★今週の重賞ピックアップ★
6月26日阪神11R 宝塚記念(芝2200m)
いよいよ今週は春のグランプリ・宝塚記念。豪華なメンバーが顔を揃える楽しみな一戦となりました。
まずはいつものようにコースのおさらいから。宝塚記念は阪神芝2200mで施行。外回りコースのスタンド前直線入口からスタートし、初角となる1コーナーまでは530mとたっぷり距離があります。したがって、先行争いにおける内外の有利はありません。
ただし、コーナーを4回まわるので、道中でずっと外を回らされると苦しくなります。したがって、最初のポジション争いでどの位置に収まるかが、勝敗を分けるポイントになります。また、今年は開催2週目なので、芝の状態も良好。道中はインで脚をため、直線でも内を突けるタイプにアドバンテージがありそうです。
今年の注目は、なんといっても、タイトルホルダーとパンサラッサという2頭の強い逃げ馬が揃った点でしょう。GIレベルで、このクラスの逃げ馬が2頭いるのは、あまりお目にかかったことがありません。有馬記念以来の再戦となりますが、ゲートの速さ、二の脚を考慮すると、今回もパンサラッサがハナを切る形になる可能性が高そうです。
逃げ馬はナメられている時こそ狙い目。また、基本的にGIの舞台は差し有利でもあり、馬券的にパンサラッサは買いにくい状況ではあります。ただ、ここまでのレースで「絡んだら共倒れになるぞ」を周りにアピールできているため、意外と単騎逃げが叶う可能性も。オッズ次第では敢えて狙う手もあるかもしれません。
一方のタイトルホルダーは前走の天皇賞・春でも、その無尽蔵なスタミナをみせつけました。距離短縮になるので、前傾ラップの激しい展開自体は歓迎で、有力候補の一頭であることは間違いありません。とはいえ、上位人気は確実なので、リスクとリターンのバランスには疑問符がつきます。
競馬がしやすそうなのはオーソリティ。昨秋のジャパンカップを、5-4-5-2の通過順位で2着しています。道中で一旦位置を下げながらも、道中で動いて2着に粘り切った内容は価値が高く、5番人気前後にとどまるなら絶好の狙い目でしょう。
しっかり差せるという点ではアリーヴォも有力。大阪杯は自分で動いて3着と機動力があるので、内をスルスルと上がっていくような形になれば、チャンスは十分にあります。
私にとって、ヒシミラクルとツルマルボーイで決まった2003年の宝塚記念は会心の的中の一つなのですが、「前走GIを勝っているのに人気薄」という点でヒシミラクルを彷彿とさせるのがポタジェです。前走は先行押し切りでしたが、2走前、3走前には差す脚をみせており、人気薄なら「もう一丁」を狙ってみるのも面白そう。
エフフォーリアは、大阪杯の敗因が不明。早仕掛けでも、仕掛けが遅れたわけでもなく、ただ動かなかったという印象です。敗因が分からないのに上位人気というのは、正直、買いづらいところ。もとの実力を考えても、人気なりの好走確率はあるでしょうが、期待値が見合っているかどうかは微妙です。
有力どころで好走確率が高そうなのはディープボンドでしょう。今回と同様に、パンサラッサとタイトルホルダーが顔を揃えた有馬記念で2着と好走していますし、しっかり差せる脚がある点も心強く、大崩れはないと考えています。
前述の通り、頂上決戦に強い逃げ馬が2頭揃うというレアパターンで、予想家としての好奇心を刺激される一線となりました。私は予想家なのであくまで期待値を追求しますが、宝塚記念はドリームレース。ファンの皆さんは「好きな馬を買う!」のが一番かもしれませんね。
【当日注目馬】
1オーソリティ
2アフリカンゴールド
6タイトルホルダー
8ステイフーリッシュ
11パンサラッサ
13アリーヴォ
18ポタジェ
春のグランプリに相応しい豪華なメンバーが集まった。土曜日の競馬を見る限り阪神の芝は前残りが目立ち、逃げ馬が離れた配置になったので前残りを意識した馬券を組みたい。レベルが高く見逃せない一戦になりそうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言34
