★今週の重賞ピックアップ★
1月15日中京11R 日経新春杯(芝2200m)
日経新春杯は中京芝2200mでの施行。4コーナーのポケットからスタートして、初角となる1コーナーまでは500m以上の距離があるので、先行争いにおいて内外の不利はありません。
登録馬14頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのはアフリカンゴールドとキングオブドラゴンの2頭。占有率14%と先行馬の割合が少ないメンバー構成となりました。
アフリカンゴールドといえば昨年の京都記念で大穴◎の期待に応えてくれた思い出深い馬。前走のアルゼンチン共和国杯でも0.8秒差に踏ん張っており、衰えは感じられません。
もう一頭のキングオブドラゴンも2走前の京都大賞典で0.9秒差。前走のアルゼンチン共和国杯は直線でラチに衝突するアクシデントがあり、度外視してよいでしょう。むしろ、4.2秒差の大敗だったからこそ、今回は期待値も積み上がっています。
ただし、昨年のこのレースの週中展望でも触れましたが、中京芝2200mは外から捲る馬が走りやすいコース。先行馬の少ないメンバー構成は、スローに持ち込みやすい先行馬に有利であるのと同時に、道中で位置取りを押し上げやすいため、捲る馬にも有利に働きます。
今回、上位人気が目されるヴェルトライゼンデ、ロバートソンキー、ヴェローナシチーあたりは、いずれも自分で動いていけるタイプ。それだけに、うまく捲りが嵌まった場合、先に名前を挙げた前に行く2頭は苦しくなる可能性もあります。
捲りが入った場合、その捲りに巻き込まれず、好位で脚をためて差してくるタイプが恵まれやすく、今回、合致しそうなのはイクスプロージョンでしょうか。過去走からは好位で脚をためる競馬ができており、前走は0.2秒差の7着という「前走僅差の6着以下」という期待値のとりやすいパターンでもあります。5-6-8-8から7着としっかり脚をためているレースぶりにも好感が持てます。
差し馬勢で注目はヤマニンゼスト。自力で動いていく脚を持っている上に末脚も確か。2走前、前走と続けてヴェローナシチーに先着していながら、今回も手頃な人気にとどまりそう。
もちろん、複数の馬の捲り合戦になって、むしろ前が恵まれるパターンもあり得ます。展開想定次第で印もガラリと変わってくる、予想のし甲斐のあるレース。枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【枠順確定後注目馬】
1ヤマニンゼスト
2ヴェルトライゼンデ
6ダンディズム
10キングオブドラゴン
11イクスプロージョン
12プラダリア
13アフリカンゴールド
逃げ馬が外目の枠を引いて好位から進められる馬には有利。波乱の決着に期待して馬券を組む。
■みねたの金言62
『見限られるタイミングをみつける』
★ピックアップレース★
2022年4月17日福島11R 福島民報杯(芝2000m良)
注目馬
1プレシャスブルー
9アンティシペイト
──明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
みねた: よろしくお願いいたします。
──まずは新年最初の更新ということで、年初の決意表明と言いますか、今年の抱負をお聞かせいただけますか?
みねた: 去年と同じで、ブレずに期待値を追い続けるだけです。2022年、勝負レースの◎は単勝回収率128%を出すことができましたが、これは正直、出来過ぎ。勝負レースは的中率も重視している分、予想回収率101~102%のものも含まれているので、128%というのは穴馬が期待以上に頑張ってくれた結果です。
2023年も、短期的な不調でブレることなく、とはいえ数ヶ月間、結果が出なければしっかり調整できるように、自分を過信せず競馬に取り組んでいくつもりです。単年で結果が出たぐらいで驕ることなく、研究を続けていきます。
──短期的な好調を過信して、「読者をもっと勝たせます」「目標回収率は○○%です!」などと高らかに宣言する予想家の方も少なくないと思いますが、文句なしの結果を残したみねたさんの抱負が「自分を過信しない」とは。
みねた: 自分は馬券で勝ちたいと思っているので、結果を残して、ユーザーさんと喜びを共有できるのが目標です。歩みを止めている時間はありません。
──さて、ここからは本編です。いきなり1月5日、7日、8日、9日と怒涛の開催が終わったわけですが、今回は昨年のレースを取り上げさせてください。タイミングが合わずに原稿になっていなかった福島民報杯が、実に示唆に富んだレースだったので。
みねた: 昨年の福島民報杯というと…穴馬候補で挙げていたアンティシペイト(5番人気)とプレシャスブルー(9番人気)が1、3着したレースですね。
──これが、みねたさんの思考を学ぶお手本のようなレースでした。読者の方は、まず福島民報杯の出馬表を眺めて、どこに着目すべきかを考えてみてください。
みねた: 予備校の授業みたいですね。
──みねた大学の入試問題です(笑)。みねたさん、正解を発表していただけますか?
