競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。今回のテーマは「日本最古の競馬場/」です。
突然ですが、クイズです。
Q.「中央・地方(ばんえい含む)合わせて25ある日本の競馬場のうち、“日本最古の競馬場”はどこでしょう?」
ただし、移転した歴史がある競馬場は、移転した年を開場年とします。したがって“”最も新しい競馬場”は、2022年3月、愛知県弥富市に移転した「名古屋競馬場」です。
どうですか? わかりましたか?
「そんなの簡単だよ」という方は、一番下に「日本の競馬場・古参ランキング」という表を載せておくので、「2番目に古いのは?」「3番目は?」「あの競馬場は第何位?」など当ててみてください。意外と歴史があったり、案外最近だったりと、新たな発見があるかと思います。
では、問題の答え。“日本最古の競馬場”は・・・「函館競馬場」です!
函館競馬場の開場は1896(明治29)年。現存する日本の競馬場の中で、唯一、19世紀にオープンした“日本最古の競馬場”です。
函館競馬のルーツは、明治時代初期に函館招魂社(現在の函館護国神社)の例大祭で行われた祭典競馬(招魂社競馬)だとされています。その背景として、ペリー来航による開国で自由貿易港として開港された箱館(当時)には西洋文化がいち早く入っていたこともありました。
1879(明治12)年の函館大火の影響で招魂社競馬が中止となった後、日本のホースマンの始祖とされる函館大経らによって北海共同競馬会社が設立され、現在の函館市海岸町に設置された1周約800mの馬場で近代競馬に近い形態の競馬を行いました。
この函館海岸町の競馬場では1883(明治16)年から約13年間、競馬が行われましたが、1896(明治29)年に現在地(函館市駒場町)に移転。函館競馬場が開場しました。
今年で128年目という“日本最古の競馬場”函館競馬場での開催が、今週末から6週間の日程で行われます。
開幕週の日曜日には函館スプリントS(GIII)、最終週は、土曜日に2歳世代最初の重賞・函館2歳S、日曜日にサマー2000シリーズのハンデ重賞・函館記念が組まれています。また競馬場では、様々なイベント・催しやグルメが予定されているようですので、競馬場へ足を運ばれるのもいいかもしれません。
▼JRAホームページ
第1回函館競馬(前半)のイベントカレンダー
今年も、鷺巣詩郎さん作曲の涼やかで青空に突き抜けていくようなファンファーレが夏競馬のスタートを告げます。いざ始まると、あっという間で短くすら感じる夏の北海道シリーズ。思いっきり楽しみたいですね。