プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“穴馬を上位評価できることで、何が変わるのか?”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
1月28日 東京11R 根岸S ダート1400m
根岸Sは東京ダート1400mでの施行。初角まで距離があるので先行争いにおける内外の有利不利はありません。ゴール前直線もたっぷりあるので、力勝負が繰り広げられることになるでしょう。メンバーも揃いやすく、個人的に好きな重賞の一つです。
ただ、今年の出走予定馬を見渡すと、それほど実績馬が出てこない模様で、例年とはやや趣が異なります。
登録19頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。メンバー的には先行馬有利で、極端な追い込み脚質よりも、好位差しや道中で動いていけるタイプにアドバンテージがありそうです。
1番人気想定は連勝中のエンペラーワケア。ここ2走は後続に0.7秒、0.6秒と圧倒的な差をつけています。ダートで5戦4勝2着1回と全く底をみせていません。通用して不思議ではありませんが、2戦ともに2番手からの抜け出しで、3勝クラスから一気の格上げ戦となるここは、実力以上のオッズとなる可能性が高そう。能力は高く、展開自体は向きそうですが、期待値が見合うかどうかは微妙なところです。
2番人気想定はサンライズフレイム。4連勝中で、通算6戦5勝3着1回と、こちらもまた未知の魅力に溢れた存在です。ただ、連勝馬自体が過剰評価になりやすいという性質を持っていますし、2番人気で極端な追い込み脚質を軸にするというのも勇気が要ります。やはり、期待値が取れるかどうかは、オッズ次第でしょう。
「一線級で戦ってきた実績馬」という括りが一番近いのは、今回のメンバーならタガノビューティーでしょうか。この馬は、サンライズフレイム以上に後ろからいくタイプである点が気がかりですが、単勝5倍前後なら見合うかもしれません。
穴で面白そうなのがシャマル。競走中止→除外ということもあってか手頃な人気に落ち着きそうですが、好位から差せるタイプなので展開は向きます。黒船賞で道中動いていく機動力を見せている点も強調材料。
捲れるタイプならベルダーイメルも穴で一考。前走が8-7からの差し切りで、距離延長で追走が楽になりそうなアームズレインも、今回の条件は悪くなさそうです。
パライバトルマリンは4歳牝馬で距離1400mも初めて。適性面、力関係ともに未知の部分が大きいですが、今回のメンバー構成なら、オッズ次第で、未知の魅力に賭けてみる手もあるかもしれません。
混戦メンバーなので、オッズ次第でアプローチが変わりそうな一戦。しっかり見極めて、最適解を導き出したいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言114
穴馬を上位評価できることで、何が変わるのか?
★ピックアップレース★
1月7日 京都12R 4歳以上2勝クラス 芝1200m
◎5イラーレ
○8テンジュイン
▲11キタノエクスプレス
△6ベンガン
☆12ガリレイ
注2アンフィニドール
[参考買い目]
単勝 5 2000円
ワイド 5-11.8.6 各1000円
馬連 5-11.8.6.12.2 各500円
3連複 5-11.8.6-11.8.6.12.2 各300円
―今回は2024年最初のホームランとなった1月7日京都12Rの4歳以上2勝クラスを取り上げます。◎▲注の決着で、単勝2000円×5.6倍、ワイド1000円×40.5倍、馬連500円×159.7倍、3連複300円×245.8倍が的中し、199690円の払い戻しとなりました。
みねた)Xでもポストしましたが、予想の提供時間を遅らせのが、早速、功を奏しました。そういう意味では、新年早々ですが、これは「会心の的中」と言ってもよさそうです。
―今年から、『競馬放送局』内の「厳選勝負レース」の公開時間が正午頃に変更になったんですよね。このレースについて解説していただく前に、まずは、公開時間を変更した経緯について教えていただけますか?
みねた)最大の理由は「予想の精度を上げるため」です。これまでの入稿時間だと、逆算すると深夜の1時頃には予想の大枠が確定させる必要がありました。当然、当日朝に得られる情報も反映させることができません。当日のオッズ等をみて「本当なら、この馬を上位評価したいのに」「こういう馬券を組みたいのに」を反映させることができず、歯痒い思いがありました。
―このレース後にXで「更新昼にする事で2列目を絞れる&大穴入れられるので良い。去年のまま前日オッズでやると最終11キタノエクスプレス(10人気55.3倍)2着を、3番手評価出来ず2万馬券取りこぼしていた」とポストされていましたね。
みねた)前日予想であっても、キタノエクスプレスをピックアップすることは出来ていると思います。ただ、その場合は、おそらく☆とか注の評価で▲ではなかったはず。
―それはなぜでしょうか?
みねた)穴馬ほどオッズの変動が大きいからです。上位人気馬であれば、前日から最終オッズまでの変動幅が知れていますが、穴馬は大きく動きます。例えば、30倍あれば期待値が取れる馬がいたとしますよね。その馬が前日段階で30倍あったとしても、ちょっとまとまった投票が入れば20倍になります。逆に、全然売れずに最終的に55倍になる場合もあります。それだけに、前日段階では「この穴馬には期待値がある!」という確信は持てませんよね。当日の段階で55倍になっていたら、ある程度、確信を持って狙えます。この違いがあるから、前日予想の場合は☆や注でお茶を濁すことになり、当日予想ならば3番手評価まで引き上げることができるのです。
―この馬が▲に引き上げられたことで、ワイド1000円×40.5倍、3連複300円×245.8倍も的中になりました。
みねた)ワイドを買えない=40倍を取りこぼすことになりますからね。3点買いで40.5倍ですから、13レース分の取りこぼし。これは大きい。同様に、3連複も9点買いで245.8倍ですから27レース分の取りこぼしです。これは要するに、この3連複があることで、勝負レースが27レース、つまり約7日間、3連複が外れ続けてもプラスを守れるということを意味します。
―仮にキタノエクスプレスが☆評価だったとしても、馬連500円×159.7倍が当たるので、約8万円の払い戻しは得られますが…。
みねた)それで「当たった!バンザイ!」で済ませて、本来、獲れていたはずのワイドや3連複を取りこぼしていては、回収率を取るのは難しいですよね。
―なるほど。当日オッズをみることで穴馬の印が変わる。その結果、穴馬を2列目に置けるようになり、高配当が拾いやすくなるということですね。最後に、キタノエクスプレスを評価できた理由を教えていただけますか?この馬は初芝ですよね。
みねた)初芝だからこそ、一層、オッズは大事ですよね。同じ初芝でも、3倍の馬がいたり、100倍の馬がいたりしますから。この馬の場合、3走前の阪神ダート1400m戦、5走前の中京ダート戦と、芝スタートのダートコースでハナを切っています。このことから、芝自体は得意だろうと推測可能です。こういう「芝スタートのダートコースでスピードをみせていた馬の芝替わり」というのは、下級条件で不当に人気を落として穴になりやすい一つのパターン。覚えておいて損はありませんよ。