プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“メンバーレベルが低いレースほどチャンス”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
5月5日 東京11R NHKマイルC 芝1600m
NHKマイルCは東京芝1600mで施行。初角となる3コーナーまでは500m以上あり、先行争いにおける有利不利はありません。
登録27頭。昨年の牡牝の2歳チャンピオンに加え、前哨戦の勝ち馬も顔を揃えた楽しみな一戦で、抽選対象の馬にもチャンスがありそうです。出走メンバーが流動的ですが、レースでは前走の通過順位に3番手以内があるのは5頭前後になるでしょうか。そうなれば、テレグノシスのような後方一気は望めず、好位で競馬できるタイプに分がありそうです。
1番人気想定はジャンタルマンタル。皐月賞は早め先頭から3着という強い競馬で、今回、展開的にも恵まれそうです。朝日杯勝ち馬→皐月賞好走というのは、いかにも今後、出世していきそうなローテーションでもあります。フルゲートのG1レースで1番人気の期待値が見合うかは微妙なので、オッズ次第ですね。
2番人気想定のアスコリピチェーノは新潟2歳Sでも◎にしていたように、早い段階から高く評価していた馬です。末脚は強力で、桜花賞は相手が悪かった感。今回もかなり有力で、2番人気は美味しい印象もありますが、展開的にはゴチャつくポジションに収まってしまう可能性もありますね。
3番人気想定ゴンバデカーブースは2戦2勝。前走では、ボンドガールを後方から差し切っています。半年以上の休み明けでのG1ですから、基本的に人気なら嫌いたいところですが、無敗で能力の底が知れず、鞍上はモレイラ騎手。2着、3着での期待値は取りにくそうですが、頭に絞るのであれば期待値が取れるかもしれません。
前走は先行策、2走前は道中で押し上げているノーブルロジャーは、4番人気12.7倍なら期待値はありそう。また、トライアルのニュージーランドTでボンドガールを降したエコロブルームの6番人気15.6倍も甘いオッズ。
ボンドガール自身は「伝説の新馬戦」の勝ち馬で常に人気を背負ってきたので、5番人気12.7倍なら、買い時と言えるかもしれません。ただ、エコロブルームは前走でボンドガールを降しており、ノーブルロジャーは2走前にそのエコロブルームに先着…と、対戦比較とオッズが入り組んでいる印象です。
今年のメンバー構成ならダノンマッキンリーの延長ローテも悪くなく、8番人気27.2倍もらえるなら狙う手もあるでしょう。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言128
メンバーレベルが低いレースほどチャンス
★ピックアップレース★
4月20日 福島10R 尾瀬特別 ダート1700m
◎4クリニクラウン
○1クリオミニーズ
▲10サヴァビアン
△13タガノリバイバー
☆11ニホンピロハーバー
注2ヒドゥンキング
[参考買い目]
単勝 4 2000円
ワイド 4-1.10.13 各1000円
馬連 4-1.10.13.11.2 各500円
3連複 4-1.10.13-1.10.13.11.2 各300円
―4月20日福島10Rの尾瀬特別は、◎4クリニクラウンが8番人気3着。ワイド1000円×33.1倍&3連複300円×233.3倍が的中し、10万円オーバーの払い戻しとなりました。
みねた)身も蓋もないことを言うと、「逃げハサミ」なんですよね。◎4クリニクラウンは最後にギリギリ差して、クビ・クビの3着争いを制しました。道中で少しでもスムーズさを欠いていたら4着止まり、5着止まりだったでしょう。スタート後は、周りに馬がいないポジションでレースを進め、コーナーでロスなく外に出してまっすぐ追い出す。結果的に3も5も前には行けていませんが、スタート直後に両脇が仕掛けていったことで、スペースができたことに変わりありません。「逃げハサミ」のアドバンテージを実感するためにも、是非、レースVTRをご覧いただきたいですね。
―◎4クリニクラウンの買い材料自体は、「逃げハサミ」以外に何がありましたか?
みねた)2走連続で上がり最速を出していました。2走前は中山ダート1800mで上がり最速を記録し0.6秒差の9着。前走は不向きの芝で、上がり33.2秒の脚を繰り出して、同じく勝ち馬から0.6秒差の5着。普通に強くないですか?(笑)
―確かに、狙えそうな馬柱ですね。
みねた)芝とダートの両方で上がり最速を使えるのは才能ですよね。なぜ、8番人気(予想時は10番人気)だったのか、正直、よくわかりません。上がり最速馬は目立つ分、逆に儲かりにくいという言説でも広まっているのでしょうか。ともかく、それぐらい買い材料のある穴馬が「逃げハサミ」という並びに入ったのなら、狙うしかありませんよね。
―前走で馬券に絡んでいる馬が1頭しかいないメンバー構成ですしね。一方で、前走二桁着順の馬が7頭。
みねた)このような、メンバーレベルが低いレースほど穴を獲りやすいという側面はあるでしょうね。前回のコラムでもお話ししましたが、前走着順というのが人気を作ります。前走好走馬は人気になるし、前走大敗馬は人気薄になりやすい。前走で馬券に絡んでいない馬ばかりが並ぶと、どの馬に期待値があって、どの馬に期待値がないかなんて、生半可な知識ではわからないじゃないですか。そういうレースこそ、独自のメソッドでどういうタイプが期待値を取りやすいか知っているアドバンテージが生きてきます。逆に、前走3着以内の強そうな人気馬が何頭もいたら、そのレースは荒れないですよね。
―3着以内の席を1頭か2頭、あるいは3頭とも人気馬が占めてしまう可能性が高いですもんね。
みねた)このレースの場合、2番人気の3グランドカリナンは危険な人気馬と判断して、印を回しませんでした。この馬がオッズを吸っているのは明白だったので、この馬は消えるとして、あとは唯一、前走で馬券に絡んでいた2ヒドゥンキングが馬券に絡むかの勝負だったといえます。同馬がコーナーで外を回すロスも堪えたのか7着に沈んだことで、3連複は233.3倍まで跳ね上がりました。2ヒドゥンキングが馬券外に沈んだのは偶発的な要素も大きかったと思いますが、前提として「飛びそうにない人気馬が3頭いて、その3頭が全て飛ぶ」のと「飛びそうにない人気馬が1頭いて、その1頭が飛ぶ」というのは全然違います。この尾瀬特別は、後者のパターンでした。
―買い目的には、3連複の3列目に3番人気の☆11ニホンピロハーバーと1番人気の注2ヒドゥンキングを置く形でしたね。
みねた)1番人気馬と3番人気馬が両方絡む目を無くして点数を削ったところ、1番人気馬が消えたために配当が跳ねました。このレースは、○1クリオミニーズもまた、かなり期待値が高かったので、仮に3連複は外しても、ワイドだけでも期待値が取れるだろうという判断もありましたね。
―それも伺いたかったんですよ。このレースの◎○はともに芝→ダート替わりの馬で、先ほどから「危険な人気馬」だったと名前が挙がっている3グランドカリナンもまたダート替わりの馬。何をみてそれだけ評価に差が生じたのかな、と。
みねた)確かに、競馬新聞をみたら、1クリオミニーズも全ダ【0000】、3グランドカリナンも全ダ【0000】という表記になっていますもんね。では、次回は初ダート馬の扱いについてお話ししましょう。