プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“印の数は問題ではない”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
4月7日阪神11R 桜花賞 芝1600m
桜花賞は阪神芝1600m外回りで施行されます。初角となる3コーナーまでは400m以上あり、先行争いにおける内外の有利不利はほとんどありません。
登録27頭とメンバーが流動的なので一概には言えませんが、近年は馬のレベルアップが著しく、大外ブン回しの差し切りは決まりづらくなっています。トップレベルの争いになればなるほど、コースロスを抑えられる馬が有利になるでしょう。
上位人気が予想される馬たちはいずれもしっかり差せる馬たち。そういう点では、人気になるのも納得で、過大評価ということはないでしょう。
アスコリピチェーノは新潟2歳Sで期待に応えてくれた、個人的に好きな馬。新馬戦が鮮やかな差し切り勝ちで、新潟2歳Sも完勝だったにもかかわらず、阪神JFで3番人気にとどまったように、実力の割に人気になりにくいタイプでもあります。
クイーンズウォークも長めの1800mデビュー、しっかり差した前走と、人気になるのも頷ける臨戦過程。ここも有力候補の一頭でしょう。
上位人気勢の中では、ステレンボッシュの3番人気6倍台は妙味がありそう。阪神JFは道中で自ら動いていき、メンバー最速の上がり33.5秒を繰り出して、アスコリピチェーノとタイム差なしの2着。内容的には勝ち馬以上のものがあり、想定通りのオッズ差がつくなら、期待値はこちらにありそうです。
チェルヴィニアは11頭立てまでしか経験がなく、デビュー3戦ともに先行抜け出し。能力は確かですが、過剰人気になりやすいタイプではあります。とはいえ、想定通りの5番人気止まりなら狙ってみる手も。
ボンドガールは、なんといっても「伝説の新馬戦」の勝ち馬。出走が叶えば人気になるでしょう。基本的に過剰人気で買いにくい特性を持っていますが、想定オッズ通り、100倍つくなら、めちゃくちゃ買いますが、実際に出走となれば1桁オッズになると思うのでオッズとの兼ね合いでしょう。
人気馬に差し馬が揃っているので、穴になるならシンプルに有力馬が牽制しあって前が残るパターン。前哨戦のフィリーズRを逃げ切りながら11番人気想定のエトヴプレ、チューリップ賞で逃げ粘ったセキトバイーストあたりがその候補でしょうか。
好位組ならイフェイオン。デビュー戦でためる競馬を経験させ、ここ2戦は好位から抜け出しての勝利。「人気馬が牽制しあうところ、逃げ粘る人気薄をこの馬が捉える」という激走パターンがイメージしやすいですね。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言124
印の数は問題ではない
★ピックアップレース★
3月10日 中山11R アネモネS 芝1600m
◎2テウメッサ
○1キャットファイト
▲6メイショウヨゾラ
△9コスモディナー
☆5ソルトクィーン
注4サクセスカラー
注10エリカエスティーム
[参考買い目]
単勝 2 2000円
ワイド 2-1.6.9 各1000円
馬連 2-1.6.9.5 各500円
3連複 2-1-6.9.5.4.10 各300円
3連単 2.1-.2.1-6.9.5.4.10 各200円
―今週取り上げるのは3月10日中山11RのアネモネS。◎2テウメッサで、○→◎→▲の決着で、ワイド6.3倍&14.7倍(買い目3点)、馬連16.6倍(買い目4点)、3連複75.0倍(買い目5点)、3連単325.4倍(買い目10)点を的中。参考買い目で116880円の大きな払い戻しとなりました。
みねた)少頭数のレースでしたが、人気馬の評価にメリハリをつけて印を絞り、買い目もしっかり組めたかなと思います。
―このレース、7頭に印を打っていて、みねたさんにしては多いなと思ったのですが…。
みねた)買い目点数は多くないですよね? 買い目をご覧いただければ明らかですが、このレースは3連複も3連単も2頭軸になっています。2列目が絞れたことで、3着なら期待値がありそうな人気まで手を広げることができました。○→◎→▲だったので、結果的には手を広げる必要がなかったわけですが。
大事なのは印の頭数ではなくて、どういう買い方をするか、です。5頭しか印を打っていなかったとしても、ボックスを買えば3連複10点、3連単では60点になりますが、7頭印を打ったとしても、このレースのように、3連複2頭軸なら買い目は5点、3連単◎○→◎○→流しという形なら買い目は10点に抑えられます。
―注を打った2頭は1番人気、2番人気馬でしたね。
みねた)人気馬というのは、1着では期待値が見合わないことが多いのですが、3着なら期待値が取れるというケースは少なくありません。そういう場合、3連単の3着の目なら、普段より手広く流して取りこぼしを防ぐのは効果的です。ですから、このレースでは3連複の買い目にも注の2頭を含めていますが、3連複は削ってもよかったですね。
―本線でズバリ決まったわけですが、その思考を教えていただけますか?
みねた)このレースのポイントは3つあって、「中山芝1600m」「高い先行馬占有率」「先行馬の並び」です。まずは「中山芝1600m」ですが、このコースの特徴は…?
―初角までの距離が短い「コースパターンA」なので内枠有利、です。
みねた)そうですよね。そして次は「高い先行馬占有率」ですが、このレースは、前走の通過順位に3番手以内があった馬が12頭中7頭と先行馬占有率が58%もありました。先行馬が揃うと、それだけ前が激しくなって、タイムトライアルの様相を呈するので、やはり内枠有利に働きます。また、先行馬が揃っているレースでは距離延長馬よりも距離短縮馬の方が有利というのがセオリーですが、2テウメッサは同距離ローテではあるもののデビューから1800m→2000mと使われており、中距離志向が強かったというのも後押し材料ではありました。
―有利な内枠の中で、買い材料のある馬を選んだということですね。ただ、それなら1キャットファイトを◎でもよかったのでは?
みねた)正直、もっと人気になると思っていました。1キャットファイトは阪神JFでも4番人気の支持を集めたほどの馬で、その馬が中山芝1600mで最も有利とされる最内枠に入ったわけですから、相当人気するだろうなと。1キャットファイトが5.4倍、2テウメッサが5.9倍と、0.5倍しか差がないのであれば、◎と○は逆でもよかったかもしれません。
―そして3つ目のポイントが「先行馬の並び」。
みねた)このレースは、1番から5番まで、ズラリと先行馬が並んでいました。そうなると「先行馬の外」になる▲6メイショウヨゾラは、ロスなく内に潜り込めるので有利ですよね。説明した通り、先行馬が揃ってタイムトライアルになるのであれば、内に入れることのメリットはさらに大きくなります。
―「コースパターンA」で、内に買い材料がある馬を狙うだけで良かったのか。実は、直前の東風Sも外枠の決着だったので、少し揺らいでしまったんですよね…。
みねた)その辺りの判断は難しいところですが、確実に言えるのは、「自分自身で判断しよう」ということです。SNSの言説に惑わされて、自分の考えを貫けないようではダメですよ。