プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「3連単を併用した理由」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
※連載コラム「馬券師・みねたの金言」、会員限定公開への切り替えについて
▼単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』は発売中!
6月21日(水)にみねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されました。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
★今週の重賞ピックアップ★
6月25日 阪神11R・宝塚記念(芝2200m)
宝塚記念は阪神芝2200mで施行。初角となる1コーナーまで500m以上あるので、先行争いにおける内外の有利不利はあまり大きくありません。実際、2020年クロノジェネシス、2019年リスグラシューほか、直近10年で8枠の馬が実に7勝。外枠を割り引く必要はありません。
出走予定の17頭中前走の通過順位に3番手以内があるのは7頭。先行争いは激しくなりそうで、差し馬に展開が向きそうな印象です。先行馬が揃った上に、タフな阪神コースの中距離戦ですから、ローテーション的には距離短縮組にアドバンテージがあるでしょう。
注目はなんと言っても、前走でドバイシーマクラシックを圧勝し、現役最強馬として君臨するイクイノックス。現役屈指のスターホースでファンの多い馬ですから、盛り上がりのためにはぜひ頑張って欲しいところではありますが、圧倒的な一番人気が濃厚なので、馬券的には別の馬に可能性を見出したいところです。
その筆頭格は天皇賞(春)を制したジャスティンパレスでしょうか。前走G1からの距離短縮ローテは心強く、ここ2戦は本格化を思わせる勝ちっぷりでした。前走も圧倒的人気馬をくだしての勝利でしたが、ここも再度、離れた2番人気となる可能性が高く、逆転に賭けてみる手は十分にあります。
同じく、天皇賞(春)からの距離短縮となるディープボンドも面白そう。10倍以上のオッズになるなら、この馬の一発に賭けてみてもよさそう。前走はジャスティンパレスに0.4秒差をつけられましたが、私の考え方ではこれぐらいの差であれば、展開ひとつで逆転可能と判断します。
展開的には、道中で捲っていく差し馬よりも、しっかり脚をためるタイプに分がありそう。そのイメージに合致するのはジェラルディーナです。あとは当日のオッズがどれぐらいに落ち着くか。
昨年の皐月賞馬ジオグリフも見限れません。ここ2走は海外のダート戦で度外視できますし、4走前の天皇賞(秋)は0.8秒差とそれほど負けておらず、人気急落が見込まれるここは期待値が取れるかもしれません。
宝塚記念はファン投票が採用されているドリームレース。馬券的に夢をみるのも良し、好きな馬を買って応援するのもまた良し。春のG1シーズンを締めくくる一戦、みんなで楽しみましょう。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
2カラテ
7プラダリア
9ジャスティンパレス
10ディープボンド
11ジェラルディーナ
12アスクビクターモア
14ブレークアップ
今回は古馬G1にしては、前走、前目で競馬をした馬が揃った。5イクイノックスは実力上位だが、現状1.5倍なら思い切って連からは外して、3連系の3列目にのみ入れて高配当を狙う。
■みねたの金言85
『3連単を併用した理由』
★ピックアップレース★
2023年5月27日東京2R・3歳未勝利(ダ1400m良)
◎16オーラビルス
○5ドウダンミッチー
▲14デイタム
△4イナホ
☆10エリカボニータ
注3クツワファミリー
[参考買い目]
単勝 16 2000円
ワイド 16-5.4.10 各1000円
馬連 16-5.14.4.10.3 各500円
3連複 16-5.4-5.4.10.3 各200円
3連単 16→14→5.4.10.3 各100円
3連単 16→5.4.10.3→14 各100円
──ダービー週の5月27日、28日は3連単を積極的に取り入れられていたのが印象的でした。その辺りの意図についてお伺いしたいな、と。
みねた: 確かにそうでしたね。いつもの勝負レースの標準的な買い目ではなく、3連単や馬単を併用しました。これは2場開催だったので「ある程度の的中率があり、単勝回収率も出そう」という馬がいるレースが少なかったのが要因です。『競馬放送局』の勝負レースは、一定の的中率があることを心がけていますから。
──この週は2場開催の上に少頭数のレースが多くて、周りからも「買うレースが見当たらないよ」という声が聞こえてきました。
みねた: 私は少頭数であろうと単勝以外の券種を使い、組み合わせることで利益は出せると考えています。また、期待値という観点だけで考えれば狙えそうな穴馬はいました。ただ、そういう馬は好走率が低く、的中率の部分で疑問符がつくため勝負レースには相応しくありません。的中率を担保しつつ、期待値を取るために3連単を採用したということですね。
──では、買い目構築にあたっての思考を聞いていきます。今回取り上げる5月27日東京2Rは◯→◎→△の決着。ただ、3連単は不的中で、馬連、3連複、ワイド(2点)が的中し、払い戻し額は13,330円でした。3連単がハマらずとも、券種の組み合わせでレース回収率133%に持ち込んだところが、さすがだなと思うのですが、なぜ、こういう買い目になったのか教えてください。
