プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“「道中での1番手歴」に着目せよ”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
10月27日 東京11R 天皇賞(秋) 芝2000m
天皇賞(秋)は東京芝2000mで施行。初角まで120mほどしかない「コースパターンA」(コースパターンの詳細は単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』をご覧ください)の中でも、特に初角までの距離が短いコースで、先行争いにおいては内枠が有利です。
登録17頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは5頭。先行馬占有率はそれほど大きくないので、好位、中団から差せるタイプが良いでしょう。
1番人気想定はリバティアイランド。昨年の牝馬三冠馬でジャパンカップではイクイノックスの2着ですから、その強さは説明するまでないでしょう。休み明けも問題ありません。秋華賞では捲り、ジャパンカップでは4番手と脚質の自在性もあります。1番人気の評価は妥当で、実績を考えれば想定オッズの3.8倍は甘いぐらい。心配といえば、怪我明けになる川田騎手の状態ぐらいでしょうか。
2番人気想定はレーベンスティール。重賞連勝中とはいえ、実績面では他の有力馬から一枚落ちる印象で、3走前の新潟大賞典は11着ですから、過剰人気感は否めません。ただ、全てを凌駕していく凄みが今のルメール騎手にはあります。天皇賞(秋)は過去5年で4勝。期待値至上主義としては嫌いたい馬ですが、レース後に「やっぱりルメール!」となっている未来も十分に想像できます(笑)。
3番人気想定のドウデュースは前走の宝塚記念が1番人気6着と期待値が取りやすい負け方。とはいえドウデュース自体がファンの多い馬なので、差し引きで期待値80%ぐらいに落ち着きそうな印象ではあります。
リバティアイランドの圧倒的な瞬発力を基準に考えると、波乱を考えるなら前の組でしょうか。そうなるとやはりベラジオオペラには目がいきます。実力に対して人気になりにくいタイプで、前走の宝塚記念も大阪杯勝ちの直後ながら5番人気止まりでした。レーベンスティールを基準にすると、この実績で4番人気・9.2倍は相当甘く感じます。
ハナが見込めそうなホウオウビスケッツも8番人気・20,1倍なら面白そう。毎日王冠で0.2秒差・5着だったシルトホルンも大穴なら。15番人気・82.4倍なら期待値はあるでしょう。
マテンロウスカイも大穴候補。過去のレースからは伸びずバテずという印象で、中山記念のように先行策が取れれば展開面では恵まれそう。一週遅れで、横山典弘騎手の神騎乗が炸裂するかもしれません。
とにかく特殊なコースで行われる一戦なので枠順が鍵。先行勢は内枠が絶対条件になるでしょう。
なお、枠順確定後の最終結論は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言153
“道中での1番手歴”に着目せよ
★ピックアップレース★
10月13日 京都6R 3歳以上1勝クラス ダート1800m
◎8タイセイミニスター
○9アドマイヤソラ
▲3バトンインディ
△2ピストンボーイ
☆5テイエムシップ
注1トモジャオッシュ
注10ホークフィールド
―10月12日~14日の3日間開催は大爆発でしたね。◎が4-1-2-5で、土曜京都10Rが◎→▲→注で3連単326.6倍、日曜東京10Rが◎→○→△で3連単325.5倍、日曜京都6Rが◎→☆で馬単333.7倍、日曜京都10Rが▲→○→◎で3連複128.7倍など、推奨買い目で高配当が次々と的中しました。
みねた)よく当たってくれましたね。よかったです。
―的中レース個別の思考についても順を追って解説していただきたいのですが、その前に総論的な話から伺っていきたいと思います。そもそも、今回のような“爆発”というのは、みねたさんのスタンスでいえば、たまたま的中が続けてきたと考えて、粛々と打ち続けるという感じでよろしいでしょうか?
みねた)そうですね。スロット打ちなら誰もが経験あると思いますが、いわゆる「ジャグ連」です。
―すみません。スロットは詳しくないのですが、どういう意味ですか?
みねた)アイムジャグラーという台で100G以内に当たることを「ジャグ連」と言うんですよ。確率が100分の1でもコンスタントに100回に1回当たるわけではなくて、続けざまに当たることもあれば、全然当たらないこともあって、トータルで100分の1ぐらいに落ち着くのですが、「ジャグ連」は、その“続けて当たっている状態”を指しています。
―例えばバイアスを重視する人ならば想定したバイアスと合致した時にたくさん当たって、そうでない時は当たらないというのは納得できます。ただ、みねたさんは、展開とか隊列を重視しているので、そういうスタイルではありませんよね。
みねた)私の予想方法だとバイアスとか傾向はあまり関係ないですね。ただ、続けてくる時もあれば、全く当たらない時もある。それは「神のみぞ知る」だと思って達観しています(笑)。この感覚が理解できない方は、一度、ホールでジャグラーを打ってみてください。設定4で約140分の1ですが、続けて当たることもあれば、600回ぐらいハマることもあるのを体感できますから。
―確かに、『厳選高期待値レース』の成績が上がっていない時期でも、全く焦った様子はありませんでした。
みねた)もちろん長期にわたって成績が悪ければ理論自体を見直す必要はありますが、あくまで確率の範囲内であれば、ちょっとした不運で連敗してしまいますからね。この3日間開催では、土日8レース中7レース当てることができました。もちろん月曜も当てたいし、土日と同じ労力を使って予想をしていますが、結果的に月曜は4レースとも不的中でした。ただ、これは確率を考えれば当たり前に起こることなので、月曜日の4レースだけを切り取って「当たらない」と解釈するのは正しくありません。
―土日の好調を受けて月曜日だけ乗った人からみたら、みねたさんは「4打数0安打の人」になっちゃいますからね(笑)。
みねた)波を読んで“いいタイミング”だけで乗れる人なんて存在しませんから。だからこそ、当たるまで乗って欲しい。私がことあるごとに資金管理の重要性を説くのはそのためなんです。資金管理について気になる方は、金言50~52や、単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』を読んでみてください。
―さて、ここからは具体的な的中レースについて伺っていきましょう。事前にみねたさんに確認したところ、「10月13日京都6R(◎タイセイミニスター)と同東京10R(◎ロードフォンス)が話しやすいかも」とのことだったので、この2レースを取り上げます。京都6Rは◎タイセイミニスターが7番人気1着、☆5テイエムシップが8番人気2着で馬連178.7倍、馬単333.7倍となりました。
みねた)この馬は通過順位を見るだけで買えますね。タイセイミニスターの前走通過順位は3-3-1-3で0.9秒差の4着。これは非常に価値があります。3コーナーで先頭に立って、4コーナーで3番手というのはハッキリいって致命的で、レースをみていたらこの段階で「もう終わりだ」と判断すると思います。二桁着順まで落ちても不思議ではない展開で4着に粘っているわけですから、これは「買い」の一手ですよ。
―それはメンタル面を評価してのものか、それとも能力面を評価してのものか、どちらでしょう?
みねた)両方ですね。何度もお話ししている通り、競走馬というのは後ろから抜かれたら頑張れないのが普通なので、それでもズルズルいかないのはメンタルが充実している証。道中押し上げたことから前進気勢も感じられます。しかも3コーナーで1番手まで上がっている事実に価値がありますよね。初角1番手だったら運良くゲートのタイミングが合っただけかもしれませんが、道中のどこかで先頭に立つというのは、それだけの脚がなければできない芸当で、確かな能力を示しています。それだけ買い材料のある馬が、単勝22.2倍で放置されていたのは僥倖でした。
(次回に続く)