プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“「押さえ」馬券を買うぐらいなら穴馬を厚めに”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
3月31日阪神11R 大阪杯 芝2000m
大阪杯は阪神芝2000m内回りで施行されます。初角となる1コーナーまでは300m強とやや短めなので若干、内が有利といったところ。頂上決戦であるG1である点も踏まえると、外よりも内がベターであることは間違いないでしょう。
今年はドバイミーティングと被ったことでトップジョッキーが不在。これが不確定要素として、このレースをより難解にしている印象です。
今回の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは、20頭中5頭。微妙なラインで、最終的なメンバーをみて、前有利か差し有利を判断したいところです。
1番人気想定はタスティエーラ。菊花賞、有馬記念で◎にしたように、好きなタイプの馬です。1番人気とはいえ、実績的に4.7倍もらえるなら悪くないというのが率直な印象です。有馬記念は直線で不利があったので度外視可能。明らかな不利で周知されている点は、オッズ的にはあまり魅力的ではありませんが、このレース内容を見る限り、世代レベルを語るのはナンセンス。少なくとも、この馬個体としては、十分にトップレベルで通用するものをみせています。コース形態を考えると、最近、やや出脚が良くないのは懸念材料ですが、昨春に先行策を取っていた松山騎手に手綱が戻るので、ある程度、前目の競馬をしてくれるかもしれません。
2番人気想定のローシャムパークは、昨年のオールカマーでタイトルホルダーを撃破。能力の高さは疑いようがなく、香港での敗戦で人気を落とすようなら狙いたい存在です。2番人気だと、期待値的に見合うかどうか。
ベラジオオペラは◎を打ったダービーがタイム差無しの4着。今でも悔しい気持ちが思い出されます。世代トップクラスの能力を秘めた馬で、ここでもチャンスは十分にあるでしょう。横山和生騎手とのコンビになって以来、徹底して脚をためる競馬をしていますが、今回のコース、メンバー的にはもう少し前に行って欲しいところではあります。ゲートセンスはいいので、出たなりでレースの流れに乗ってくれれば。
人気先行タイプのソールオリエンスは、5番人気の9倍台ならギリギリ買えそうなラインのような気も。展開が向くとは思えませんが、一貫して人気だった馬の評価が落ちたタイミングは、期待値的には買い時ではあります。
前走で復活の兆しをみせたジオグリフ、10-10-4-2で愛知杯を捲り勝ちしたミッキーゴージャス、先行力があり、5走連続G1レースと常に強敵相手に善戦してきたハーパーあたりが穴候補でしょうか。
人気上位馬はそれなりに走れそうで、中穴に「これだ!」という馬がいない印象。ただ、人気は割れるので、それなりの配当は見込めるレースになりそうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言123
「押さえ」馬券を買うぐらいなら穴馬を厚めに
★ピックアップレース★
3月9日 中京10R 恋路ケ浜特別 芝2000m
◎8ウインオーディン
○3ワレハウミノコ
▲1リアド
△5ベリーヴィーナス
☆9エイカイマッケンロ
[参考買い目]
単勝 8 2000円
ワイド 8-3.1.5 各1000円
馬連 8-3.1.5.9 各600円
3連複 8-3.1.5.9 各400円
―今週は3月9日の中京10R恋路ケ浜特別を取り上げます。☆→◎→○で決着し、ワイド22.6倍(買い目3点)、馬連5.6倍(買い目4点)、3連複61.8倍(買い目6点)を的中。50680円の払い戻しとなりました。
みねた)少頭数のレースでしたが、人気馬の評価にメリハリをつけて印を絞り、買い目もしっかり組めたかなと思います。
―上位4頭の単勝オッズが3.2倍〜4.9倍に集まっており、5番人気が16.0倍。まさに4強という構図でしたが、その4頭に対して、◎☆無無という評価でした。
みねた)◎は8ウインオーディン一択でした。3走前の阿賀野川特別が13-12-5-3という強烈な捲り、言い換えるとロスの多いロングスパートでの2着という秀逸な内容。勝ち馬リビアングラスは続く菊花賞でも4着と善戦しており、結果的には相手が悪かったともいえ、2番人気の単勝3.6倍は、見るからに甘いオッズです。ここ2戦はG2、G1ですから度外視できるのですが、6着13着、とりわけ前走二桁着順という数字のインパクトで、オッズが甘くなった印象です。
―ただ、このレースは人気を集めていた残りの3頭も、いずれも前走で現級2着と好走しており、序列をつけるのが難しい気がするのですが。
みねた)10頭立てながら先行馬占有率が50%と先行馬が揃っていた点がポイントです。先行馬が揃っているレースはタフな流れになるので、当該距離よりも長い距離で好走している馬の方が有利になりがち。4走前にマイルを走っていたシーウィザードや1800mに好走例が多いラレーヌデリスよりも、2200mや2400mで活躍していたエイカイマッケンロを上位に取りました。シーウィザードについては、もちろん実績的に3着以内にきても不思議ではないのですが、先行馬占有率の高いレースで何頭も人気の先行馬を評価する必要はないので、エイカイマッケンロを上位に取った時点で、印が回らなくなったという側面もあります。
―対抗評価した3ワレハウミノコが9番人気3着と激走。
みねた)この馬を含めて、2列目にあたる○▲△に期待値のありそうな穴馬がいたというのも、結果的に、人気馬の評価にメリハリをつけることに繋がりました。2列目が「穴馬で埋まった」という表現を使ってもいいかもしれません。
―印5頭で、ワイド、馬連、3連複ともに◎8ウインオーディンからの1頭軸。これは、期待値のあるウインオーディンからの馬券を取りこぼさないという考えでしょうか?
みねた)というよりも、2列目が穴馬で埋まったことで、ワイド3点でも十分期待値が取れるので、3連単を使うなど、買い目に特段の工夫をする必要がなかったということですね。
―ワイドだけ☆9エイカイマッケンロとの組み合わせを切っているのは、単純にオッズの問題ですか?
みねた)オッズですね。3倍前後のワイドのために、他の期待値が高い組み合わせを削るのは愚行じゃないですか。提供時間の変更により、オッズを確認できるようになったことで最も変わった点は、「押さえ馬券を買わなくなった」ことだと思います。押さえ馬券を買うぐらいだったら、その分、穴馬を押さえたり、穴馬との買い目を厚めにすることを心掛けています。その結果、どうしても的中率は下がってしまいますが、長期的にみて、回収率的にはこちらの方がプラスになるはずなので、そこはご理解いただければと思います。
―例えば、このレースでワイドの9-10も入れようと思ったら、1点あたりの賭け金を1000円から700円にするか、馬連や3連複を各300円にするか、ということですもんね。
みねた)仮にワイドが700円だったら、3-8のワイドでの払い戻しは22600円から15820円になってしまいます。8-9の的中分を足しても17990円。この違いは、回収率という観点では非常に大きいですよ。
―一方、3連複の買い目には☆9エイカイマッケンロを含めたことで、61.4倍的中となりました。
みねた)2列目が穴馬なので、☆9エイカイマッケンロが入っても、「人気―人気―穴馬」という組み合わせになりますから。ワイド8-9では期待値がなくても、「その2頭プラス穴馬」なら、必ず穴馬が入るので期待値はあります。この3連複はおいしかったですよね。1番人気を足しただけなのに、22.6倍と3.1倍だったワイドが、60倍超になったわけですからね。