プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“オッズ次第で印の序列は全く変わる”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
3月24日 中京11R 高松宮記念 芝1200m
高松宮記念は中京芝1200mで施行。G1という頂上決戦だけに、ロスの少ない内を立ち回った馬が有利になりそう。内枠がベターです。
今回の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは6頭(ただし、そのうちの1頭アサカラキングは現時点では除外対象)。また、香港から参戦のビクターザウィナーはカウントしていませんが、過去戦歴から先行争いに加わる可能性も十分にありそう。
注目は、前走でハナを切っている馬が、アサカラキング、ウインカーネリアン、テイエムスパーダ、モズメイメイと揃っている点です。先行馬占有率のイメージ以上に、先行争いは激化するかもしれません。これらの馬を見る形で、離れた好位を取れる馬が、展開的には恵まれる可能性が高いとみます。
好位を取れそうという視点で、真っ先に目がいくのはウインマーベル。前走の阪急杯が4番手からの抜け出しでした。重賞連勝中ですが、想定通り12倍前後のオッズなら、見た目通りに「おいしい」穴馬だといえるでしょう。
ナムラクレアは自力で捲れる格下相手に強いタイプ。その裏返しで、G1の舞台では、道中で押し上げ切れずに差し損ねるケースも。勝ち切るには枠や好位付けなどの後押しが欲しいところです。前哨戦でしっかり走れるので、本番でも人気になりやすく、ここも想定では1番人気になっていますが、2倍台で単勝の期待値があるかは微妙。安定感はあるので、2着、3着付けが向きそうです。
トウシンマカオは中団から差して、こちらも重賞連勝中。鞍上にはルメール騎手。特に嫌う理由は見当たらず、人気になるのも妥当でしょう。
ルガルは逃げにこだわらない先行馬で、理想的な展開になりそう。若手ながら結果を残している実力派の西村淳也騎手というのも良いです。
ママコチャは昨年のスプリンターズSの覇者。前走の敗退でオッズ的には妙味が生まれそう。その前走は牡馬混合のG2戦で、京都牝馬S組のナムラクレアよりも格上でした。ナムラクレアとの比較から、3番人気8倍というオッズには妙味を感じます。
ナムラクレア比較という意味では、京都牝馬Sでナムラクレアを降したソーダズリングの12番人気26倍も魅力的に映ります。1200mは初めてですが、初めての1400mだった前走で結果も出しています。
ロータスランドは相変わらず過小評価されている印象。近走も、いかにも期待値の取れそうな敗戦で、今年も大穴候補としてチェックしておきたい存在です。
人気どころが拮抗しており、魅力的な穴馬もチラホラ。枠と並びが最終結論に大きな影響を与えることになりそうです。狙いたい馬が内枠に入ってくれると嬉しいです。
▼みねたの金言122
オッズ次第で印の序列は全く変わる
★ピックアップレース★
2月24日 阪神11R 仁川S ダート2000m
◎5ウェルカムニュース
○14ダイシンピスケス
▲9ラインオブソウル
△15ビヨンドザファザー
☆2オーロイプラータ
注6ゼットリアン
[参考買い目]
単勝 5 2000円
ワイド 5-14.9.15 各1000円
馬連 5-14.9.15 各500円
3連複 5-14.9.15-14.9.15.2.6 各300円
―今週も引き続き2月24日阪神11Rの仁川Sについて。○→◎の決着で、ワイド1000円×17.4倍、馬連500円×57.3倍が的中し、払い戻し額は46050円となったレースで、今回は○14ダイシンピスケスについてお話いただけるとのことでした。
みねた)「オッズ」の重要性について、改めてお伝えしたかったので取り上げました。今まで、このコラムでも単行本でも、買う買わないの最終判断はオッズ次第だと伝えてきましたよね。いわゆる「同じ商品をいくらで買うか?」という考え方です。その視点から、14ダイシンピスケスの戦績を眺めてみてください。
―直近4戦が2着2着1着1着。ここ2戦は逃げて連勝中です。
みねた)この戦績だったら、1番人気や2番人気でも不思議ではないと思いませんか?
―もちろん、血統や騎手や勝ち方など、さまざまな要因は絡んでくると思いますが、2連勝からのオープン初挑戦で1番人気の馬はしょっちゅう目にする気がしますね。
みねた)逃げ切り勝ちからの昇級戦というのは人気しやすいので、みねた理論では、基本的に嫌いたい臨戦過程です。また、13番、14番と先行馬が並んで入っているのも、プラス材料ではありません。仮にこの馬が単勝オッズ3倍の1番人気だったとしたら、「危険な人気馬」だと判断して、切っていた可能性は十分にあります。
―実際には、単勝12.6倍の6番人気でした。
みねた)このオッズなら、むしろ買いですよね。金言53「パリミュチュエル方式の本質」でパンサラッサを例にとってお話しましたが、競馬で勝つために大事なのは「少しでも有利なオッズを選ぶこと」に尽きます。オッズが3倍なら「逃げて昇級だから消し!」でいいですが、オッズが12倍なら「連勝馬がこのオッズで買える」ということで、むしろ狙い目になる。14ダイシンピスケスの場合、前日段階で予想するなら、8倍前後だったら、その後に売れてしまう可能性も見込んで☆止まりだったと思います。あるいは、「消し」にしていたかもしれません。当日オッズを見て、甘いオッズが保たれていたので、むしろ○まで引き上げられました。
―オッズ次第で、☆や無印だった馬が、一気に2番手まで評価が上がるというのは面白いですね。
みねた)それぐらい、オッズは重要です。ただ、もう少し解説を加えるなら、外枠というのも大きかったですね。仁川Sは芝スタートの阪神ダート2000mなので外枠が有利。◎も外枠を起点に考えるのがセオリーですが、このレースは5ウェルカムニュースに明確に期待値があったのでこちらを◎にしました。◎を内から取ったので、○は外枠から選びたいと考えていて、外枠の先行馬でオッズの甘かった14ダイシンピスケスが対抗評価になりました。
―みねたさんの買い目は、ワイドは絞って、馬連は印の馬全てに流すケースも多いのですが、ここではワイドと同じで、2列目扱いの3頭に絞っていましたね。そその辺りの使い分けについてはいかがですか?
みねた)ここも「オッズ」が大きいですね。このレースの場合、2-5の安い馬連を押さえても期待値が取れないだろうという発想です。また、データを取ってみても、馬連は広く流すよりも絞った方が回収率が出やすい傾向があります。これは、「展開予想」である点も関係あるでしょうね。展開予想だと、展開想定が当たれば上位に評価した馬同士で決まるし、展開想定がズレていたら掠りもしないので。
―見事、3点に絞った馬連が的中し、500円×57.3倍=28650円に。これが、5点買いなら300円×57.3倍=17190円で、1万円以上も払戻額が変わるわけですから、買い目を絞る効果は絶大ですね。それと同時に、「馬連侮れないな」と思いました。
みねた)武豊騎手の好騎乗もあって、危険だと判断した16アイコンテーラーに3着に残られてしまいましたが、3着止まりだった時点で、馬連で投じられたこの馬関連のお金が、的中者に割り振られるわけですから。こう考えると、いかに「危険な上位人気馬」を見抜くことが勝ちに直結しているか分かりますね。
―オッズ次第で、印の序列が全く変わる。1番人気が馬券外に沈むことの意味。まさに「オッズ」についての意識を深めてくれる的中例でしたね。