『初ダートの大外枠、少頭数の大外枠』
★ピックアップレース★
4月2日中山6R 3歳未勝利(ダ1800m重)
注目馬:15エクセレントマン
─今回は宝塚記念の週中展望に多めのスペースを割きましたので、過去のストックネタを。4月2日中山6Rを初ダートで9番人気3着したエクセレントマン(複勝1110円)を取り上げます。穴馬候補に名前が挙がっていました。
みねた) 「初ダートの大外枠」ですね。私は、特に「初ダート」というファクターは重視していませんが、初ダート馬の大外枠は注目に値します。初ダート馬にとっての最大のリスクは「砂被り」なので、敢えて馬の後ろにつけない限り、絶対に砂を被ることのない「大外枠」は大きなプラス要素です。
─そういえば、先週の3歳未勝利を圧勝したメンアットワークも16頭立ての16番枠でした。
みねた) ダート適性が高かったのは間違いありませんが、大外枠で砂を被らなかったのも大きいですよね。ましてや東京ダート1600mは芝スタートで、外枠から行き脚がつきやすいコースでもあります。初ダートを狙うのであれば、砂を被りにくい大外枠か、その馬が先手を取れそうなメンバー構成のレースを選ぶのがオススメです。
─以前にゼンノジャスタが勝ったレース(1月16日中京12R)についてお話を伺った時にも、好走要因を「大外枠」とおっしゃっていて、いつか単体のテーマとして取り上げたいと思っていたんです。
みねた) 「大外枠」は大事な要素ですよ。
─やっぱり、枠入りが最後になるので、ゲートで待たされる時間が少ないからですか。
みねた) もちろん、そういった要素もあるとは思いますが、何よりも「自分の隣に馬が1頭しかいない」というのが大きいです。何度も申し上げている通り、競馬というのはコンマ何秒を争う競技なので、ちょっとした不利が結果に直結します。スタート直後は周りの馬に寄られる不利が頻発するので、単純に大外枠ならそのリスクが半分で済みます。また、内の馬に寄られても外に逃げ場があるので、不利を最小限にとどめやすいという面もあります。
─言われてみれば、大外の馬がゲートで不利を受けるのは、内の馬が外にヨレたケースぐらいですもんね。
みねた) ダートのレースの場合は、不利を受けにくいことに加え、砂を被りにくいというメリットがあります。それが芝スタートのコースであれば、外枠の方が行き脚がつきやすいわけですから、いかに大外枠が有利かはお分かりいただけますよね。
─実際、このレースのエクセレントマンもスタート自体はイマイチで、押して押して4番手を取っています。これが内目の枠だったら、砂を被ってしまって、このポジションは取れていないでしょうね。他に「大外枠」の狙い方はありますか?
みねた) 芝ダート問わず「少頭数の大外枠」は狙い目です。頭数が少なければ、外を回らされるリスクが少なく、不利を受けにくいという大外枠のメリットだけを享受することができるので。
─「少頭数の大外枠」は、おそらく本邦初の格言だと思います。さて、話をエクセレントマンに戻すと、いくら「初ダートの大外枠」だったとはいえ、近走13着、14着では、さすがに買いにくかったです。
みねた) ただ、14着とはいえ、着差は1.4秒です。3秒差の14着とは、かなり意味合いが違いますよね。着順だけみて評価を下げてしまう人は多いのですが、着順と着差を併せて見るのは重要です。
─金言9「前走僅差の6着以下」に通じる話ですね。
みねた) しかもこのレースは、前走で1.0秒差以内に走っていたのが、3パーペチュイティと12セイウンガレオンの2頭だけ。実は、着差ベースで比較すると、前走1.4秒差というのはメンバー中3位タイで、相対的にみたら、前走内容はメンバー上位だったんですよ。
【第34回】宝塚記念展望&初ダートの大外枠、少頭数の大外枠/馬券師・みねたの金言
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。