競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「今年のジャパンCに参戦する外国馬3頭と、過去の来日馬」について。
今年のジャパンカップには欧州から3頭の大物がやってきました。
ディープインパクトのラストクロップで、去年の英国ダービーをはじめ、愛ダービー、愛チャンピオンS、プリンスオブウェールズSなど6つのG1を勝っているオーギュストロダン(牡4/愛 A・オブライエン)。
前々走・キングジョージ6世&クイーンエリザベスSで、のちの凱旋門賞馬ブルーストッキング、BCターフやドバイSCなどの勝ち馬レベルスロマンス、それに今回も戦うオーギュストロダンといった強力なメンバーを相手に完勝したゴリアット(騙4/仏 F・グラファール)。
去年の独ダービー馬で、今年のバーデン大賞も制したファンタスティックムーン(牡4/独 S・シュタインベルク)。
いずれも、欧州の12F路線を代表する大物たちです。
このクラスの外国馬がジャパンカップに揃ったことは、過去何度かありました(括弧内は主なタイトル)。
▼1992年/優勝馬:トウカイテイオー
6着ユーザーフレンドリー(英・愛オークス、ヨークシャーオークス、英セントレジャー)
7着レッツイロープ(コーフィールドC、メルボルンC)
10着ドクターデヴィアス(英ダービー、愛チャンピオンS)
11着クエストフォーフェイム(英ダービー)
▼1999年/優勝馬:スペシャルウィーク
2着インディジェナス(香港チャンピオンズ&チャターC、香港金杯、香港ヴァーズ)
3着ハイライズ(英ダービー)
4着モンジュー(仏ダービー、愛ダービー、凱旋門賞など)
8着ボルジア(独ダービー、バーデン大賞)
▼2005年/優勝馬:アルカセット
1着アルカセット(サンクルー大賞)
5着ウィジャボード(英オークス、愛オークス ※翌年も参戦し3着)
8着バゴ(パリ大賞、凱旋門賞)
12着ベタートークナウ(BCターフ)
13着ウォーサン(コロネーションC、バーデン大賞)
その後も、2009年4着のコンデュイット(キングジョージ6世&QES、BCターフ)、2011年6着のデインドリーム(凱旋門賞)、2012年13着のソレミア(凱旋門賞)らが参戦しましたが、これだけのメンバーが複数頭やってきたのは20年近くなかったと言っていいと思います。
今回やってきた3頭のうちオーギュストロダンは英国ダービー馬ですが、英国ダービー馬がジャパンカップ参戦したのは、ドクターデヴィアス(1992年の英国ダービー馬)とクエストフォーフェイム(1990年の英国ダービー馬)が揃った1992年と、ハイライズ(1998年の英国ダービー馬)がやってきた1999年の過去2回のみで、実に25年ぶり4頭目(3回目)。
英国のクラシック優勝馬に広げても、2018年のカプリ(2017年英セントレジャー優勝馬)以来6年ぶり11頭目(延べ13頭目)です。
一方、ゴリアットのようなキングジョージ優勝馬の参戦は、1990年7着のベルメッツ(同年のキングジョージ優勝馬)、2002年7着のゴーラン(同年のキングジョージ優勝馬。2001年もJCに参戦・4着)、それに上記2009年のコンデュイット(同年のキングジョージ優勝馬)以来、15年ぶり4頭目。
また、ドイツダービー馬の参戦は、1995年のジャパンカップ優勝馬ランド(1993年の独ダービー馬)、上記1999年のボルジア(1997年の独ダービー馬)の過去2頭だけで、ファンタスティックムーンは25年ぶり3頭目となり、いずれもバーデン大賞も勝利しているという共通点がありました。
名実とも欧州の一流馬3頭が参戦する今年のジャパンカップ。外国馬の優勝は上記2005年のアルカセット(L・デットーリ)が最後で、このところはホームで迎え撃つ日本馬が長く勝ち続けていますが、これだけのメンバーが複数やってきたのもまた、その2005年以来でもあります。
今年のジャパンカップは、久しぶりに「日本対欧州」の熱い戦いがみられそうです。