★ピックアップレース★
10月31日東京8R 本栖湖特別(2勝クラス) 芝2400m良
注目馬:5カーディナル、4ワイドエンペラー
買い目
馬連 4―5 5000円
三連単 4・5―4・5―2・8 各500円
三連複 4―5―2・8 各1500円
─今回、取り上げるのは10月31日の東京8R本栖湖特別です。このレースをコラム候補としてみねたさんが挙げられたのは少し意外でした。というのも『競馬放送局』で勝負レースに指定して的中したものの、10000円で買い目を組んで、馬連5000円×2.4倍なので払い戻しは12000円。僅か2000円のプラスです。その意図は後ほど詳しく伺うとして、まずはこのレースの思考を教えてください。
みねた) 最初に、前回お話しした通り「先行意識の高い馬」を数えます。具体的には、前走3番手以内に競馬した馬の数ですが、これが5頭。8頭立ての少頭数とはいえ、5頭が先行意識の高い馬となれば、前の争いがシビアになると予想しました。
─実際、レースでは5カーディナルが道中で逃げていた6マイネルステレールに絡んでいく形になりました。そういえば、6マイネルステレールは前走(10月16日東京8R)では買い目に加えていましたが、今回は一切、買い目に入っていませんでしたね。
みねた) 私が展開を重視していることをご理解いただけると思います。前が有利になると見込んだ前走で買って、前が厳しいとみている今走では買わないという上げ下げ。前走0.3秒差3着で今回も7番人気の52.2倍なら、数字的には狙えるパターンなのですが、今回はいかんせん5カーディナルが強いと考えていたので。
─5カーディナルは1勝クラスを勝っての昇級戦でしたが、どの辺りから強いと判断されたのでしょうか?
みねた) 前走内容ですね。基本的に、逃げ馬は絡まれて道中で抜かれると競馬を止めてしまう事が多い。5カーディナルの前走は、ハナを切っているところを絡まれて、一旦、5番手まで下がったのに、そこから伸び返して勝ち切りました。これは、競走馬の特性を考えると破格の内容です。
─そしてもう一頭、軸に据えたのが4ワイドエンペラー。見解文には「展開が向きそうなのは4」と書かれていました。
みねた) これは初回に紹介した、いわゆる「逃げ挟み」の形です。内外の逃げ先行馬が前に行くことによって、間に挟まれた追い込み馬がスムーズに走れるパターンですね。このレースに関しては、能力比較で5カーディナルを選べた上に、2頭目に4ワイドエンペラーも選べたからこそ、勝負レースに指定できました。
─少頭数でも2頭選べれば勝負になるということですか?
みねた) 18頭立てのレースで単勝を買う人に対して、何も疑問に思わないですよね? それなのに28通りある8頭立ての馬連を避けるのは変じゃないですか。8頭立ての単勝は外れ馬券が7通りしかないのでさすがに期待値は取りにくいですが、馬連なら外れ馬券が27通りあります。多頭数と言われる18頭立ての単勝より組み合わせが多く、確率的に難しくなるので連で考えるなら十分に期待値を取れるんです。
─その発想はなかったですが、言われてみればその通りですね。
みねた) レースの話に戻すと、強い5カーディナルが前に行き、先行意識の高い馬が5頭揃っていて、4ワイドエンペラーは逃げ挟みの形で恵まれそう…2頭を選ぶ条件がいくつも揃っていました。
強い先行馬がいると前が潰れます。このレースでは5カーディナルが前を潰し、展開的に向く4ワイドエンペラーが差してくることまで想定できました。5カーディナル自身が垂れてしまうことは考えにくいものの、4ワイドエンペラーに捕らえられるのはあり得る。だから、3連単では4ワイドエンペラーの頭も買っています。
─実際に5カーディナルが早めに前に圧を掛けにいって、抜け出したところを4ワイドエンペラーが差す。思い描いた展開になりました。
みねた) そうですね。8イクスプロージョンまで潰れてしまったのは誤算でした。この結果や、菊花賞での神戸新聞杯組の凡走をみると、神戸新聞杯は想像以上に消耗が激しいレースだったのかもしれませんね。
少頭数なので買い目を絞る必要があり、オッズとのバランスを考えると3着の7アイブランコまでは押さえられませんでした。また、これについては改めて触れる機会があると思いますが、差し馬2頭が馬券に絡むパターンは少ないと思っているので、買い目に加えなかったことに悔いはありません。
─結果的には12000円の払い戻しでしたが、例えば4→5→2で決まっていれば10万円を優に超える払い戻しになっていたわけですから、少頭数=荒れないとは、一概には言えない気がしてきました。
みねた) そうなんです。今って、予想の成績=◎の回収率みたいな風潮があるじゃないですか。だから、単勝で期待値が取れないレースは、そもそも真剣に考えられることもなく「少頭数は勝てません」と避けられたりする。そういう考えの人が多いから、逆にちゃんとレースを選べて、組み合わせまで考える人にとっては、少頭数レースはむしろ勝ちやすいんです。
─耳が痛いです。確かに、1日に何レースか選んで買う場合、無条件で多頭数のレースを選んでいるような。
みねた) だから私は、「馬券が上手くなりたいなら、少頭数レースこそ勝負せよ」と強く主張したいですね。少頭数のレースならば展開のイメージもしやすいし、期待値を取るために買い目の組み方も強く意識せざるを得ません。展開が読めれば、必然的に展開上、成立し得る買い目、成立し得ない買い目も出てくるので、買い目構築の訓練にもなります。
─『競馬放送局』では、勝負レースを買い目付きで公開されていますが、その買い目の意味を考えるだけでも、馬券力が養えそうですね。
みねた) このレースは押さえの馬連だけでしたが、先週のレース(11月6日)で、展開を予想して、その展開から逆算した買い目を組んで、馬連・ワイド・3連複で取り切れたレースがありました。次回は、「少頭数レースの勝ち方・実践編」として、そのレースについてお話したいと思います。
─分かりました。楽しみにしています。