プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“みねた理論が詰まった京成杯で答え合わせ”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
2月4日 東京11R 東京新聞杯 芝1600m
東京新聞杯は東京芝1600mでの施行。初角まで500m以上の距離があるので先行争いにおける内外の有利不利はありません。
登録22頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは8頭。現時点での除外馬を考慮すると16頭中6頭になるでしょうか。いずれにせよ、先行馬占有率は30%を超えてくると思われるので、先行、差しで大きな差はなく、重賞である分前に目標を置ける差し馬には注目です。
1番人気想定はマスクトディーヴァ。ローズSでのちのエリザベス女王杯馬ブレイディヴェーグを降し、秋華賞ではリバティアイランドを追い詰めました。牡馬を含めて現役トップクラスの力量馬だといえます。今回は距離短縮での差しとなりますが、先行馬占有率が30%を超えているここは、マイナスにはならないでしょう。道中で2段階加速している秋華賞の中身も濃く、有力候補です。
2番人気想定はジャスティンカフェ。9-11から3着に差したマイルCSの内容から、差し脚勝負になれば、この馬も当然有力候補でしょう。
上位人気馬がなかなか強力に映りますが、敢えて人気薄を探すならコナコースト。秋華賞は8着完敗でしたが、差し決着を逃げて1.0秒差なら悲観するものではありません。前走のターコイズSは6-8-10と位置を下げながら、0.6秒差に踏みとどまりました。10着という数字のインパクトでここは人気を落としそうなのは期待値的には歓迎材料。1600mでも好位につける先行力も秘めており、8番人気前後なら。
ダノンタッチダウンの想定15番人気は、人気を落とし過ぎの感あり。メンバー的には前に目標を置ける差し優勢とみますが、競馬は基本的には前有利であるのもまた事実で、ここ2戦でみせた先行力は、人気薄を狙う上では大きな魅力です。NHKマイルCの内容から、オッズほどの差は感じません。
トゥードジボンは前走の京都金杯を1番人気で3着。2キロ増は課題ですが、人気急落なら狙ってみる価値がありそうです。同じく斤量面(58キロ)に課題はあるものの、オッズが甘くなりそうなのがフリームファクシ。ダービーで0.5秒差は威張れる実績で、前走の京都金杯も17番枠から0.4秒差・5着は悪くありません。一発があっても。
明確に狙いたい穴馬が不在で、オッズと並びの影響度が大きな一戦。しっかり見極めて、的中に繋げたいと思います。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言115
みねた理論が詰まった京成杯で答え合わせ
★ピックアップレース★
1月14日 中山11R 京成杯 芝2000m
◎6アーバンシック
○7ロードヴェスパー
▲14ダノンデサイル
△8ハヤテノフクノスケ
☆15ジュンゴールド
注10コスモブッドレア
[参考買い目]
単勝 6
ワイド 6-7.14.8
馬連 6-7.14.8.15
3連複 6-7.14.8-7.14.8.15.10
―京成杯は▲◎注の決着。ワイド6.6倍、馬連16.7倍、そして3連複151.5倍の的中となりました。
みねた)このレースは、このコラムでお伝えしてきた「みねたの考え」が詰まった一戦でした。ですから、是非、復習がてら、その思考を追ってもらえればと思います。まず最初のポイントは、このレースが「3歳戦であること」。
―「差し経験の有無」ですか?
みねた)そうです。2〜3歳重賞の原則は「差し経験のある馬が良い」です。逃げで脚質が定まっている馬を狙うケースもありますが、それはあくまで「前有利が見込まれる展開で、差し経験馬に魅力的な穴馬がいない時」という緊急避難的なもので、あくまでベースは差し馬。このレースは14頭中8頭が先行馬で、前に行く馬にとっては厳しい展開が見込まれました。したがって、「ちゃんと差している馬」を探す作業になります。展開面の話でいうと、1番人気の馬の馬柱にも注目してください。
―1番人気のジュンゴールドは…前走で逃げています。逃げ切り昇級という危険なパターンですね。
みねた)先行馬が揃っているメンバー構成なので、今回が距離延長というのも、一層、苦しくなる要素です。前走は5頭立ての逃げ切り勝ちで、これは、とりこぼしの少ないレースをしようという意思の表れだとみます。その点でも、この勝利はあまり評価できません。
―ちなみに、2走前の新馬戦は差し切っていますが…?
