プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「わかりやすいコースを選べば、変に捻らずとも馬券は当たる」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
7月30日札幌11R・クイーンS(芝1800m)
クイーンSは札幌芝1800mで施行。初角となる1コーナーまで200m未満で、いわゆる「コースパターンA」のコース。先行争いにおいて内枠が有利です(コースパターンの詳細は単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』をご覧ください)。
登録19頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは9頭。現時点で出走可能な馬でみると、フルゲート14頭に対して7頭です。先行馬の占有率が50%ですから、ペースは厳しくなる可能性が高いでしょう。
とはいえ、コース形態的には先行馬が残る可能性は高く、仮にペースが上がっても、タイムトライアルの状態になると、それはそれで内をロスなく回れるタイプにアドバンテージがあります。
外枠の先行馬は、前に行くためにかなり脚を使う必要があり、道中で外を回らされるリスクも高くなります。先行馬を狙うなら内枠になるでしょう。特に1枠の先行馬は要警戒です。
出走予定馬を眺めた際、嫌でも目につくのがドゥーラの51キロ。札幌2歳S・1着、オークス・3着という実績がありながら、2歳時成績はカウントされないため、軽量となりました。前走2桁通過順のため期待値がとりやすく、先行馬比率が高いので短縮ローテも問題ありません。
同じく3歳馬のライトクオンタムは52キロ。対ドゥーラでは不利にみえますが、この馬も距離短縮は歓迎で、内枠をひければ粘り込むシーンも。
キタウイングは、同じ3歳馬同士との比較を考えると想定15番人気はナメられ過ぎの印象。フェアリーSを勝ち、チューリップ賞で0.3秒差なら実績はヒケを取りません。やや位置取りが後ろ過ぎの感はありますが、ヒモには押さえておきたい存在。
フィアスプライドは前走のエプソムカップを2-5-5から9着。とはいえ、0.6秒差に踏みとどまっています。直線の短い札幌に替われば前進必至で、10番人気前後なら面白そう。
ルビーカサブランカは、先行馬が揃ったここで捲るのは骨が折れそう。ただ、ルメール騎手はレースに応じて有利なポジションを取ってくるので、すんなり好位を取ってくる可能性も。能力は上位なので、あとはオッズとの相談です。
前走、福島牝馬Sで0.2秒差・4着と期待値の取れそうな内容だったのがジネストラ。昇級戦で、それまでとは異なる戦法となった前走はタフな条件でした。今回想定される流れなら、前走の脚をためる経験が活きてくるはず。
クイーンS、そしてアイビスサマーダッシュと、今週末の両重賞は、枠の影響が大きなコースでの施行。枠順と並びを吟味して、最善の結論を導き出したいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1.コスタボニータ
4.ルビーカサブランカ
5.サトノセシル
6.ローゼライト
7.ドゥーラ
10.イズジョーノキセキ
13.ビジン
並び的にはかなり難解な1戦になったが内枠中心は変わらず。最内を引いたコスタボニータ。前走前に行った馬の外ルビーカサブランカ辺りが配当妙味考えると馬券は組みやすい。
いずれにせよどの馬が来てもおかしくはないメンバー構成で3列目は手広く行きたい。
■みねたの金言90
『わかりやすいコースを選べば、変に捻らずとも馬券は当たる』
★ピックアップレース★
2023年6月24日東京10R・日野特別(ダート1600m良)
◎16フランスゴデイナ
○15アースライザー
▲14ケイアイメビウス
△2テイエムマジック
☆12アナンシエーション
注5ロードカテドラル
[参考買い目]
単勝 16 2000円
ワイド 16-15.14.2 各1000円
馬連 16-15.14.2.12.5 各500円
3連複 16-15.14.2-15.14.2.12.5 各300円
──6月24日、25日の勝負レースは、8レース中3レースが東京ダート1600m戦でした。ちょうど単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』の発売直後だったので、意図的に「コースパターンF」である東京ダート1600m戦を増やしたのかと。
