2023年、最初のコラムとなりました。亀谷競馬サロンの皆さん、今年もよろしくお願いします!
さて、新年の中央競馬は5日の金杯に始まり、1日空けての3日間開催と、既に4日間の開催を消化。私は土曜日と成人の日の中継を担当しました。新年の競馬中継ならではと言えるのが、各騎手の今年初勝利の瞬間をお届けできることです。新年初勝利の騎手や厩舎については、勝ち馬プロフィールの中で去年の勝利数と併せて紹介していますが、「去年と比べて今年はどれくらい勝つんだろう?」と予想するのも楽しみのひとつです。
2021年に199勝をあげたC.ルメール騎手は、海外遠征などで騎乗数が減ったこともあり、2022年は109勝と、勝利数を90も減らしました。この「90勝」は誰のもとに移ったんだろうとリーディングの成績表を単純に比較すると、戸崎圭太騎手が、2022年はMVJを獲得する活躍で前年比プラス48勝。そして、海外重賞に加え国内GIを2勝するなど2022年最大のブレイクを果たした坂井瑠星騎手が前年比プラス45勝。おおよそこの2人でC.ルメール騎手が減らした分の勝利数を加えていました。
そんな見方をする中での今年最大の関心事は、2月いっぱいで騎手を引退する福永騎手が勝つはずだった勝利数の行方です。福永騎手は2022年も自身12年連続13回目の年間100勝をクリアし、101勝をあげました。今年も既に4日間で3勝をあげている福永騎手の勝利数は3月以降、誰のもとに移るのでしょう?
第1候補は22歳の岩田望来騎手。一昨年は前年比プラス12勝、去年は前年比プラス15勝と確実に勝利数を伸ばし、今年も京都金杯で自身3回目の重賞勝ちと好スタートを切りました。福永騎手と騎乗依頼仲介者が同一ということもあり最有力ではないでしょうか。
もう一人の候補が26歳の鮫島克駿騎手。2020年以降、37→69→80と、こちらも確実に勝利数を増やしている他、去年はG2とG3を2勝ずつしていて、次の「GI初勝利騎手」に最も近い騎手です。福永騎手との関係が深かった「ノースヒルズ」の主戦の一人でもあり、こちらも勝ち鞍を増やしそうです。
騎乗スタイルや得意な条件など、具体的な中身の分析については、私も大変参考にさせていただいているTAROさんの『ジョッキーズファイル』を読んでいただいて、2023年に活躍する騎手を予想するのも、この時期ならではの楽しみではないでしょうか。
最後に2023年最高のスタートダッシュを決めた騎手をもう一人。その人の名は杉原誠人騎手。横山和生騎手らと同期の13年目30歳。過去最高の年間勝利数は2年目にあげた22勝で、去年は12勝。しかし、今年は4日間13回の騎乗で早くも3勝。3勝目はキタウイングのフェアリーS。重賞勝ちは去年ビリーバーで勝利したアイビスサマーダッシュに続く2勝目でした。キーワードは「シルバーステート産駒」と「ミルファーム」です!
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。