5月の第2日曜日は「母の日」です。今年の「母の日」には牝馬限定のG1ヴィクトリアマイルが行われますが、ヴィクトリアマイルはカレンダー次第で第2週になったり第3週になったりするので、「母の日」に行われるのは2019年以来4年ぶりです。そこで今回は、「母の日のヴィクトリアマイル」を制した牝馬7頭をまとめました。
▼2006年・第1回 ダンスインザムード
全姉ダンスパートナー、全兄ダンスインザダークの“ダンシングキイ一族”。5歳春に新設G1を制し初代春のマイル女王に。ダンスインザムードは桜花賞につづくG1・2勝目、鞍上の北村宏司騎手はG1初勝利だった。
母としては初仔のダンスファンタジアがG3フェアリーS優勝。11頭の仔を出し、2021年に繁殖を引退。現在22歳。
▼2007年・第2回 コイウタ
歌手の前川清氏が共同所有。馬名は、内山田洋とクール・ファイブのヒット曲から名付けられた。ヴィクトリアマイルは12番人気の低評価ながら優勝。オーナー、奥平雅士調教師、松岡正海騎手はG1初勝利だった。
3番仔ミッキーラブソングがOP特別2勝、京都金杯・3着。5番仔ユラノトはOPマリーンS勝ち、G3根岸S・2着、G1フェブラリーS・3着などダートで活躍。現2歳世代はエイシンフラッシュの牡駒がデビューを目指している。
▼2012年・第7回 ホエールキャプチャ
フィリーサイアー・クロフネが出した牝馬のG1馬の1頭。父の名から連想し、ペリーの黒船来航が捕鯨時の寄港地確保であったことに因んで名付けられた。千代田牧場生産で、牝系は小岩井農場の基礎繁殖牝馬ビューチフルドリーマーに遡る名門。2012年のヴィクトリアマイルは横山典弘騎手がインを突き勝利。蛯名正義騎手が騎乗した2013年も12番人気ながら2着と健闘した。
現在のところ産駒の中央勝ちは初仔のアルママのみ。3番仔トーセンマッシモが南関東と岩手で計6勝した。現2歳世代はキズナの牡駒がデビューを目指す。
▼2013年・第8回 ヴィルシーナ
2012年の牝馬三冠は全てジェンティルドンナの2着だったが、ジェンティルドンナ不在のヴィクトリアマイルでは2013年、14年と連覇。最初の優勝は1番人気に応えてのものだったが、2回目は2桁着順が続いたこともあり11番人気の低評価だった。半弟シュヴァルグラン、全妹ヴィブロスら、元メジャーリーガーの佐々木主浩氏が所有し、馬名に「ヴ」が入る“ハルーワスウィート一族”。
母としても、初仔ブラヴァスがG3新潟記念を勝利したほか、3番仔ディヴィーナもOP入り。現2歳世代は新種牡馬レイデオロとの牝馬がデビューを目指す。
▼2017年・第12回 アドマイヤリード
2013年のセレクトセールで4830万円で取引されたステイゴールド産駒。自身4勝目の準OP飛鳥Sは武幸四郎騎手のジョッキー最後の勝利だった。2017年ヴィクトリアマイルはC.ルメール騎手に導かれての勝利。引退後は母として3頭の仔を出し、現2歳世代はモーリス産駒の牡馬が松永幹夫厩舎からデビューを目指している。
▼2018年・第13回 ジュールポレール
馬名はフランス語で「白夜」。4歳時、G1初出走のヴィクトリアマイルは7番人気3着。賞金ギリギリで出走した翌年は、午後からの雨で稍重のコンディションの中、8番人気ながら1番人気リスグラシューを約20cm差で制して優勝。マイルCSの勝ち馬サダムパテックとの兄妹G1制覇を果たした。母としては、これまで2頭を生産。現2歳世代はロードカナロアの牝馬。
▼2019年・第14回 ノームコア
2歳夏にデビューし2連勝するも骨折で長期休養。3歳春に復帰し秋にG3紫苑S勝ち。翌年のヴィクトリアマイルでは、D.レーン騎手に導かれ、1:30.5のレコードで優勝。レース後、再び骨折が判明し離脱。秋に復帰しG3富士S勝ち。翌年はG2札幌記念と、ラストランとなったG1香港Cも制した。1つ下の半妹はグランプリ3連覇のクロノジェネシス。初仔となるエピファネイアとの牡馬が去年生まれている。
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大澤幹朗
1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。