★今週の重賞ピックアップ★
1月22日中京11R・東海S(ダート1800m)
東海Sは中京ダート1800mでの施行。初角となる1コーナーまでは300m弱と短く、先行争いにおいては内が有利になりやすいコースです。
登録馬16頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは8頭。占有率50%と先行馬の割合が多く、基本的には差し有利で考えたいメンバー構成です。
差し馬で真っ先に目に付くのはスマッシングハーツ。前走のGIチャンピオンズCでは0.7秒差の7着という、いかにも期待値を取れそうな負け方で、6-6-8-8から順位をひとつあげたレースぶりにも好感が持てます。想定オッズによると、同じチャンピオンズC組のオーヴェルニュが9着から今回3番人気。この馬が想定通り9番人気前後にとどまるのであれば、相対比較でかなり甘くなっている印象です。
前走G3のプロキオンSを捲り勝ったゲンパチルシファーも、想定では10番人気前後にとどまりそう。その前走は距離短縮で捲りがハマった印象があり、ペースが上がりそうな今回、捲りを打ちやすい条件とはいえませんが、この人気なら狙ってみる手はあるでしょう。
サンライズウルスは前走のベテルギウスSで通過順8-7-6-8から1着。勝負どころで一旦置かれながらも、しっかり差し切りました。厳しい流れで、一層、差し脚が活きる可能性も十分あります。
人気ですが、前走のみやこSで、道中しっかり脚をためて差す競馬ができたハギノアレグリアスは展開的にも有力。あとは2倍台のオッズに見合うかどうかの判断です。
ここに至るローテーションがさまざまで、逃げ、先行、差し、捲りと脚質もバラバラ。比較の難しいメンバーが揃った分、きっちりと分析することで回収率が取れそうな、馬券的に面白い一戦です。差し馬に妙味のありそうな馬が多いのも、購買意欲をそそられます。想定オッズと実際のオッズにも差異が生じそうなので、しっかりとオッズを見極めた上で、狙いを決めたいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【枠順確定後注目馬】
2オーヴェルニュ
4ハギノアレグリアス
5ヴァンヤール
7ウェルカムニュース
8サンライズウルス
11スマッシングハーツ
13ハヤブサナンデクン
外枠に前走先行した馬が固まって入り内枠差し馬には良い並びになった。
ハギノアレグリアスは人気でも回収率の取れそうな配置。穴馬でも差し脚質から選びたい。
■みねたの金言63
『地方競馬での差し切り・差し損ね』
★ピックアップレース★
2023年1月14日小倉7R・4歳以上1勝クラス(ダート1700m不良)
◎4スカンジナビア
○3クリノニキータ
▲7ベルカノア
△6クインズジュピタ
☆10ワイルドベティ
注11ラニカイ
[参考買い目]
単勝 4 2000円
ワイド 4-3.7.6 各1000円
馬連 4-3.7.6.10.11 各500円
3連複 4-3.7.6-3.7.6.10.11 各300円
──新年2回目のコラムとなりますが、既に開催6日間を消化しました。スタートダッシュに成功した人も失敗した人もいると思いますが、まだ立て直せるタイミングなので、まずは「年初にあたって考えるべきこと」を教えていただけますか?
