★今週の重賞ピックアップ★
7月31日札幌11R クイーンS(芝1800m)
クイーンSは札幌芝1800mで施行。スタンド前直線の半ばからスタートし、初角となる1コーナーまでは185m。初角までの距離が短いので先行争いにおいては内枠が有利で、外枠の先行馬にとっては厳しいレイアウトです。差し馬は1コーナーまでに上手く内に潜り込めるかどうかが鍵になりますが、今回は差し馬が多いメンバー構成のため、なかなか外から内へと潜り込むスペースはなさそう。
前走の通過順位に3番手以内があるのは5頭。16頭中5頭と多くないので、コースレイアウトもあいまって先行有利になりそうです。定石通り、好位から差せる馬が狙い目です。
巴賞の勝ち馬ホウオウピースフルはここでも有望。6番手追走から、道中で一旦8番手まで下がりながら差し切った内容は秀逸です。
マーメイドSで道中5番手から6着だったゴルトベルクも悪くないポジションに収まれそう。今回は距離短縮が鍵ですが、想定オッズほど上位との差は感じません。
前走、ヴィクトリアマイルであわやの場面を作ったローザノワールにも注目。フロック視されて再度の人気薄となれば、絶好の狙い目です。逃げがベストでしょうが、控えた2走前の中山牝馬Sでも0.4秒差と大崩れしていません。
スライリーは前走8→1→2という通過順位で0.4秒差の6着。コーナーで位置を上げるという動きは負荷が大きく、最後に脚があがるのは当然で、0.4秒差に踏みとどまった内容は評価できます。前向きさが出ていることは間違いないので、あとは相手強化になる点が課題。
前が残りやすいコースレイアウトを考えると、ファーストフォリアの距離延長にも注意。短い距離を使われて、今回が初距離となりますが、新味が出る可能性を秘めています。
人気が予想されるウォーターナビレラは桜花賞2着馬。その実績馬が52キロで走れるとなれば、人気でも切れない存在といえるでしょう。ただ、距離不適とはいえ、前走のオークスが後方からなにもできない大敗。大敗を契機に燃え尽きてしまう馬もいる点は、ひとつの懸念材料として頭に入れておきましょう。
期待値の取れそうな、面白そうな穴馬候補が揃った楽しみな一戦。枠順と並びでも大きく結論が変わってきそうです。
【枠順確定後注目馬】
1テルツェット
2ローザノワール
3ホウオウピースフル
6メイショウミモザ
10ウォーターナビレラ
11スライリー
12ルビーカサブランカ
週中で話した通り初角までの距離が短いレイアウトで内枠が有利になりやすい。並びからも内の先行馬から狙いたいレース。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言39
『コーナーでの加速は負荷が大きい』
★ピックアップレース★
7月24日札幌11R 大雪ハンデ(ダ1700m良)
◎10リキサントライ
○2スペロデア
▲4ノクターンノーツ
△8オレンジペコ
☆5サトノロイヤル
注7ブラッティーキッド
買い目
単勝 10 2500円
馬連 10―2・4・8・5・7 各1000円
3連複 10―2・4・8―2・4・8・5・7 各300円
─先週日曜の大雪ハンデは◎の10リキサントライが5番人気3着。単勝や馬連に寄せた買い目でしたが、3連複92.9倍をしっかり押さえて27,870円を回収しました。
みねた) このレースは1番人気、2番人気ともに単勝での期待値を持っていない馬で、意図的に複勝やワイドではなく単勝に寄せたので、勝ち切れなかったのは残念でした。ただ、1番人気→7番人気→5番人気の決着での3連複92.9倍は、望外の高配当でしたね。
─買い方や期待値の考え方は後から伺うとして、いつものようにまずは基本的な思考からお願いできますか。
みねた) このレースのポイントは並びですよね。前走の通過順位に3番手以内があった馬は6頭。占有率60%と高く、差し優勢と判断しました。そして、その6頭の馬番は、2番、5番、6番、7番、8番、9番です。
─ズラリと並びましたね。この並びで狙うべき馬は…金言7「先行馬の並びが展開を決定づける」から、一頭だけポツンと離れて配置された2スペロデア、それから金言18「同型脚質並びの隣の別脚質馬」から、10リキサントライです。
みねた) 素晴らしい。◎がリキサントライ、○がスペロデアですよ(笑)。リキサントライについては、金言34「少頭数の大外枠」にも該当しています。
─少頭数の大外枠だと、あまり距離損することなく、不利を受けにくいという大外枠のメリットだけを享受できるんですよね。
みねた) そうです。加えて、頭数が増えれば増えるほど予期せぬことが起こりやすくなりますよね。私は、なるべく◎から○、▲ぐらいまでで狙って仕留めたいと思っているので、不確定要素が少ない「少頭数の大外枠」を狙うケースは多いです。
─有利な「少頭数の大外枠」かつ、自身の内に先行馬が並ぶという恵まれた配列で、実際に、見事に初角までに内に潜り込みました。
みねた) 「同型脚質並びの隣の別脚質馬」という意味では、内側の3番も悪くはないのですが、やはり内に切り込んで来られる上に、隣にも差し馬がいるので、選択肢は少ないですよね。その点、外枠だと内側の先行馬が前に行ったスペースを使って、自由な進路取りができます。
─展開面で恵まれそうなのはよく分かりましたが、前走で現級6着止まりだったリキサントライを◎に抜擢したのはさすがです。
みねた) 前走が昇級初戦で、7→6→4と道中で位置を上げていく競馬。クイーンSの展望にも書きましたが、コーナーで前の馬を抜くという行為は負荷が大きく、ましてや昇級戦ともなるので、馬にとっては苦しい展開だったはず。投げ出すことなく6着に粘った内容は悪くありません。
─なるほど。では、ここからは買い目の構築についてもお聞きします。冒頭の「1番人気、2番人気ともに単勝での期待値を持っていない馬だった」という点について、詳しく教えていただけますか?
みねた) 1番人気の7ブラッティーキッドは先行馬並びの中枠で、先行して勝ち上がった昇級馬。どちらも期待値の低いパターンです。2番人気の3ステイブルアスクは、前走の初角の入りが15番手と後ろ過ぎ。特別に有利な枠をひけたわけでもなく、リキサントライが差してきた場合に、この馬のスペースも空いているかは大いに疑問です。
─とはいえ、注に7ブラッティーキッドを押さえたことが、3連複の的中に繋がりました。
みねた) 以前にも、差し馬から馬券を組み立てる場合、相手は先行馬を中心にすべきとお話ししましたよね。先行争いが激しくなっても、1頭は強い先行馬が残ることが多いので、7ブラッティーキッドは押さえました。
競馬で勝つためには、組み合わせを意識することが重要で、期待値を持っていない馬を何でもかんでも切っていたら、逆に的中から遠ざかることになりかねません。金言10「単体の期待値と組み合わせの期待値は違う」ですね。
【第39回】クイーンS展望&コーナーでの加速は負荷が大きい/馬券師・みねたの金言
- 03/29 (水) 【第73回】大阪杯展望&差されたのは「東京の分」/馬券師・みねたの金言
- 03/22 (水) 【第72回】高松宮記念展望&最も期待値を取りやすい「普段は前に行ってい…
- 03/15 (水) 【第71回】阪神大賞典展望&「先行馬の割合が少ないレース」はわかりやす…
- 03/08 (水) 【第70回】金鯱賞展望&対抗以下を意識して◎を選択する/馬券師・みねたの…
- 03/01 (水) 【第69回】弥生賞展望&ダートは外枠有利という原則/馬券師・みねたの金言

みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。