★ピックアップレース★
11月6日阪神9R 能勢特別(2勝クラス) 芝2000m良
注目馬:5タイセイモンストル
買い目
単勝 5 2000円
ワイド 5─4・6 各2000円
馬連 5─4・6 各500円
三連複 5―4・6―1・3・4・6・8・9 各300円
─前回のコラムで予告した通り、今回は「少頭数レースの勝ち方・実践編」をお届けしたいと思います。まずは具体的な解説に移る前に、みねたさんが少頭数を狙うべきだと考える理由について、改めて説明していただけますか?
みねた) 競馬予想の世界では、◎の単複回収率をベースに期待値を考えるのが主流になっています。その結果、少頭数で期待値を取るのは難しいので、そもそも少頭数のレースは研究対象として選ばれにくいという背景があります。ですが、前回お話しした通り、18頭立ての単勝で期待値を取れるなら、買い目が28通りある8頭立ての馬連ならば、もっと期待値が取れるはずですよね。
─前者は外れ馬券が17通り、後者は外れ馬券が27通り。確率的には馬連の方が難易度が高い馬券です。
みねた) 多くの予想家さんが少頭数のレースを避けるのは、馬連など複数の馬を組み合わせる馬券は研究が難しいからだと推測しています。1頭の馬について、単勝ベースで期待値が取れる条件を研究するのと比較して、組み合わせの馬券で期待値を取れるかどうかは検証するのが難しい。単体で期待値を取れる馬を探す作業と、馬券を組み立てる作業は全く別物だからです。
─単体で期待値を取れる馬同士を組み合わせるのではダメですか? あるいは、期待値を取れる馬から機械的に流すとか。
みねた) ダメですね。期待値を取れそうな馬がA、B、Cと3頭いたとして、Aを軸にする場合とBを軸にする場合では、相手に選ぶ馬が変わってきます。Aが馬券に絡む時は、理論上、Bは馬券に絡まないというケースがあるので、単純に期待値の取れそうな馬だけを組み合わせても勝つのは難しいでしょう。
─それが出来るのがみねたさんの強みであり、少頭数を苦にしない所以でしょうね。ではそろそろ、サンプルレースを使っての解説をお願いしたいと思います。
みねた) 承知しました。取り上げるのは能勢特別(11月6日阪神9R)です。いつものように、先行意識の高い馬(前走の通過順に3位以内がある馬)を調べると、2番、4番、6番の3頭しかいません。しかも、それぞれが離れているという、並び的にペースが上がりにくいパターンでもありました。先行意識の高い馬が少ない上に、先行争いも激しくならないのであれば、先行有利と判断できます。そこで先行する3頭で最も期待値を取りやすい馬を考えた結果、第一感として浮かび上がったのが4エールブラーヴでした。
─ですが、実際の配信で◎に据えたのは5タイセイモンストル。
みねた) もう一捻りして、「馬券を組む上で最も回収率を出せるのは?」まで考えるんです。そうすると、初回の原稿で紹介した「逃げ挟みの差し馬」に該当する5タイセイモンストルが浮かび上がってきました。そこで今度は5タイセイモンストルが走るパターンを想定します。
─「逃げ挟みの差し馬」とは、自身の内と外に逃げ・先行馬が入った差し馬のことですね。内側に1頭分のスペースができる上に、外から被せられて手綱を引くロスも起こりにくいので、スムーズに走りやすい。となると…。
みねた) 4エールブラーヴも6ホウオウエクレールも好スタートを切っているということになります。もし、4が出遅れていたら内に進路はできていないですし、6が出遅れていたら、道中は6が5に被せる形になります。そうなると、5タイセイモンストルはスムーズさを欠き、思い通りの進路が取れていない可能性が高く、馬券には絡めません。
─先行有利という前提があって、5が差してくる場合は4と6が前に行っているから、その2頭が相手になるということですね。理屈は分かるのですが、それなら4エールブラーヴから買うという選択肢はありませんか? 例えば、「4は好スタートを切ったけど6が出遅れたせいで5も6も来ない」という可能性もあるわけじゃないですか。
みねた) 可能性はありますね。それを考えて4の単勝という選択はあります。ただ、そうはいっても現実的には9頭立ての単勝で期待値を取るのは難しいので、このレースに関しては馬連、ワイド、3連複で回収率を出したいという考えが根底にありました。それに、差し馬から買うと馬券が絞れるんですよ。4から買う場合の買い目を考えてみてください。
─先行有利なら2イベリアや6ホウオウエクレールは外せないですし、穴っぽい7コスモジェミラや9プレイリードリームも押さえたい。最内枠の1プレイイットサムが主張する可能性もあるから…。
みねた) 絞れないですよね(笑)。たくさんの買い目を買うということは、外れ馬券をたくさん買うということなので、回収率は出しにくい。でも、5を軸にする場合、5が馬券に絡む展開になるなら、相手は4と6しかいないんです。
─これが前回おっしゃっていた「展開から逆算した買い目を組む」ということですね。結果は、4がハナ、6が2番手を進み、6が抜け出したところを5が差してくる、想定通りの展開となりました。6→5→4の決着で、9700円購入して59870円の払い戻しです。
みねた) 「4の方が期待値は高いけれど、4が来るなら逃げ挟みの5が勝っちゃうだろうな」と想定していたのですが、実際には「5が4を差したけど、その前に6がいた」という形でしたね。それでも、展開想定と買い目の構築で、少頭数でも勝てるという証明にはなったのではないでしょうか。
─はい。「少頭数は勝てない」というのが思い込みに過ぎないのがよく分かりました。今週末は少頭数を積極的に狙ってみようと思います。