プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「障害帰りはしっかり過去戦歴を洗え」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
▼単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』は発売中!
6月21日(水)にみねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されました。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
★今週の重賞ピックアップ★
7月9日福島11R・七夕賞(芝2000m)
七夕賞は福島芝2000mで施行。初角となる1コーナーまでは500m以上あり、枠順による内外の有利不利はありません。
登録22頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのはガロアクリーク、シフルマン、ショウナンマグマ、セイウンハーデス、バトルボーン、フェーングロッテン、レッドランメルトの7頭。この数字だけ見ると先行と差しがイーブンかなという印象ですが、7頭中4頭は前走で逃げており、先行争いは激しくなりそう。好位差し、あるいは差しから◎は選びたいところです。
G1からG3への格下がり、そして距離短縮と激しい展開が味方になりそうなのはサンレイポケットでしょうか。58キロを背負いますが、10番人気前後なら期待値は取れそうです。
ヒンドゥタイムズも2走前にG1大阪杯を使っており、ここでは格上の存在。3走前には小倉大賞典を制しており、ローカルコースでの実績もあります。前走の鳴尾記念も0.3秒差の7着と期待値の取りやすい負け方です。
昨年の覇者エヒトは、2走前にG2のAJCCで0.1秒差の2着と近況も充実しています。昨年よりも斤量が4キロ増えますが、想定通り10倍程度のオッズなら、妙味は十分にあるでしょう。
フェーングロッテンは年明けに重賞を3戦して、3、2、2着。実績上位の存在で、あとはオッズが見合うかどうか。
セイウンハーデスも、昨秋、菊花賞に挑戦後、年明けは3勝クラス1着、G3で2着と充実しています。有力候補の1頭ではありますが、脚質面も加味すると、積極的に狙うところまでいくかどうか。
4連勝のバトルボーンは、前走の3勝クラスが道中2番手からアタマ差の接戦。昇級で上位人気必至となると、期待値的には疑問符が付きます。
馬券的には差し馬から先行馬へ流すのが買い目を組み立てやすそうな印象ですが、いずれにせよ、枠の並びが大きな鍵を握る一戦となるでしょう。逃げハサミが複数発生する可能性もあり、その中からどう優劣をつけるかなど、予想の総合力が問われることになりそうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1エヒト
3バトルボーン
4ククナ
5カレンルシェルブル
10グランオフィシエ
11フェーングロッテン
15セイウンハーデス
夏のハンデ重賞。堅い所から行っても仕方がないので人気馬を差せる馬という視点で考えた。逃げ馬が外枠に並んで配置されており内で脚を溜めれる馬が特に狙い目。高配当に期待したい。
■みねたの金言87
『障害帰りはしっかり過去戦歴を洗え』
★ピックアップレース★
2023年6月4日東京9R・ホンコンJCT(芝2000m良)
◎3ヘネラルカレーラ
○6ピースディオン
▲2リリーブライト
△5セラフィナイト
☆1ニシノオイカゼ
注9ドゥレッツァ
[参考買い目]
単勝 3 2000円
ワイド 3-6.2.5 各1000円
馬連 3-6.2.5.1 各600 円
3連複 3-6.2.5.1 各400円
3連単 3→9→6.2.5.1 各100円
3連単 3→6.2.5.1→9 各100円
──ここ2回はダービー週の的中ラッシュを振り返りつつ、3連単を織り交ぜた買い方について、特に詳しくお話を伺ってきました。翌週のホンコンJCTもまた、3連単を活用した買い目だったので、このレースについても教えていただけますか?
