★今週の重賞ピックアップ★
1月30日東京11R 根岸S(ダート1400m)
根岸Sは東京ダート1400mで施行。向正面半ばからのスタートで、初角となる3コーナーまでは400m以上あります。初角まで距離があるため、内外の有利不利は出にくいコースで、砂を被らない分、やや外枠に分があるでしょうか。ただ、芝スタートではないので、外枠がダッシュがつきやすいということはなく、内枠がロスなく回れることを考えれば、ほぼイーブンと考えてもよいほどです。
登録段階で、24頭中12頭が前走で3番手以内を経験しています。最終的に、何頭出走してどういう並びになるかは分かりませんが、ペースは速く、前に行く馬にとってタフな競馬になるのは、ほぼ間違いないでしょう。
500mを超える長い直線、しかも上り坂。ここにハイペースが加わるとなれば、注目は「差し」「短縮」。今回、有力馬は差し脚質が多いですが、なかでも「差し」「短縮」を両方満たしているソリストサンダーは、死角の少ない存在です。
穴なら、「短縮」で差す競馬もできるレピアーウィット。出走が叶えばスマッシングハーツも条件に合致しています。「短縮」の逃げ馬リアンヴェリテの粘り込みも一考の価値がありそうです。
【当日注目馬】
2レピアーウィット
4スリーグランド
8タガノビューティー
9ソリストサンダー
11テイエムサウスダン
スタート速い馬が揃い先手争いは激化する。リアンヴェリテは引きつけた逃げをするタイプでも無く先行馬はどう立ち回るかが鍵になる。後ろにいる組は馬群がばらける形が想定されスリーグランド、タガノビューティー、ソリストサンダーは自身の競馬に徹し易く展開が向く。
枠順確定後の最終結論、および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言
『差し馬には2つのタイプがある』
★ピックアップレース★
1月16日中京5R 3歳未勝利(芝2000m良)
注目馬:10ショウナンアデイブ
買い目
単勝 10 3000円
ワイド 10―1・3・6 各1000円
馬連 10―1・3・6 各600円
三連複 10―1・3・6―1・2・3・6 各400円
─1月16日中京5Rは10ショウナンアデイブ(2番人気2着)に本命をうち、見事に馬連とワイドを的中されました。個人的にも5億円超で取引された高額馬として注目していたのですが、こんなブランドホースに◎を打つのが、ちょっと意外で面白かったです。
みねた) 落札価格を気にして予想したことは一度もありませんね(笑)。
─あくまで、みねたさんの手法にならって、期待値が取れる存在だったということですね。では、いつも通り、その思考を教えてください。
みねた) このレースは前走の通過順位に3番手以内があるのが、6アイビーテーラーと10ショウナンアデイブの2頭だけ。11頭中2頭しかいないので、基本的に先行有利が予想されますよね。
─いわゆる「徹底先行」みたいなタイプがいなくて、何が逃げるかさえ分からないようなメンバーですね。10ショウナンアデイブとて、前走の4角こそ2番手ですが序盤は6番手でした。
みねた) ショウナンアデイブの前走の通過順位は6-6-3-2。道中で捲り気味に動いています。こういう捲り脚質の馬にとっては、ペースが遅い方がベターなんですよ。道中、ずっと流れているような展開だと、捲りは決まりにくい。
─確かに、馬群の他の馬たちよりもスピードを出さないと捲れないですから、速い流れを捲るのは負荷が大きいですよね。
みねた) スローペースでは前にいる馬が有利なのは当然ですが、実は、自分で動いていける自在性のある馬にとっても有利です。
─なるほど。ショウナンアデイブの専門紙などの分類上は「差し」ですが、必ずしも差し馬=ハイペースが有利、とはならないわけですね。
みねた) はい。同じ差し馬でも、道中は動かず待っていて直線だけで差してくるタイプと、コーナーに入る前から動いていく馬がいます。前回、取り上げたステラヴェローチェは後者のタイプですね。
─見解文には「コースのレイアウト的にも自分から動ける馬には競馬し易い」とありましたが、この点についても教えてください。
みねた) 日経新春杯の解説でもお話ししましたが、中京の芝コースは3コーナーが膨らんだレイアウトをしています。1~2コーナーに比べて、3~4コーナーの方が大きい。3コーナーで角度をつけて回らなければいけないので、内を通る馬は、少しペースを落としながら回る形になります。なので、外目を自分から動いて、内枠に被せていけるようなタイプが有利になりやすい。
─このレースに関しては、「先行タイプが少なくペースが緩む」「コース形態的に外から動いていけるタイプが有利」という2つの要因が重なって、ショウナンアデイブの推奨に至ったわけですね。
みねた) そういうことです。これがもし、小回りの小倉芝だったら、3コーナーから仕掛けていくとコーナーを回りきれない懸念があります。むしろ小倉の場合は、ペースが上がることで、前走全く走っていなかったような人気薄が直線だけで飛んでくることも。
─確かに、そういうシーンは何度も目にしたことがあります。
みねた) 中京は自分で動けるタイプが走りやすいコース、小倉は自分で動けるタイプが走りづらいコース、ということですね。
─みねたさんにお話を伺っていると、道中の通過順位への意識が高いことに気付きます。日経新春杯のヤシャマル(9番人気3着)に対しても、このコラムの週中の見解で「道中でジリジリと位置を下げながらも、そこから巻き返して8着」と言及されていました。
みねた) 実際に、日経新春杯のヤシャマルもエンジンの掛かりが遅くて、一旦、エフェクトオンに前に出られながら差し返しました。これも前走の通過順位「11-15-16-14(8着)」を見れば納得ですよね。今回は反応の鈍さをカバーできる分、距離延長がプラスに働いた可能性が高く、今後、さらに距離が延びても面白いかもしれません。
─通過順位の数字を吟味するだけで、色々なものが見えてくるんですね。実際、レースではショウナンアデイブが好発を決めて2番手の外を追走したものの、直線で3エイカイマッケンロに差されて2着でした。
みねた) スタートが良過ぎて、結果的に目標になってしまいましたよね。もちろん、スタートを決めることは悪いことではないので、本当にレースの“綾”でしかないのですが。
─金言12の最後に触れた「目標になった上で勝ち切るのは簡単ではない」にも通じる結果となりましたね。
みねた) 自分から動けるタイプは、目標になって2着、3着というのはよくある結果ではあります。日経新春杯のステラヴェローチェとヨーホーレイクの関係性もまさにこの通りで、自在性のあるステラヴェローチェを、勝負所で置かれがちなヨーホーレイクが差し切る形でした。
─確かにそうですね。差し馬には「コーナー手前から自力で動いていけるタイプ」と「道中は動かず待っていて直線だけで差してくるタイプ」がいる。これを頭に入れた上で、馬柱の通過順位を眺めると、展開を想像する力が一段階アップしそうです。