競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマはブリーダーズカップの振り返りと、日本に舞台を移す国際競走について。
早朝にも関わらず日曜日の「ブリーダーズカップ中継」をご覧いただいた皆様、ありがとうございました。
19頭が遠征した日本馬は勝利こそありませんでしたが、日本馬の強さをしっかりと示してくれました。
初めてのダートながら4着に健闘したBCディスタフのアリスヴェリテ。
BCターフでレベルスロマンスに迫った2着ローシャムパークと、2年連続3着のシャフリヤール。
メインのBCクラシックで現地でも上位に評価され、難しい枠から再び3着に健闘したフォーエバーヤング。
一度は先頭に立ち、見せ場十分だったBCマイル4着のテンハッピーローズ。
どれも本当に頼もしく、誇らしく思えました。
一方、初日のフューチャーズフライデーは日本馬にとっては厳しい結果となりました。まだまだこれからの2歳馬たち。この経験を糧にして、大きく成長してもらいたいと思います。
また、BCディスタフのオーサムリザルトの取り消しは本当に残念でした。海外での獣医師検査による出走取消の判断は、これまでにもアメリカだけではなく香港などでもありましたが、いつも一番近くで見ている調教師が問題ないと判断しているだけに、無敗の牝馬と叙勲を受けたレジェンドの走りをBCで見たかったです。
そして、今回のBC遠征にはこれまでにない多くの日本人騎手がレースに騎乗しました。50代の武豊騎手を筆頭に、まもなく40代の川田将雅騎手、津村明秀騎手、20代の坂井瑠星騎手、横山武史騎手、そして23歳の菅原明良騎手と、各世代の騎手が大舞台に挑みました。
武豊、川田、坂井、横山武の4騎手は時差を利用してJBCが行われる佐賀へ移動。横山武騎手はJBCレディスクラシック、川田騎手はJBCクラシックを優勝!
菅原明良騎手はオーストラリアに移動してメルボルンカップでワープスピードに騎乗し、際どい2着!
とにかく皆さんの活躍が眩しくて仕方ありません。
なかでも宝塚記念でGIジョッキーの仲間入りをしたばかりの菅原明良騎手が得た経験値は計り知れないはずです。
さあ、凱旋門賞、英チャンピオンズデーの欧州から、米国ブリーダーズカップ、そして豪州の国を止めるメルボルンカップと巡り、競馬のワールドサーキットは、いよいよアジアへ。まずは日本が舞台です。
エリザベス女王杯には残念ながら外国馬の出走はありませんが、今週からライアン・ムーア騎手と、トム・マーカンド&ホリー・ドイル夫妻が来日。
来週のマイルCSには、欧州No.1マイラーのチャリンが参戦しますし、ジャパンカップにはオーギュストロダン、ゴリアット、ファンタスティックムーンという近年にない超豪華な欧州からの外国馬3頭が来日します。ジャパンカップにはW・ビュイック騎手も来日すると聞いています。
世界最高峰の舞台は、私たちの国、日本です。