★今週の重賞ピックアップ★
2月12日阪神11R 京都記念(芝2200m)
昨年は◎アフリカンゴールドで単勝51.5倍を仕留めたレース。あれからもう一年も経つんですね。
さて、京都記念は阪神芝2200mでの施行。初角となる1コーナーまでは500m以上あるため、先行争いにおける内外の有利不利は小さなコースです。
登録馬13頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。メンバー構成的には先行有利となりそうです。となると、今年もアフリカンゴールドの逃げ切りに期待を寄せたくなりますが、昨年と違うのはメンバー構成。昨年は有馬記念をステップに参戦する馬がおらず、ジャパンカップ6着のユーバーレーベンが1番人気に、菊花賞13着のレッドジェネシスが2番人気に推されるメンバー構成だったのに対し、今年は昨年のダービー馬ドウデュース、一昨年の年度代表馬エフフォーリアといったスターホースが参戦してきました。このクラスの馬を相手に逃げ残るのは簡単なミッションではありません。
展開想定からスローペース濃厚となると、「前にいける馬」「自力で動いていける馬」もしくは「好位から差せる馬」が狙い目となります。
人気ですが、前走の有馬記念で5-5-4-3から5着と、好位から自力で動いていく競馬をみせたエフフォーリアは有力でしょう。この相手ならしっかり前を捉えきるはずです。一部で関西圏でのレースを不安視する声もあるようですが、GIで0.7秒差、0.9秒差ならあまり気にする必要はないと考えています。
イクイノックスの強さをみると、そのイクイノックスをダービーで完封したドウデュースの能力も疑いようがありません。問題は追い込み一辺倒の脚質。また、凱旋門賞19着大敗からのステップとなるだけに、1倍台に見合う存在かといわれると微妙なところ。海外帰りが嫌われて、想定よりもオッズが甘くなる可能性もあり、最終判断はオッズに委ねられそうです。
アフリカンゴールドでも58キロを背負っていることを思うと、キラーアビリティの56キロは相対的に恵まれている印象。前走が絶好の買い時であった感は否めませんが、再度、手頃な人気に落ち着くようなら。
穴なら道中で動いていける機動力があり、こちらも56キロで走れるマテンロウレオ、素直に前に張るなら、再度人気薄になりそうなキングオブドラゴンあたりでしょうか。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
【枠順確定後注目馬】
1マテンロウレオ
3ウインマイティー
7マイネルファンロン
8プラダリア
9キラーアビリティ
10エフフォーリア
ドウデュースとエフフォーリア等現役トップクラス始動戦。5エフフォーリアが悪くない並びで有力。ドウデュースは力上位で能力は高いが1人気で脚質的にG2なら取りこぼす方に張った方が回収率は取れると判断。穴で狙うなら人気の盲点になりそうな1マテンロウレオや3ウインマイティー。
■みねたの金言66
『一つのファクターを突き詰めよ』
──先週の勝負レースは、◎の連続出遅れなど歯車が噛み合いませんでしたね。
みねた: そうでしたね(苦笑)。年が明けてから、◎の単勝回収率自体は91%とそこまで悪くないのですが、ヒモを取れなくて大きく回収できていません。ヒモが取れていないということは、2~3着にくるような馬の傾向が変わっている可能性があります。その原因はどこにあるのか? 斤量システムの変更が影響を与えているのかもしれません。
──そこまで考えているんですね。
みねた: もちろん1ヶ月程度の試行回数では何もわからないので、あくまで仮説として頭にとどめておき、さしあたっては淡々と今まで通りの予想を続けていくだけですけどね。
──さて今回は、このコラムを読んでいる、予想家を目指す皆さんに向けてのヒントみたいなものをお聞きしたいと思っています。
みねた: まずお伝えしておきたいのは、競馬、とりわけ中央競馬というのはライバルが強力ですよ、ということでしょうか。大切なお金を賭けている以上、皆さん真剣に取り組んでいますし、今は提供される情報量も非常に多い。そのなかで優位性を保っていくのは簡単なことではありません。
──みねたさんは中央も地方も予想されていますが、中央のほうが難しいのですか?
みねた: 情報量が少ない上に、そもそも平日は勤め人という方も多いでしょうから、地方は参入障壁が高いですよね。中央の場合、週末の競馬で勝てるようになったら「仕事を辞めて専任になろう」という決断ができますが、地方だとそもそも働いている時間に競馬をやっているわけですから、「勝てるようになったから辞めよう」とはならない。その分、私のように365日10時~21時まで張り付いてレースを観ている人間にはアドバンテージがあります。
──会社勤めじゃなくとも、それ(365日レースを観ること)は、生半可な覚悟ではできませんけどね(笑)。
みねた: 負けたくなかったら、それぐらい努力するのは当然です。相手が強い中央競馬ではなおさら、「難しいから他人ができない」「めんどくさいから他人が真似しない」ことをやっていかないと勝てないと思いますよ。
──以前、パリミュチュエル方式について伺った時にもおっしゃっていましたね。簡単な必勝法、わかりやすいデータはすぐに真似されて優位性を失ってしまう。
みねた: 例えば、「道中で位置取りを下げながら盛り返した馬」など私が期待値を取りやすいパターンとして考えているものは、以前ならそれだけで勝てたと思います。ただ、現代競馬においては、一つの馬券術だけで勝っていくのも困難でしょうね。
──みねたさんは、大事なのは期待値の追求であり、その前段階の予想手段は何でも構わないともおっしゃっていましたね。
みねた: はい。血統でも調教でもパドックでもVTRチェックでも、ファクターはなんでもいいので、そこで突き抜けるぐらいの気持ちで取り組んで欲しいと思います。
例えば血統にしても、「父がサクラバクシンオーだから短距離向き」ではダメで、配合とか系統とかトラックバイアスまで含めて研究している人が勝てているはずです。レースVTRチェックをするにしても、他の人と同じことをするだけでなく、「こんなパターンのレースをした馬は、次走、期待値があるのでは?」といった仮説を立てて、検証することが大事。仮説が実際に通用することなど、何十回に一回ぐらいだと思いますが、地道に検証結果を蓄積していく。その先に、自分だけの強みが生まれるのだと思います。
──みねたさんの場合は、それが「展開」だったわけですね。
みねた: そうです。ただ、ベースにあるのは能力比較です。正確な能力比較ができている前提があって、はじめて展開や隊列に恵まれたら逆転できるのか、オッズは見合っているのか、などを判断できるので。そして各馬の能力を把握するというのは、非常に地道な作業です。当然、全レースの映像を観る必要もあります。
結局、どのファクターを用いるにせよ、競馬は一朝一夕で勝てるほど簡単なものではないということ。ただ、それだけに非常にやりがいのあるミッションなので、予想家を目指す方は強い気持ちでチャレンジして欲しいですね。