みねた: それはもう、資金管理ですよ。予想の巧拙以前に考えるべきことで、まずは自分自身を知って、自分が使える額を把握することが重要です。
──早くも「今年、既に10万負け!」みたいな声も聞こえてきます(笑)。
みねた: 別に、今週も10万賭けられる人ならそれでも構いませんけどね。でも、年間で50万円しか競馬に使えない人だと、既に資金の20%を失ったことになります。例えば月5万円競馬に使える方なら、年間で60万円をまずは口座に準備する。そして勝負レースなら、資金の1%、そうでないレースは0.1%程度の額を賭けるようにすることをオススメします。
──60万円の1%なら6000円、0.1%なら600円ですね。
みねた: そうです。そのルールを守って運用していき、資金が50万円に減ったら、それぞれ5000円、500円にするということです。馬券で勝っている人なら、元手が殖えるにつれて賭け金も大きくなるので、雪だるま式に殖えていきます。いわゆる「複利」の効果ですね。あとは、勝った時に、競馬の予算に手をつけないこと。勝った時に美味しいものを食べたり、欲しい物を買うのは、士気を高める上で意味があると思うので否定はしませんが、そのお金を競馬口座から出していると、いつまで経っても複利の力を活用できませんからね。
──なるほど。まだ1月の半ばなので、今からでも資金管理は実践できそうですね。早速、試してみます。では本題の的中レース解説に移りますが、1月14日小倉7Rは△◎○の決着でした。前有利を予想して、シンプルに逃げ馬を◎に取ったパターンでしたね。
みねた: このレースで前走の通過順位に3番手以内があったのは、4スカンジナビア、5キットクル、7ベルカノアの3頭。11頭中3頭の占有率27%と占有率30%を下回っているので、ペースは上がりにくいと判断できます。この場合、シンプルに前から狙うか、道中で動いていけるタイプを狙うことが多いですね。
──先行馬にするか、捲りタイプにするかの判断基準はありますか?
みねた: 並びや個々の馬の脚質なども考慮しますが、最終判断はオッズです。シンプルに前を狙えるならそれでいいのですが、いくら前有利だとしても、それが世間にもバレていてオッズに反映されていたら買えません。
──このレースの場合、オッズが見合っていると考えたから、シンプルに◎4スカンジナビアだったわけですね。
みねた: そうですね。見解文に書いた通り、5キットクルの前走は盛岡のものでした。中央馬が地方交流に使うと、スピードの違いで前に行けることが多く、額面通りの評価はできません。そう考えると、実質的に先行馬は4スカンジナビア、7ベルカノアの2頭だけでした。先行馬同士が離れているので無理な競り合いは考えにくく、ゲートセンスの良さからも4スカンジナビアが逃げられる可能性はかなり高い。それで3番人気の5.4倍なら期待値は取れていると判断しました。
──レースは惜しくも逃げた◎4スカンジナビアがハナ差で△6クインズジュピタに捕らえられてしまいましたが、3着に9番人気の○3クリノニキータが入ったため、ワイド20.3倍、3連複51.3倍の中穴ゲットとなりました。3クリノニキータに対抗を打った思考も教えていただけますか?
みねた: これは、さきほどの5キットクルの説明の裏返しですね。地方競馬は小回りなので、そもそも前有利です。また、地方馬は馬主経済的にレース数をこなす必要があるので、すんなり先行できなかった場合、仕掛けて前にいくよりも、無理せず待機するケースが増えるので隊列が変わりにくい。コース形態とレース体系の構造が相まって前有利になりやすいので、地方競馬で差すには大きな能力差が必要です。
──3クリノニキータも前走は園田を使っていますが、6-6-4から3着でした。
みねた: 地方で差すのは難しいので、3着とはいえ、5キットクルよりも内容が劣っているとは言えません。それ以前の戦績を比較しても、3クリノニキータは中央で未勝利を勝ちあがり、中央1勝クラスで3着しているのに対し、5キットクルは未勝利で地方に転厩してからの、今回が再転入初戦でした。それでいて、5キットクルの単勝オッズが30.3倍、3クリノニキータの単勝オッズが41.2倍だったというのは、ファンの方の多くが、5キットクルの前走1着に引っ張られたということでしょう。
──確かに過去3走ぐらいしか載っていない新聞をみると、そこで5キットクルは2勝していますし、かたや3クリノニキータは地方交流でも敗退。未知の可能性があるのは5キットクルかな、と判断してしまうかもしれません。
みねた: 地方では、逃げ切りよりも差し切りのほうが価値があり、期待値を考えれば差し損ねも悪くありません。また、3クリノニキータはこのレースを含めて、一貫して、道中で動いていく競馬を続けており、馬自身にやる気を感じられました。過去に現級での実績もあり、距離延長で追走も楽になりそうなここは、十分に拾える穴馬だったと思います。