みねた: このレースは「1~3番人気馬がいずれも展開面も向きそう」というのが予想のスタート地点。◎にした16オーラビルスは期待値を取りやすい大外枠、○の5ドウダンミッチーは2頭しかいない前走3番手以内通過馬の1頭。▲14デイタムも砂を被りにくい外枠で、相対的に能力上位で、前走僅差の6着以下という期待値を取りやすいパターンにも該当していて、人気上位馬が崩れる可能性は低いと考えられました。
──そこで買い目の工夫が必要になると思うのですが、参考買い目では、ワイドの相手からは▲14デイタムを抜き、一方で、3連単の相手としてはこの馬を採用しています。
みねた: 印に逆らった買い目ですよね。これは「16オーラビルスに14デイタムは勝てない(先着できない)」と考えたからです。
ワイドや3連複では、16>14という考えが反映できず、期待値が取れません。16→14→流し、16→流し→14という3連単は、「14が1着の目を切り取った馬券」という言い方ができますよね。この馬券がワイドの代用という形になるので、ワイドの相手からは14を削り、期待値の取れそうな10を加えました。
──その結果、ワイド1.8倍と7.1倍がW的中し、これだけでほぼ原資は回収できたわけですね。
みねた: 今回、16オーラビルスについては、ギリギリ単複でも期待値があったと考えています。複勝で期待値がとれるなら、ワイド3点買いは複勝から相手を12頭削ったものですから、十分に回収率は取れますよね。
同様に3連単について考えてみると、16頭立てなら単勝は16通りですが、3連単だと3360通りになります。これが、1着欄を固定することができたらどうなりますか?
──1着欄をAという馬の1頭に固定できたら、A→全通り→全通りだと210通りですね。
みねた: そうですよね。そして、2、3着候補をB、Cという2頭に固定できたら?
──A→B.C→全通り、A→全通り→B.Cなので、56通りですか。
みねた: 正解です。ですから、16分の1の単勝では期待値が取れないとしても、その馬を1着固定にして、そこから相手を絞ることができたら、仮に軸が人気馬でも十分に期待値が取れるんですよ。
過去の連載や、単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』でも詳しく書いていますが、2倍を切るような馬の単勝で期待値を取るのは難しいですが、上記のように3連単を使って相手を絞れれば、仮に1倍台の馬でも期待値を取ることは可能なのです。このレースでは、目論み通りとはいきませんでしたが。
──ただ、漫然と3連単2頭軸マルチにするのではなく、予想を反映して3連単の買い目を絞った結果が、他の券種でのプラス収支に繋がったのだと思います。
さて、今の話を聞いていると、今週末の宝塚記念は◎イクイノックスでも問題ないような気がしてきましたが…?
みねた: その通りですよ。冒頭の週中見解では、ジャスティンパレスの逆転に単勝も含めて期待値があるような書き方をしましたが、◎イクイノックスが堅いと考えているなら、この馬を3連単の1着に据えた上で、2列目を絞ることで期待値は取れるでしょう。私の考え方で言えば、イクイノックスが勝つ展開で連れてくる馬は何かを考えて、2列目に据えるということですね。
2023年6月21日(水)に、みねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されました。
【商品説明】
■カリスマ馬券師が遂に手の内を明かした
2020年に大手競馬サイトにて900レース以上配信してプラス収支を達成。一年間の活動休止から復帰した2022年には『競馬放送局』の勝負レースの◎が単勝回収率128%を記録。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本です。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
■「展開読み」が劇的に上達する
みねた氏が重視しているファクターは「展開」。簡単に真似できず、予想法も確立されていないので、期待値が取りやすいのです。本書で紹介する展開読みの極意を知れば、そのレースでスムーズに運べる馬、不利を受けやすい馬が浮かび上がります。専門紙等の展開予想を鵜呑みにするのではなく、自身の展開読みの精度が劇的にアップすることで、まさしく「競馬場と前走位置取りだけ」で競馬に勝てるようになります。
■AIにもトレンドの馬券術にも負けない馬券力が身に付く
世の中には様々な馬券術がありますが、それが世間に浸透するとアドバンテージを失うというジレンマを抱えています。競馬に勝つための唯一の方法は、トレンドを見極め、ファンの心理を逆手に取り、「期待値が取れる」馬券を選び続けること。「展開読み」に加えて、本書に収録している「単体で期待値を取りやすいパターン」を身に付けることで、時代やトレンドに左右されない“真の”馬券力を手に入れることができるのです。
【著者プロフィール】
みねた
かつてはスロプロ軍団の長として、今は予想家として活動する。2020年に大手競馬サイトにて900レース以上配信してプラス収支を達成した後、一旦は表舞台から姿を消したが、2021年秋より復帰。愚直に期待値を追求するスタイルで、展開をベースに回収率の高い馬を選び出す。ストイックに勝利を追求する姿から、同業者からも一目置かれるカリスマ的存在。
定価:2500円+税
著者:みねた
ページ数:237ページ
発売日:2023年6月21日(水)
発行:オーパーツ・パブリッシング