競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは「今週末にサトノグランツ、エコロジークなど日本馬が出走するカタール競馬など、この時期注目の中東競馬」について。
現地時間2月22日(土曜)にサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われるG1・サウジカップ(ダ1800m)の馬券が発売されることがJRAから発表になりました。
日本からフォーエバーヤング、ラムジェット、ウシュバテソーロ、ウィルソンテソーロの4頭が出走を予定しているサウジカップ。日本馬以外では、去年のドバイワールドカップを圧勝したローレルリバー(UAE)、香港最強馬でダート初挑戦となるロマンチックウォリアー、去年のG1ドバイターフ勝ち馬でダートは2戦目となるファクトゥールシュヴァル(フランス)らも参戦を表明しています。
残念ながら去年のBCクラシック勝ち馬シエラレオーネや、1月のペガサスワールドカップを制したホワイトアバリオ、同2着のロックドと、米国勢が相次いで回避しましたが、ドバイWCとドバイターフの勝ち馬や香港最強馬が、ハイレベルな日本勢とどんなレースを見せてくれるのでしょうか。非常に楽しみなサウジカップについては、当日の他のレースも含めて次週のコラムで詳しく取り上げる予定です。
※編注:ローレルリバーはサウジカップを回避してドバイワールドカップに向かう見込み。
この時期、世界のホースマンたちの視線が注がれている中東の国際競走。先月24日には、サウジカップデーやドバイワールドカップデーの前哨戦となる「ファッションフライデー」の諸競走がドバイのメイダン競馬場で行われました。
このうち芝1800mのG1・ジェベルハッタでは香港のロマンチックウォリアーが4馬身半差で圧勝。サウジカップに向け弾みをつけました。またダート1900mのG1・アルマクトゥームチャレンジではダート初挑戦のファクトゥールシュヴァルが3着に好走。こちらも陣営にサウジカップ参戦を決意させました。
なお、アルマクトゥームチャレンジでG1初制覇となったウォークオブスターズ(UAE)もサウジカップに出走予定です。
さらに今週末の15日には、カタール・ドーハのアルライヤン競馬場で「アミール・スウォード・フェスティバル」の開催が行われます。
このうち、国際格付けはG3ながら1着賞金は142万5000米ドル(約2億円)と高額のアミールトロフィー(芝2400m)には、3歳時に京都新聞杯と神戸新聞杯の2つのGIIを勝利しているサトノグランツ(牡5/友道)が2年連続で参戦します。
去年のレースでは、勝ち馬レベルスロマンス、2着ゼッフィーロに次ぐ3着だったサトノグランツ。今年も出走するレベルスロマンスに再び挑みます。なおサトノグランツには今回、クリストフ・スミヨン騎手が騎乗する予定です。
また、カタールの国内G3・ドゥハーン・スプリント(芝1200m)に、去年のカンナS(OP)の勝ち馬エコロジーク(牡3/森秀行)が出走します。前走はBCジュベナイルターフスプリントに参戦し1番人気に支持されましたが、12頭中8着に敗戦。2戦続けての海外遠征となる今回は団野大成騎手との新コンビで挑みます。
なお、このレースは3歳以上のレースのため、北半球産3歳馬のエコロジークは古馬よりも7キロ軽い斤量で出走できます。
そして来週末はサウジカップデー。さらに4月5日にはドバイワールドカップデーが控えます。
「ドバイが4月?」と思われた方も多いかもしれません。例年は3月の最終土曜日に行われているドバイワールドカップデーですが、今年はラマダン(断食月)明けを祝うイスラム教の大祭「イード・アル・フィトル」と重なるため、例外的に1週間後ろ倒しとなっています。
すでに日本馬の各レースへの参戦が続々と発表されており、こちらも今から楽しみです。