プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“不利な枠に人気馬がいるレースを選ぶだけで回収率は上がる”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
11月3日 東京11R アルゼンチン共和国杯 芝2500m
アルゼンチン共和国杯は東京芝2500mで施行。初角まで十分に距離があるので先行争いにおいて内外の有利不利はありません。Bコース替わり2週目なら、馬場的にはまだ内でしょうか。
登録16頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは5頭。先行馬占有率は高くなく、先行から好位差しの脚質に安定感がありそうです。
1番人気想定はクロミナンス。ここ3戦で差のないレースをしているとはいえ、重賞未勝利の馬が1番人気になるのは期待値的には微妙。しっかりためて伸びているレースぶりには価値がありますが、今回、恩恵があるわけではなさそう。むしろ、G1などレベルが上がったところで狙ってみたいタイプです。
2番人気想定はサヴォーナ。近走の成績が6着、6着、4着、4着と期待値の取れそうな負け方で、想定4.5倍ですが、実際のオッズはもう少し甘くなりそうな気もします。想定通りなら狙いにくいですが、7~8倍のオッズがもらえるようなら。
3番人気想定のセレシオンはG3新潟記念2着からの臨戦。G3→G2と格が上がり、斤量も1キロ増となると楽ではありません。
軽斤量馬ならタイセイフェリークの52キロに目がいきます。3走前にヘデントールと0.3秒差があり、斤量は前走から4キロ軽くなります。直近のレースが少頭数ばかりなのは減点材料ですが、オッズ次第では期待値がありそうです。
ハンデ戦の妙味という意味では、前走から斤量が1キロ軽くなるメイショウブレゲが面白そう。前走の京都大賞典は8番手で脚をため勝ち馬から0.1秒差。2走前の目黒記念も10着とはいえ0.5秒差と悪くない内容でした。
ハヤヤッコはタスティエーラが天皇賞(秋)で結果を出した大阪杯大敗組。58.5キロは厳しいですが、10番人気・28.4倍なら。
ラーグルフは前走のオールカマーが8-6-8-8から7着という道中で2回脚を使う苦しい競馬。勝ち馬から0.5秒差なら評価して良いでしょう。
ブリーダーズカップと日程が重なりトップジョッキーが不在のなか、2500mの非根幹距離で行われるハンデ戦。波乱の匂いが漂っています。直前までオッズを見極めるのが今から楽しみですね。
なお、枠順確定後の最終結論は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言154
不利な枠に人気馬がいるレースを選ぶだけで回収率は上がる
★ピックアップレース★
10月13日 東京10R テレビ静岡賞 ダート1400m
◎7ロードフォンス
○3バトゥーキ
▲6エストレヤデベレン
△16コンクイスタ
☆1プラウドヘリテージ
注10モナルヒ
注13キャンディドライヴ
―前回の続きになります。◎タイセイミニスターが単勝22.2倍で勝利した10月13日京都6Rについて。簡単におさらいすると、同馬は前走で3-3-1-3から0.9秒差の4着という強いレースをしていて、「単勝22.2倍で放置されていたのが不思議なぐらい」とのことでした。
みねた)なぜ、この人気にとどまったのか、理由はわかりません。ただ、波乱の一つの要因に「枠順」にあったのは間違いありませんね。「コースパターンD」のコースでしたから。
―コースパターンの詳細は単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』をご覧いただきたいのですが、簡単に説明すると「初角までの距離」によってコースをパターン分けしたものです。京都ダート1800mは初角までの距離が300m未満と短く、先行争いにおいては内枠が有利。
みねた)そしてこのレース、1番人気・1.8倍の支持を集めたホークフィールドが大外の10番枠でした。同馬は前走の通過順位が2-2-2-1という先行馬。出負け気味のスタートから行き切れずに外を回る形になって7着に沈みました。初角までの距離が短いコースで人気馬が外枠に入っていたり、芝スタートかつ初角までが長いダート競走で人気馬が内枠に入っているなど、コースパターンに対して不利な枠に人気馬が入っているレースを選ぶだけでも、確実に回収率は上げられると思いますよ。
―では続いて、同じ日の別のヒットについても伺います。10月13日東京10R。◎ロードフォンスで◎○△決着し、3連単は389.6倍でした。
みねた)これはもう、「逃げハサミ」しかないですよ。このコラムの読者の皆さんなら聞き飽きたと思いますが、それでも是非、レースVTRをご覧いただきたいですね。こういうスムーズなレースができる可能性が高いから「逃げハサミ」は期待値が取りやすいというのをご理解いただけるかと思います。
―改めてご説明すると、「先行馬(前走の通過順位に3番手以内がある馬)に挟まれている差し馬は、内の馬が前にいくことで内側にスペースができて、外側の馬が前にいくことで自身の外に馬がいないため外に出しやすい」。これが「逃げハサミ」です。
みねた)もちろん全て想定通りにはいきません。両脇が前に行ってくれないケースもあるし、「逃げハサミ」の騎手が意志を持って外を通ったり馬群に突っ込んだりするケースもあります。例えば秋華賞のステレンボッシュなんかは、11、12、13、15が先行馬の14番枠という最高の並びだったのですが、ゲートで遅れたこともあって終始、馬群を捌くような競馬になってしまいましたよね。全てが想定通りに走ってくれるなら回収率200%ぐらい出せるのでしょうが、こういった想定外も含めても、買いパターンの「逃げハサミ」を選んでいれば100%以上の回収率が出せるということです。
―話をロードフォンスに戻すと、この馬は金言152でも話題になった「前走1番人気」でもありました。
みねた)確かにそうですね。ロードフォンスは昇級初戦を6-7と脚をためる競馬で0.0秒差の2着という好内容だったので、その次走で1番人気に推されるのも頷けます。そこで12-12から6着。競馬は基本的に先行有利なので、この位置取りになった時点で負けパターンですよね。それでも6着まで差してきており、悲観する内容でもありません。そして今回は「逃げハサミ」。道中をスムーズに走れる可能性が高い上に、「逃げハサミ」の差し馬というのは、両脇につられて道中のポジションが上がりやすい傾向もあります。かなり条件が好転していたことを思うと、単勝オッズ5.5倍というのはかなり甘かったのではないでしょうか。
―5番人気2着のバトゥーキに対抗を打ったのもお見事でした。
みねた)前走の伊賀Sでも◎を打って5番人気3着と期待に応えてくれた馬です。3着の直後なのに5番人気止まりですから、この馬自体、人気しにくい、期待値を取りやすいキャラクターなのでしょうね。ちなみにこの馬も1番、2番が先行馬で「先行馬並びの外」という有利な並びでした。翌日の府中牝馬Sで10番人気2着だったシンティレーションも7番、8番、9番が先行馬で「先行馬並びの外」。差し馬にとって本当に並びは重要なんですよね。