みねた: そうですね。私がコラムや単行本で手の内を明かすのは、競馬で勝つための方法を知って、「競馬は楽しい」と思ってもらいたいという考えが根底にあります。
私の理論を実際に馬券で活かそうと考えた時、最も実践しやすいのが、「コースパターンA」や「コースパターンF」など、特徴がハッキリしているコースに絞っての勝負でしょう。わかりやすいコースを選べば、変に捻らずとも馬券は当たる。それを伝えるために勝負レースに「コースパターンF」を多く取り上げました。
──取り上げた3レースは、6月24日東京10Rは☆◎▲で馬連9.3倍、ワイド14.1倍、3連複103.1倍をズバリ的中し、6月25日東京2Rは注◎○で馬連9.4倍、ワイド5.4倍、3連複23.5倍。6月25日東京10Rは買い目こそ不的中でしたが、○▲△◎の順で入線し、◎15ライラボンドはアタマ差の4着でした。◎○は全て2桁馬番の馬と徹底していましたね(笑)。
みねた: 6月25日東京2Rは、前走の通過順位に3番手以内があったのが4頭で、先行馬の占有率25%と前有利が見込めるレース。有利な外枠を引いた先行馬の15トウロウノオノと16ラウロスカイの外2頭でいいよね、というレースでした。
──◎15トウロウノオノが1番人気2着、○16ラウロスカイが4番人気3着でした。
みねた: 2頭並びなので、こういう時は外側を選ぶのがセオリーですが、前有利と想定しているので、「より前に行けそうな馬」を上位に取りました。
根拠の一つは斤量面で15トウロウノオノのほうが16ラウロスカイより1キロ斤量が軽かったこと。そしてもう一つは、15トウロウノオノは前走ダート、16ラウロスカイは前走芝でしたが、レースのテン3ハロンは前者が34.8秒、後者は35.9秒と、15トウロウノオノのほうが速いペースを先行する裏付けがあったこと。この2点から私は15トウロウノオノを上位に取りましたが、芝スタートを活かせる上に、有利な大外枠を引いた16ラウロスカイを上位に取った方がいたとしても、期待値的には全く問題ありません。
──6月25日東京10Rについては?
みねた: 何度予想しても、有利な外枠で「逃げハサミ」でもあった15ライラボンドが◎になると思うので仕方ないですね(笑)。このレースは大外16番のワールドタキオンが「先行しての昇級」という危険なパターンに該当していました。それでも○に評価していることから、いかに「コースパターンF」の外枠先行馬を重視しているかがご理解いただけるかと。
──実際にワールドタキオンは勝ちましたからね。
そして、何と言っても6月24日東京10R。3連複万馬券的中だったわけですが、見解文で◎16フランスゴデイナについて「斤量増が少し懸念材料ではあるがそれ以上に買い要素が強くここは勝負。」と書かれていて、勝負度合いの高さが滲み出ていたのが印象的でした。
みねた: これは勝負でしたね。普段からこのコラムを読んでいたり、単行本を読んでくださった方は、皆さん16フランスゴデイナからの勝負になったんじゃないですか?(笑)
──確かに、「コースパターンF」での大外枠の先行馬なので、すぐに16フランスゴデイナには目がいきました。ただ、前走の通過順位に3番手以内のある馬が16頭中7頭と少し先行馬の割合が大きいなと思ったんですよね。
みねた: このレースが勝負レースになったのは、3つの理由があります。1つは、今、おっしゃった通り「大外枠」。「コースパターンF」のコースはそもそも外枠が有利な上に、大外枠は外から被せてくる存在がいないので、それ自体が有利です。
そして2つ目、これが最も大きな理由なのですが、「先行馬の並び」ですね。
──このレースで前走の通過順位に3番手以内があったのは、1ビーアイオラクル、2テイエムマジック、3クアトロフォンテ、6ミキノバスドラム、7カズロレアート、12アナンシエーション、16フランスゴデイナでした。並びで入っていないのは12アナンシエーションと16フランスゴデイナの2頭だけですが、それが理由ですか?
みねた: 半分正解です。何度もお話しした通り、同脚質馬が並びで入るとポジション争いで消耗するため不利なので、ポツンと配置されている12アナンシエーションと16フランスゴデイナが有利なのは確かです。
このレースの場合、それと同時に、内枠の1番、2番、3番に先行馬が並んでいたことがポイントでした。しかも、そこに赤オッズ(1桁人気)馬が含まれています。(次回(8/2公開予定)に続く)