★今週の重賞ピックアップ★
3月6日中山11R 弥生賞ディープインパクト記念(芝2000m)
弥生賞ディープインパクト記念は中山芝2000mで施行。スタンド前直線入口付近からスタートし、初角となる1コーナーまでは400mほど。枠順による先行争いにおける有利不利はあまりありません。言わずと知れた皐月賞に向けた最重要ステップレース。各馬が、脚質的な強み弱みを把握してきている段階なので、それぞれが自身の強みを生かしたレースをしてくれるでしょう。
このレースの登録馬を眺めての第一印象は「馬場と展開がマッチしておらず、狙いにくい」です。中山コースは、ラストの直線が短く急坂もあります。ここを乗り切るためには、3~4コーナーから加速していくのが理想。したがって、比較的、捲りが決まりやすいのが特徴です。一方、先週の競馬を見る限り馬場傾向は内有利。「馬場的に恵まれそうなのは逃げ・先行馬だが、コース傾向的に捲りに潰されやすいのが逃げ・先行馬」というミスマッチが起きています。
メンバー構成も一筋縄ではいきません。ボーンディスウェイ、メイショウゲキリン、リューベックと逃げ候補が3頭、ジャスティンロック、ラーグルフ、ロジハービンと捲りタイプが3頭。非常にタフな展開が予想され、展開的な観点からは、さらに後ろで脚をためて、直線だけ脚を伸ばしてくるタイプが向きそうです。とはいえ、ゴール前直線の短い中山で、直線だけの競馬で差してくるのは簡単なことではありません。
これらの要素を総合すると、展開よりも能力を重視したアプローチが良さそうです。能力は高いのに意外と人気のない馬、「隠れた実力馬」狙い。
その筆頭はホープフルSで3着のラーグルフでしょうか。ジャスティスロックも3~4コーナーで9番手→2番手まで捲り上げた脚は魅力で、オッズ次第では本命候補。逃げ先行勢では、捲りが決まりやすい中京コースで逃げ切り勝ちを決めたリューベックに注目です。
1番人気が目されるドウデュースは、前走からの2ハロン延長が鍵。朝日杯FSは上位馬を見ても、マイル適性が問われた可能性が高く、中山芝2000mでタフさが問われた場合に対処できるかどうか。逆に言えば、それをクリアできれば、皐月賞へ向けて大きく視界が広がります。
いずれにせよ、好メンバーが揃い、今後のクラシックを占う上で、見逃せない一戦になることは間違いないでしょう。
【当日注目馬】
1ジャスティンロック
3リューベック
6ボーンディスウェイ
7ドウデュース
8ラーグルフ
枠が決まり配置的には7ドウデュースが6ボーンディスウェイ、8ラーグルフを見ながらゲートを出ることが出来る枠で競馬を進めやすく馬券の軸には推しやすくなった。
ドウデュースが好走する流れなら相手は前残りで考えるが,メンバーレベル高くいづれにしても見逃せない一戦。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言18
『同型脚質並びの隣の別脚質馬』
★ピックアップレース★
2月20日東京11R フェブラリーS(ダート1600m重)
注目馬:6カフェファラオ、15テイエムサウスダン
─フェブラリーSは◎15テイエムサウスダン(5番人気2着)、▲6カフェファラオ(2番人気1着)。前日のダイヤモンドSに続き、馬連の的中となりました。
みねた) 週中のコラムでの展望でも推していたように、確実に当てるならカフェファラオが本命なのでしょうが、しっかりとオッズと好走確率を見極めて、期待値が高いであろうテイエムサウスダンを◎に推せた予想には満足しています。
─その辺りの上げ下げが絶妙だったように感じました。まずは、「確実に当てるならカフェファラオ」の部分について教えてください。
みねた) 最大の理由は、枠の並びです。このレースで「前走の通過順位に3番手以内がある馬」は、2ダイワキャグニー、3インティ、4アルクトス、5レッドルゼル、9サンライズホープ、11ソダシ、12ミューチャリー。2~5まで先行脚質の馬が並んでいます。隊列予想、展開予想の基本として、「同型脚質が並ぶと不利」というのがあり、まさにそれに該当していました。
─ここに、1番人気(5レッドルゼル)と3番人気(4アルクトス)が含まれていました。
みねた) 先行脚質の馬が並んでいると、どうしても序盤のポジション争いの時にエネルギーを使うことが多くなります。差し脚質の馬が並んでいる場合も、スムーズに外に出すための進路の奪い合いが生じます。このように、同型脚質が並んで配置されると、バラバラに配置された場合に比べて消耗しやすいという構造があるわけです。不利な並びに1番人気馬と3番人気馬が入っているという時点で、期待値が取りやすいレースとなりました。
─その外の6番枠がカフェファラオでしたね。
みねた) この馬は、過去のレースぶりからも揉まれなければ強い、というのは明白でした。今回の6番枠は、一見、不利な内枠にみえますが、すぐ内側の4頭が先行馬という並びです。先行馬は、前に行くために内に切れ込みながら走るので、すぐ外にいるカフェファラオはまっすぐ走るだけで進路が空いています。また、すぐ内の馬が前に行っているので、内に入れる選択をすれば、好位のインに収まれます。どちらの選択をしたとしても有利なんです。
カフェファラオに限らず、大半の馬にとって、近くに別の馬がいることはストレスで、周りに馬がいない状況の方がのびのび走れます。そして、同型脚質が固まった隣の別脚質の馬は、その状況を得られやすい。これは枠の並びをみる上で、覚えておいた方がいい鉄則です。
─1、3番人気馬が危険な並びで、2番人気が有利な並び。6カフェファラオに◎でも十分に期待値は取れそうですが、みねたさんの◎は15テイエムサウスダンでした。
みねた) 候補は8枠の2頭でした。まず根本的に、芝スタートである東京ダート1600mは、芝を長く走れる外枠が有利なコースです。加えて、内に先行馬が並んだことで、一層、外枠が恵まれる状況。あとはどちらが期待値を取れるか、という判断で、好走確率とオッズを考えて、15テイエムサウスダンをより上位に評価しました。
─その理由を教えてください。
みねた) 15テイエムサウスダンは前走こそ7番手からの競馬でしたが、先行力がある上に距離延長ローテになるので先行馬としてカウントしていました。他の先行馬から離れている枠は好材料ですし、中京ダート1400mなど芝スタートのダートコースへの実績もあります。
また、前回(金言17)でも触れた通り、大半の馬は前走をトレースした走りをするので、前走のレースが今走に繋がるレースであるかどうかは重要です。過去を遡ると、根岸SはフェブラリーSと親和性の高いレース。その勝ち馬が5番人気にとどまっていて、有利な外枠を引いた上に、並びも理想的とくれば、期待値的にはこの馬に◎が自然でした。
─結果は、15テイエムサウスダンが途中からハナを奪う形で2着に粘りこみ、好位の外を追走した6カフェファラオが突き抜けました。
みねた) 6カフェファラオは枠順の並びを生かして、砂を被らないポジションを取っての楽勝でしたね。15テイエムサウスダンは抜群のスタートから一旦、控えたものの、馬の行く気に任せてハナを奪う形。馬自身の能力の高さ、状態の良さはもちろんですが、外枠の優位性も生きました。枠の並びが結果に直結する、お手本のようなレースだったと思います。