みねた: これまでコラムを読んでいただいている方なら、まずは先行馬(前走の通過順位に3番手以内がある馬)の数を数える、というのは習慣になっているはずです。そうすると、このレースは4番、9番、11番、12番、13番、15番、16番が該当しています。
──16頭中7頭だから占有率は44%。かなり多いですね。
みねた: はい。ただ、それだけだと不正解で、着目すべきは外枠にズラリと先行馬が並んでいること。このレースの出馬表を眺めたとき、「先行馬が外枠に並んでいるな」と意識できるようになるのが重要で、そこからどういう展開になるか、どういう馬が恵まれるかを推理していくわけです。
──シンプルに思いつくのは差し有利、ですね。
みねた: そうですね。特に福島芝2000mは初角まで500m以上あって、外枠からの苛烈な先行争いが長く続く可能性の高いコース形態です。この並びをみたら、ペースが弛まず、タフな消耗戦になりそうだと想像できますよね。
──そこで、追い込み馬のプレシャスブルーの出番だったと。
みねた: 4走前、3走前にリステッド競走で0.0秒差、0.1秒差という実績がありながら、直近の重賞2戦が二桁着順で完全に見限られていましたよね。金言23でも触れましたが、「何もしていないようにみえる馬」は期待値がとりやすくて、この馬みたいに後方のままでの二桁着順というのは、まさにそのパターンです。
──確かに、逃げバテの二桁着順なら「展開次第で残るかも」と考えますが、後方のままでの二桁着順だとノータイムで消してしまうかも。
みねた: とはいえ、前走はハイレベルの日経新春杯で1.6秒差ですから、「何もしていない」わけではないんですよね。クラスが下がって好走歴のあるリステッド競走に戻ったのに、人気は底値のままでした。格の変化というのは意外と重要な要素で、アンティシペイトにも同様のことが言えます。
──この馬は3勝クラスを勝ったあと、G2、G2、G3と使われて、このレースに臨んでいました。
みねた: 着順こそ、8着、11着、11着ですが、2番人気、6番人気、4番人気に支持されていました。3勝クラスを勝った直後にG2に使われること自体が陣営の期待度の高さを表していますし、人気に支持されるということは何らかの買い材料があったということ。重賞で上位人気になっていた馬が、リステッド競走に使われて5番人気にとどまっているのは、ちょっと不思議ですよね。
──3勝クラスを勝った2000mに戻して、格も下がるのであれば、確かにもっと人気になりそうな気がします。
みねた: 似たローテーションのワールドリバイバルは、G2、G1、G2を13番人気11着、16番人気18着、13番人気11着から、今回は4番人気でした。人気薄で大敗続きだったこの馬が4番人気で、上位人気に支持されてきたアンティシペイトよりも人気になっている。いかに、オッズをみて得か損かを判断することが重要かわかりますよね。言うなれば、アンティシペイトはこのタイミングで見限られたということで、「見限られるタイミングをみつける」のも大事なのかもしれません。
──枠順の並び、オッズの判断、馬の特性を総合的に判断すると論理的に正解が導ける、みねた大学のお手本のようなレースだったということですね。
みねた: そうですね。この出馬表をみて、外枠の逃げ馬、特に距離短縮ではない先行馬を狙った人は居残り勉強が必要です(笑)。