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競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ
2023/11/30 (木)

チャンピオンズCと全日本的ダート競走体系/大澤幹朗の競馬中継ココだけのハナシ

来る12月3日、中京競馬場では、第24回チャンピオンズカップ(GI)が行われます。

「第24回」というのは、このレースの前身である「ジャパンカップダート」が創設された2000年から数えられた回数で、2014年に国際招待を外し、中京ダート1800mで行われる「チャンピオンズカップ」となってからは、今年でちょうど10回目となります。

今年のチャンピオンズCには、レモンポップ、テーオーケインズ、メイショウハリオ、アイコンテーラー、ノットゥルノというダートGI級優勝馬に加え、芝のG1馬ジオグリフとドゥラエレーデも出走を予定しており、いわゆるGI馬が7頭も顔を揃えました。

さらに、アーテルアストレア、ウィルソンテソーロ、クラウンプライド、グロリアムンディ、セラフィックコール、ハギノアレグリアス、プロミストウォリア……と、挙げればきりがないほど、ほとんどが重賞ウイナーで重賞実績のない馬は皆無。これに無敗の南関東三冠馬ミックファイアも出走していたら……と思うのは、さすがに贅沢でしょうか。いずれにしても多彩かつ豪華メンバーです。

これだけのメンバーがチャンピオンズCに集うのは、フェブラリーSと並ぶ国内ダートGI最高の1着賞金1億2000万円ということはもちろんですが、私は「ダート1800m」という舞台も理由だと思っています。
ダート競馬の本場アメリカのケンタッキーダービーやブリーダーズカップクラシックの舞台がダート2000m戦であるように、世界におけるダート競馬のチャンピオンディスタンスは2000mです。

しかし、芝コースが本馬場の中央競馬では、ダート2000mのコースは阪神競馬場にしかなく、しかも芝スタートで右回り。そのため、かつてのジャパンカップダートは東京競馬場のダート2100mで行われ、阪神のダート1800m戦に変更されたのちに、現在の「チャンピオンズカップ」は中京ダート1800mで行われています。

ちなみに左回りの中京競馬場にはダート1900mというコースもありますが、「“チャンピオン”ズカップ」の舞台が“チャンピオン”ディスタンスにより近いダート1900mではなく、1800m戦なのはなぜでしょうか?

「ダート1800m」については、王様・田端到さんが先週のコラムで取り上げていらっしゃったように、一般にダート中距離に分類されています。ただ、短距離~マイル路線の競走馬と、中距離~長距離以上の路線の競走馬がどちらも出走してくるという傾向があります。

「ダート1800m」で行われているチャンピオンズCは、「チャンピオン決定戦」というより「チャンピオンが集うレース」という意味合いが強く、実際、JRAのもう一つのダートGIフェブラリーSや、秋のダートGI級であるマイルCS南部杯(盛岡ダート1600m)とJBCクラシック(今年は大井2000m)の「チャンピオン」たちが集うレースです。

レモンポップは2000m戦だったら恐らく出走してこなかったでしょう。今年の豪華な顔ぶれを見ると、まさに思惑通りの「チャンピオンズ」の集結で、JBCクラシックや暮れの大一番・東京大賞典と絶妙な差別化が図られています。

現在、ダート競馬は全日本的な競走体系の整備がなされ、3歳・古馬については年明けから開始されます。チャンピオンズCの「ダート1800m」は競走体系の距離区分で「中距離路線」にはなっているものの、短距離~マイル路線の競走馬も交わる特殊な舞台です。加えて、距離以上に、戦ってきた舞台が大きく異なるため、予想には好走したコースの形状、特徴を考慮に入れる必要があると思います。

たとえば、来年からJpnIに昇格する「さきたま杯」の浦和1400mや、同じくJpnI「かしわ記念」の船橋1600mは周回コースであり、ワンターンコースでの同距離のレースと同列に扱うのは危険です。「競走馬の能力は一定ではない」ですから。

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大澤幹朗 近影

大澤幹朗

1973年9月22日生まれ。千葉県出身。IBC岩手放送アナウンサー時代に岩手競馬のレース実況に携わり、メイセイオペラら名馬と出会う。2003年にフリー転身後、2006年よりグリーンチャンネル中央競馬中継キャスターに。2013年からは凱旋門賞など海外中継も担当。そのほか、WOWOWヨーロッパサッカー実況アナウンサーとしても活動中。

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