プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“少頭数かつ1倍台が◎でも競馬は勝てる”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
2月10日 京都11R 京都記念 芝2200m
京都記念は京都芝2200mでの施行。初角まで距離があるので先行争いにおける内外の有利不利はありません。
登録12頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。先行馬占有率33.3%なので好位差し有利と捉えます。
1番人気想定はベラジオオペラ。前走が好位からの差し切りで展開面は向きそう。ダービーはタイム差無しの4着と涙を飲みましたが、ハイペースの皐月賞で2番手を進んでいたほどの馬で、本来の先行策であれば、この馬が戴冠していた可能性は十分あると思っています。つまり4歳トップグループの一角ということで、ここも好走確率は高いとみます。
2番人気想定はルージュエヴァイユ。G1レースを含む重賞3戦で続けて2着に好走しています。今年のメンバー構成なら実績上位の存在で、中団からしっかり差している内容にも好感がもてます。特に評価を下げる理由は見当たりません。
展開面で恵まれそうなのはナイママ。好位を進んで、位置を下げながら最後は盛り返した日経新春杯の内容は悪くありません。4キロ増が問題ですが、想定通り150倍前後のオッズなら期待値はあるでしょう。
馬券的に面白そうなのはマテンロウレオ。前走の中山金杯は0.4秒差・7着という「ちょうどいい」負け方です。今回は斤量が1.5キロ軽くなりますし、距離延長で追走も楽になるはず。元々、差し一辺倒というタイプでもありません。好走率と回収率のバランスが取れた穴ならこの馬では。
3勝クラスからの昇級となるのがプラチナトレジャー、ブレイヴロッカー。ともにしっかり脚をためて差す好内容で勝ってきました。どちらも買い材料はあるので、馬券的には人気薄が見込まれるプラチナトレジャーか。
前走の通過順位に3番手以内がある4頭は、いずれも前走二桁着順。好位から進む組にとって良い目標となりそうですが、意外と各馬が牽制しあって競り合わず前が残るケースも。ここ2走の大敗に目を瞑ってラヴェルや2走前、3走前では僅差に頑張っているアフリカンゴールドの前残りに決め打つ手もアリかもしれません。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言116
少頭数かつ1倍台が◎でも競馬は勝てる
★ピックアップレース★
1月21日 京都9R 北大路特別 芝2000m
◎9キミノナハマリア
○1コイニョウボウ
▲7ロマンシングブルー
△8エグランタイン
[参考買い目]
ワイド 9-1.7 各2000円
馬連 9-1.7 各2000円
3連複 9-1.7 1000円
3連複 9-8-1.7 各500円
―1月21日京都9Rの北大路特別はお見事でした。印4頭で◎○▲の決着、ワイド2000円×4.0倍&2000円×3.7倍、馬連2000円×9.8倍、3連複1000円×16.4倍で、51400円の払い戻しです。
みねた)ありがとうございます。「お見事」ですよね?(笑) 高配当を当てた時は、20件、30件とコメントで反応をいただくのですが、このレースの時は2〜3件しか来なかったんですよ。
―そうなんですか。でも確かに10頭立ての少頭数、◎は単勝1倍台(最終オッズは1.9倍)ということで、私もレース直後は「あ、当たった」ぐらいだったかも。ただ、冷静にみるとレース回収率500%超ですもんね。
みねた)反応が薄いということは、やはり本命として◎を打ってしまうとその馬しか見てもらえず、相手穴馬で2頭に絞るような買い目で相手を穴馬にしているところをフォーカスしてくれる人は少ないのかなと。ただ、人気馬から相手穴馬で絞るような馬券が軽視されればそういう買い目が勝ちやすくなるのも事実。反応が薄いことは、むしろ喜ぶべきことなのかもしれません。今どこに予想のトレンドがあるのかを把握することも予想をする上で大事なことだと思っていますのでユーザーの反応も馬券で勝つための情報収集の場です。
―1番人気から実質、相手を2頭に絞るようなフォーカスというのは、予想の提供時間を変えた影響ですよね?
みねた)その通りです。以前の提供時間では、この買い目は組めていませんし、そもそも「厳選勝負レース」に出来ていなかったでしょう。
―もう少し詳しく教えてください。
みねた)このレースの出馬表を眺めたら、人気ではあるが◎9キミノナハマリアが強力なのは一目瞭然です。期待値のありそうな相手を探すと、○1コイニョウボウか▲7ロマンシングブルーしかおらず馬券を組めばオッズ次第では勝負になるようなレース。しかし前日のオッズでこの2頭に期待値があったとしても、その後のオッズも甘いままとは限りません。蓋を開けてみたら、7ロマンシングブルーが3番人気なんてこともあり得ます。そうすると、この勝負レースの買い目では1番人気―2番人気―3番人気で3連複5倍しかつかない可能性も考えられ、単勝1倍台では単勝の期待値100を超える可能性も低いので勝負レースから外さざるを得ません。
―見通せているレースが勝負レースにならないのは勿体無いような…。
みねた)前日予想だと、「単勝で期待値が取れそうな馬を◎」にして、「◎が来る時に恵まれそうな脚質を2列目に取る」という思考が多くなります。これが当日12時配信になれば、単勝以外のオッズを見極めた上で、期待値が取れない馬は切っていくことになりますから、2列目に穴馬を絞いて置くことが可能になります。2列目に穴を入れられれば、今回のように◎を1番人気馬にすることもできます。2列目に穴馬を入れて、点数を絞ることができたのは、まさに配信時間変更の賜物ですね。
―ちなみに「期待値のありそうな相手が○1コイニョウボウか▲7ロマンシングブルーしかいなかった」という部分についても解説していただけますか?
みねた)出馬表を眺めていただければわかりますが、そもそも前走掲示板内だった馬が10頭中3頭しかいないメンバー構成でした。相手として、実績的に目がいくのは△8エグランタインですが、前走で不利なく先行して4着というのは特筆すべき内容ではありません。自力で動いていきそうな◎9キミノナハマリアのすぐ内という並びも歓迎できるものではなく、抜けた2番人気の割ほどの信頼度はないと判断しました。そこで他の馬を精査していくと、前走11-10-9-4から0.6秒差勝ちの○1コイニョウボウがまず浮かび上がります。
―金言39「コーナーでの加速は負荷が大きい」などでも触れられていますが、捲る競馬というのは、基本的に能力がないとできない芸当ですもんね。
みねた)そういうことです。▲7ロマンシングブルーはわかりやすかったですね。3走前には同条件で1番人気に支持されているような馬で、その後の2戦も5着→6着と一息だったため、ちょうど人気を落とすタイミングでした。ただ、よく見れば、前走は2400mで今回の2000mとは異なります。こういった、適性外と思われるレースを1回挟むことで期待値が上がるパターンはよくあるので、覚えておいた方がいいですよ。
―前走を隠してみると、2走前は0.6秒差の5着ですから、もっと人気しても良さそうですよね。
みねた)ましてや、今回はメンバーレベルが高くありませんから。適性外の前走とて、0.7秒差の6着なので、それを考えると、5番人気・10.4倍は甘かったといえるでしょう。ただ、繰り返しになりますが、この馬が蓋を開けてみたら3番人気でした、というケースもあるので、前日予想では出しにくい。当日オッズで期待値があるのを確認しているから、自信を持って3番手に評価できるということですね。