★ピックアップレース★
10月10日新潟11R 北陸ステークス(3勝クラス) 芝1200m良
注目馬:11ショウナンアリアナ、4シセイヒテン
─先週よりスタートした「みねたの金言」。大手サイトで活躍された伝説の馬券師みねたさんに、ご自身の「思考」を語っていただきます(10月16日より『競馬放送局』にて予想提供開始)。2回目に取り上げるのは10月10日新潟11R。このレースでみねたさんが挙げた穴候補は、11ショウナンアリアナと4シセイヒテンでした。結果はショウナンアリアナが12番人気3着、シセイヒテンが7番人気1着。3連複63950円、3連単429220円の高配当となったのですが、このレースにおける思考をお聞かせください。
みねた) このレースの第一感は13グレイトゲイナーでした。というのも、これは前回お話しした「逃げ挟み」のパターンなんですよね。まずはこの馬が期待値を取れるかどうかを考えました。その一環として、専門紙やスポーツ新聞を数紙買ってチェックして、◎や○が付いていない馬から穴候補を選ぶというルールを設けています。
─(手元の新聞を見ながら)13グレイトゲイナーには重い印が入っていますね。
みねた) はい。期待値が取れないということで、この馬は選びませんでした。
─競馬予想においてもAIが全盛の時代に、「新聞の印」を参考にするのは少し意外な気がします。
みねた) 競馬記者さんが一番予想は上手だと思っていて、その方の印はオッズに大きな影響を与えるというのが私の考えです。また、この馬に関しては、前走で千直(アイビスサマーダッシュ)を使っていた点も懸念材料でした。
─13グレイトゲイナーはアイビスサマーダッシュ5着からの距離延長でした。
みねた) 直線競馬だった前走で「スタートから全力で走れ」という指示を出されているので、馬にその記憶があるかどうかは分かりませんけど、一般的に行き脚はつきやすくなりますよね。今回は「先行意識の高い馬」が揃った一戦だったので、厳しい展開に巻き込まれる可能性が高いと判断できました。
─初回の原稿では簡略化するために「逃げ・先行馬」としましたが、実際には、みねたさんは「逃げ先行馬」ではなく「先行意識の高い馬」という表現をされていますよね。その定義を教えていただけますか?
みねた) 基本は、前走の通過順位の中に3番手以内で走った経験がある馬です。すなわち「実際に前走で先行した馬」です。一緒に走るメンバーやその時の調子、今までのレース経験によって陣営の作戦も変わって来るので、実際にどの位置から競馬をするかは分かりません。ですから、予想の最初の段階では「この馬はこの脚質である」とは決めつけず、主観を排除した「前走の通過順位」のみで判断し、チェックを入れる様にしています。
このレースでいえば、1ジャズエチュード、4シセイヒテン、5ペイシャドリーム、7レノーア、9ロジーナ、12デトロイトテソーロ、14エムオーシャトルの7頭が該当しています。加えて、距離延長の馬も、前走で今回より速い競馬を経験したことにより先行出来る可能性が高くなるので「先行意識の高い馬」と位置付けます。
─距離延長の13グレイトゲイナーも含めると北陸Sは、18頭中、実に8頭が「先行意識の高い馬」だったわけですね。
みねた) はい。これだけ「先行意識の高い馬」が揃えば、スタートで先行争いが熾烈になり、かなりの消耗戦となることが想定されます。そこで最後の直線で余力を残している馬が狙い目だと考えました。
─そこで抜擢されたのが11ショウナンアリアナ。
みねた) この馬は1200mで3勝していて、それより長い距離ではあまり良いパフォーマンスを出せていません。前走が芝1500mなので、1200mよりスタートが遅い競馬をしたことによりスタートでゆったりと出る可能性が高くなります。つまり、先ほどの13グレイトゲイナーとは逆で、結果的にスタートで先行争いに巻き込まれず脚を溜めた状態で直線を迎えることが想定されます。
─必然的に差しに回って脚を溜められる、というイメージでしょうか。
みねた) そうですね。このレースのような「先行意識の高い馬」が揃った一戦では、余力を残して最後の直線を迎えやすい“距離短縮馬”が狙い目です。
─結果は、道中12番手から追い込んで3着と波乱を演出しました。そしてもう1頭、みねたさんが挙げたのが4シセイヒテンです。
みねた) 穴馬候補を複数頭挙げたのは、1ジャズエチュードが危険な人気馬だと判断したからです。2走連続逃げ切り勝ちでの昇級初戦、先行意識の高い馬が揃った中での1番人気。かなり期待値を吸ってくれる存在でした。
─4シセイヒテンは前走3角3番手なので「先行意識の高い馬」にカテゴライズされていますよね。激流に巻き込まれそうな気がするのですが?
みねた) 最初に主観的な部分を排除してチェックした後、実際に買う馬を決定する時には1頭1頭デビュー戦からの戦績をチェックします。そうすると、過去の戦歴から、シセイヒテンは本質的には4~6番手を走っている馬であることが分かります。前走のVTRをご覧いただくと一目瞭然なのですが、好発から行き脚がついたところを5番手まで押さえこんでいて、前付けする競馬をさせたくないという陣営の意思が感じられました。さらに、直線ではスムーズさを欠いて、外に出すのに手間取りながらも0.2秒差の6着。
─お話を伺っていると全然買える馬で、なぜ人気薄だったのか不思議に思えてきました。
みねた) 事前オッズでは単勝20倍以上、最終的には18.4倍でしたが、十分に期待値を取れるオッズでしたね。しかも、この馬に関しては、前走の負け方が期待値的に美味しいパターンに当てはまっていたんですよ。
─またまた気になるフレーズが出てきましたが、スペースの都合もありますので「期待値的に美味しい負け方」については次回以降に教えてください。
みねた) 承知しました。単純ですが、これもまた十分に期待値を取れるパターンですよ!