みねた: これは…悔しいレースですね(笑)。
──確かにスローペースで逃げた◎3ヘネラルカレーラが4コーナーで後続を引き離した時は「やった!」と思いました。実際、3着以下には4馬身の差をつけているので、1番人気の注9ドゥレッツァだけが差してきたという。
みねた: これはルメール騎手が上手かった。降参です。9ドゥレッツァについては、予想文で「抜けた人気馬が先行して昇級戦で大外枠と取りこぼしもある枠。能力で勝たれてもおかしくはないが馬券的には人気を吸ってくれる存在」と書いた通り、前走先行して勝っての昇級戦であり、そもそも危険な人気馬になりやすいパターン。その上、初角まで約130mしかないコースパターンA(コースパターンの詳細は単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』をご覧ください)の東京芝2000mで、不利な大外枠でした。
不利な枠から先行して、コーナーで外に振られた分、ラストで甘くなる、というイメージだったのですが、無理に前に行こうとせず、道中の距離ロスも最小限に抑えて差しに回ったことが最後の伸びに繋がったのでしょう。
──逃げ馬を狙う時、ライバルの人気馬に対しては「差し損ねろ!」と願いがちですが、むしろ無理に先行して、最後に脚を無くすのを想定していたわけですね。
みねた: パターンAのコースで、前走の通過順位に3番手以内があるのは3ヘネラルカレーラと9ドゥレッツァの2頭だけ。有利な内枠をひいた3ヘネラルカレーラは、2番人気とはいえ、単勝6.3倍ならかなり期待値があると考えられます。
──そこで印と買い目に注目です。印ということでいえば、前回取り上げた5月27日東京6Rのタナサンブラックについては人気を吸っている危険な存在として、一切、印を回さず買い目にも含まれていませんでした。一方、今回「人気を吸っている」とした9ドゥレッツァには「注」を回しています。
みねた: 先行して昇級、不利な外枠と条件はよくありませんが、先行有利な展開面、そして能力面は評価せざるを得ません。ただ、ワイドの3-9は当然ながら、馬連でも9を入れていたら期待値は取れません。そこでワイド、馬連、3連複は、9ドゥレッツァが取りこぼした場合に跳ね上がることを期待して9を含めない馬券とし、3連単だけは9を2着と3着に置いた3ヘネラルカレーラの1着固定の馬券を組みました。
──3が9に先着するという予想を表現したわけですね。
みねた: 9→3→6だと252.8倍、3→9→6だと602.4倍ですから、配当が倍以上違います。
──「3連単252倍なら、まぁ良し」と考えてしまいがちですが、100円で払い戻しが3万5000円違うと考えると、その差はめちゃくちゃ大きいですね。
みねた: 3連単は深く考えずに2頭軸マルチを選ぶ人が多いので、しっかり予想を反映した買い目を組めば、期待値が取れることは多いですよ。このレースは、9に捩じ伏せられてしまいましたが。
──予想通りとはなりませんでしたが、○6ピースディオンが単勝214.4倍で3着に激走を果たし、ワイド3-6は41.1倍。レース回収率400%超えというのはさすがです。なぜ、この馬を対抗評価にできたのでしょうか?
みねた: もともと2勝クラスに昇級した際には3番人気に支持されるほどの馬で、0.6秒差や0.7秒差の競馬もあって、そこまで負けているわけではありません。200倍超のオッズなら期待値はありますよ。
──とはいえ、前走は障害戦。しかも9.7秒も負けていると、ちょっと心理的に買いにくかったです。
みねた: 以前にもお話ししましたが、3秒以上も負けてしまうのは、能力負けでないことが多く、期待値がとりやすいパターンです。「心理的に買いにくかった」というのは、おそらく、障害入り=平地で頭打ち、という先入観があったと思うのですが、一般ファンでもそう捉える人が多かったからこそ、この人気になったのでしょう。
ただ、多くの人が心理的に買いにくい=パリミュチュエル方式では狙い目、というのはこのコラムや単行本を読んでいる方にはご理解いただけるはず。障害帰りの馬は、それだけで無条件に消したりせず、入障前の戦績もしっかりチェックすることが重要です。
2023年6月21日(水)に、みねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されました。
【商品説明】
■カリスマ馬券師が遂に手の内を明かした
2020年に大手競馬サイトにて900レース以上配信してプラス収支を達成。一年間の活動休止から復帰した2022年には『競馬放送局』の勝負レースの◎が単勝回収率128%を記録。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本です。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
■「展開読み」が劇的に上達する
みねた氏が重視しているファクターは「展開」。簡単に真似できず、予想法も確立されていないので、期待値が取りやすいのです。本書で紹介する展開読みの極意を知れば、そのレースでスムーズに運べる馬、不利を受けやすい馬が浮かび上がります。専門紙等の展開予想を鵜呑みにするのではなく、自身の展開読みの精度が劇的にアップすることで、まさしく「競馬場と前走位置取りだけ」で競馬に勝てるようになります。
■AIにもトレンドの馬券術にも負けない馬券力が身に付く
世の中には様々な馬券術がありますが、それが世間に浸透するとアドバンテージを失うというジレンマを抱えています。競馬に勝つための唯一の方法は、トレンドを見極め、ファンの心理を逆手に取り、「期待値が取れる」馬券を選び続けること。「展開読み」に加えて、本書に収録している「単体で期待値を取りやすいパターン」を身に付けることで、時代やトレンドに左右されない“真の”馬券力を手に入れることができるのです。
【著者プロフィール】
みねた
かつてはスロプロ軍団の長として、今は予想家として活動する。2020年に大手競馬サイトにて900レース以上配信してプラス収支を達成した後、一旦は表舞台から姿を消したが、2021年秋より復帰。愚直に期待値を追求するスタイルで、展開をベースに回収率の高い馬を選び出す。ストイックに勝利を追求する姿から、同業者からも一目置かれるカリスマ的存在。
定価:2500円+税
著者:みねた
ページ数:237ページ
発売日:2023年6月21日(水)
発行:オーパーツ・パブリッシング