。
コリーダ(Corrida)<フランス>・・・1936、37年(第17、18回)連覇。牝。4~5歳時。
タンティエーム(Tantieme)<フランス>・・・1950、51年(第29、30回)連覇。牡。3~4歳時。
リボー(Ribot)<イタリア>・・・1955、56年(第34、35回)連覇。牡。3~4歳時。
アレッジド(Alleged)<アイルランド>・・・1977、78年(第56、57回)連覇。牡。3~4歳時。
トレヴ(Treve)<フランス>・・・2013、14年(第92、93回)連覇。牝。3~4歳時。
エネイブル(Eneble)<イギリス>・・・2017、18年(第96、97回)連覇。牝。3~4歳時。
今年、連覇(2度目の優勝)の可能性があるのは、ドイツ調教馬・トルカータータッソです。
(2)騎手の優勝回数…フランキー・デットーリの6勝が単独最多。2位タイは4勝で6人いる。
6勝
フランキー・デットーリ(1995、2001、02、15、17、18)
4勝
ジャック・ドワイヤベール(1942、44、50、51)
フレディ・ヘッド(1966、72、76、79)
イヴ・サンマルタン(1970、74、82、84)
パトリック・エデリー(1980、85~87)
オリビエ・ペリエ(1996~98、2012)
ティエリ・ジャルネ(1992、94、2013、14)
今年、フランキーの騎乗馬は?
(3)最大着差での優勝…6馬身差(3頭)。<>内は調教国。
リボー(Ribot)<イタリア>・・・1956年(第35回)。2度目の優勝時。フェデリコ・テシオの忘れ形見。16戦無敗。20世紀を代表する名馬。
シーバード(Sea-Bird)<フランス>・・・1965年(第44回)。英国ダービー馬。ソ連、アメリカを含む各国のダービー馬、有力馬相手に大勝。フリーハンデ145ポンド獲得。
サキー(Sakhee)<イギリス>・・・2001年(第80回)。ゴドルフィン。フランキー・デットーリ。英インターナショナルSからの連勝。次走でBCクラシックに向かい、ハナ差2着。
(4)レースレコード ※<>内は調教国。
2:23.61(2016年、第95回)
ファウンド<アイルランド> ※シャンティイ開催
2:24.49(2011年、第90回)
デインドリーム<ドイツ> ※ロンシャンでのレコード。社台ファームで供用中。
ここ2年は不良馬場でのレースがつづいており、一昨年が39秒台、去年は37秒台でした。
果たして、今年の凱旋門賞で新たな「記録」は生まれるのでしょうか? もちろん、一番お伝えしたいのは日本調教馬の勝利。達成なれば、日本はおろか、ヨーロッパ以外の調教馬として初めての勝利という快挙となります。そんな瞬間が来ることを祈って…。日曜の夜、凱旋門賞中継でお会いしましょう!
2022/09/29 (木)
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。