競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは、日本時間の16日(日)夜、フランス・ドーヴィル競馬場で行われるジャックルマロワ賞の有力馬紹介です。
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日本時間の16日(日)夜、フランス北西部ノルマンディー地方の高級避暑地にあるドーヴィル競馬場の芝直線1600mを舞台に、第105回ジャックルマロワ賞(G1)が行われます。
ジャックルマロワ賞には、1986年にギャロップダイナが初参戦して以来、これまで7頭の日本調教馬が参戦。1998年にはタイキシャトルが優勝を果たしたレースです。
今年はシックスペンス(牡5/美浦・田中博康厩舎)とシュトラウス(牡5/美浦・武井亮厩舎)の2頭が出走。2年連続で海外馬券発売も行われます。
9日にA・オブライエン厩舎の愛2000ギニー優勝馬グシュタードが回避することが明らかになったのに続き、11日には6戦無敗で英2000ギニー、セントジェームズパレスS、サセックスSを制し、出走すれば大本命と目されていたボウエコーが故障により引退発表。有力3歳牡馬が相次いで出走しないことになり、戦況は混沌としています。
12日の時点で登録を取り消さなかった12頭のうち、大手ブックメーカー「ウィリアムヒル」が1番人気に評価したのは、A・オブライエン厩舎の3歳牝馬プリサイスで、オッズは4.0倍です。
現役時代にオーストラリアとイギリスでスプリントG1を4勝したスタースパングルドバナー産駒で、2歳時にモイグレアスタッドSとフィリーズマイル、3歳になってから愛1000ギニーとコロネーションSを優勝。同世代の牝馬相手にG1を4勝しています。
古馬牝馬との対戦となった2走前のG1・ファルマスS(ニューマーケット芝直線8f)と、前走8/2のG1・ロートシルト賞(ドーヴィル芝直線1600m)は、ともに1歳上のブルーボルトに敗れて2着。今回は中1週で臨みます。
脚質の自在性と、今回の舞台を経験していることは強みですが、同世代や年上の牡馬相手の実力は未知数。古馬の牡馬59.5kg、3歳牡馬56.5kgに対し、55kgという斤量差を活かせるでしょうか。
なお、3歳牝馬のジャックルマロワ賞優勝は、1971年のG1格付け以降で1987年のミエスクなど9頭。近10年では2018年のアルファセントーリ、2022年のインスパイラルの2頭が優勝しています。
2番人気は、5.0倍のオッズで英国調教馬2頭が並んでいます。ゼウスオリンピオスはカール・バーク厩舎の4歳牡馬。電撃引退が発表されたボウエコーと同じ故オバイド殿下の所有馬で、父もボウエコーと同じナイトオブサンダー(その父ドバウィ)です。
G1タイトルこそありませんが、クイーンアンSが4着、ロッキンジSが3着と堅実に入着しており、この路線で上位の実力があるのは間違いありません。
モアサンダーはウィリアム・ハガス厩舎の5歳牡馬。ゼウスオリンピオスと同じナイトオブサンダー産駒で、母の父はハットトリックという血統です。
4歳の夏に初めて重賞勝ちすると、今年は3走前のロッキンジS、2走前のクイーンアンSとG1で連続2着。上記のゼウスオリンピオスにいずれも先着しましたが、そのゼウスオリンピオスが勝った前走7/11のG2・サマーマイルS(アスコット芝1590m)は主戦のT・マーカンド騎手から乗り替わったこともあって、4着に敗れました。
続く7.0倍の4番人気は、去年からジャックルマロワ賞のレーススポンサーとなっているアガ・カーンスタッドの自家生産馬で、F・グラファール調教師、M・バルザローナ騎手の黄金タッグによる3歳牡馬ライフです。
重馬場で行われたG1・仏2000ギニーの優勝馬で、父がシーザムーン(その父シーザスターズ)ということもあり、重馬場を得意としています。
アガ・カーンスタッド、グラファール厩舎、バルザローナ騎手のタッグは、先週もドーヴィル競馬場で同じ3歳牡馬のサマンガンがG1・モーリスドゲスト賞を優勝していますが、ジャックルマロワ賞では過去10年で1勝しかしていない地元フランス調教馬の意地を見せられるでしょうか。
9.0倍の5番人気には、アイルランド調教の3歳牡馬ザシークレットアドヴァーサリー(ジェームズ・スタック厩舎)が続いています。
前走7/12のジャンプラ賞(ドーヴィル芝直線1400m)で外ラチ沿いを逃げ切ってG1初勝利をあげましたが、キャリアの4勝はいずれも1500m未満で、1600m戦は3戦して全て5着以下に敗れています。
父は同じ初年度産駒から無敗でG1を4連勝中の牝馬ダイヤモンドネックレスも出ているセントマークスバシリカ(その父シユーニ)。シュトラウスにも似た額の大流星が特徴的で、展開のカギを握っています。
初の海外遠征となっているシックスペンスは11.0倍の6番人気という評価です。田中博康厩舎に移って2戦目となった前走の安田記念は、父キズナの鞍上だったレジェンドが騎乗予定馬の回避によって急遽騎乗し、好騎乗で悲願のGIタイトルを手にしました。
シーキングザパールで1998年のモーリスドゲスト賞を優勝し、ジャックルマロワ賞はフランス調教馬で5回騎乗している武豊騎手と、騎手時代に武豊騎手の助言で渡仏し、調教師修業時代にドーヴィルでの調教も経験している田中博康調教師。第六感(シックスペンス)で結ばれた人馬が日本馬28年ぶりの勝利を狙います。
一方、今回で4戦連続の海外遠征となっているシュトラウスは21.0倍の7番人気タイという評価です。
父モーリス、母ブルーメンブラッドという血統馬は、2歳時に出世レースの東スポ杯2歳Sで重賞勝ち。2走前に勝利したアブダビゴールドCの3着馬コマンチェブレーヴは、その後、G1・ジュライCを勝ちました。
ポテンシャルは間違いなくG1級の実力馬。東スポ杯やアブダビゴールドCの鞍上でもあったモレイラ騎手とのコンビで、額の大流星がドーヴィルの直線コースを駆け抜けます。
この他、去年の2歳G1・フェニックスS(カラ芝6f)の優勝馬パワーブルー(R・デアギアール厩舎)と、去年、フランスで2歳G1を2勝しているプエルトリコ(A・オブライエン厩舎)のアイルランド調教の3歳牡馬2頭も21.0倍で並んでいます。
ジャックルマロワ賞は日曜日の22時からグリーンチャンネルで生中継。進行は私が担当します。ぜひ、ご覧ください。