みねた)この馬が穴であれば、新馬で敢えて差す競馬をしている点を評価して狙うのはアリですよ。ただ、1番人気の馬を、わざわざ買う理由を探してまで◎にする必要はありませんよね。それよりも、前走の百日草特別でしっかり差し切った馬がいるわけですから。
―◎の6アーバンシックですね。その強烈な末脚で、クラシック候補との呼び声も高い馬でした。ただ、このレースには「逃げハサミ」もいました。
みねた)知っています(笑)。このレースを勝利した▲14ダノンデサイルですよね。この馬ももちろん◎候補でした。しかも、この馬は「逃げハサミ」+αの買い要素があったんですよ。
―読者の皆さんは、一旦、馬柱をみて考えてください。…では、答えをお願いします。
みねた)一つは通過順位。11-10-9-10からの4着なので、金言27「位置取りを下げながら巻き返した馬」に当てはまっています。今回は14頭中8頭が先行馬という一戦なので、道中で捲れるタイプよりも、こういった道中で脚をためられるタイプの方が向きます。それからもう一つが「負け方」です。
―0.1秒差の4着。金言32「競馬で勝ちたければ、4と6を意識しろ」ですね。0.1秒差なので、金言9「前走僅差の6着以下」の応用形でもあります。
みねた)前走が新馬未勝利という馬が6頭、1勝クラスだった馬が5頭というメンバー構成の中で、京都2歳Sを0.1秒差・4着という実績馬の単勝オッズ11.5倍というのは、かなり甘い印象。やはり「馬券に絡んでいない」という印象に引っ張られてしまうのでしょう。
―確かに、葉牡丹賞を0.3秒差・2着だった11マイネルフランツが単勝オッズ26.8倍、同0.4秒差・4着だった10コスモブッドレアが単勝オッズ47.0倍だったところにも、馬券に絡むか絡まないかが、オッズに大きく影響を与えることを表しているような気がします。
みねた)11マイネルフランツの勝つ確率が27回に1回、10コスモブッドレアの勝つ確率が47回に1回というほど、前走内容から差があるようには思えませんよね。結果的には、注を回した10コスモブッドレアが3着に頑張ってくれて、3連複万馬券を仕留めることができました。
―話を戻して、14ダノンデサイルではなく6アーバンシックを◎にした理由を教えてください。
みねた)これは「軸としての信頼度」につきますね。6アーバンシックは新馬戦では好位を取っているので、ある程度の位置を取ってくる可能性もありましたし、差しに回っても、能力の高さで馬券圏内には絡んでこれるだろうと見込んでいました。一方、「逃げハサミ」の14ダノンデサイルは、展開がハマった時に頭まであるイメージ。したがって、単勝の期待値自体は14ダノンデサイルも十分に高かったと思います。
―では最後に、○7ロードヴェスパーについても一言お願いします。結果は14番人気13着でしたが、最終オッズは252.7倍という超大穴でした。
みねた)これこそ、前回お話した、当日オッズをみて予想できるメリットですよね。前走は東京芝2000mの未勝利戦を完勝していて、2走前には中山芝2000mで差す競馬を経験しています。メンバー間で比較した時、100倍以上になるような馬柱には見えませんよね。ただ、前日段階で100倍もあるような大穴は、簡単にオッズ変動があるので、オッズ妙味重視で2列目には置きにくい。当日に予想しているからこそ、このクラスの大穴を対抗評価まで引き上げられるわけです。今回は結果が出ませんでしたが、今後も、こういう大穴クラスを上位評価するシーンは増えてくると思うので、ぜひ、注目しておいてください。