プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“全頭に印を打ってもいい”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
3月30日中京11R 高松宮記念 芝1200m
高松宮記念は中京芝1200mでの施行。初角となる3コーナーまでは約315mで、ポジション争いにおいてはやや内枠有利でしょうか。
登録20頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは6頭。先行占有率は高くも低くもなく、中団あたりから差せる馬が良さそうです。
1番人気想定はナムラクレア。これまでは前哨戦勝利→本番惜敗を繰り返してきましたが、今年はぶっつけで挑みます。常に全力を出し切るタイプなので、この臨戦過程はプラスでしょう。
2番人気想定はサトノレーヴ。昨秋のスプリンターズSでは1番人気を裏切りましたが、続く香港スプリントでは3着と健闘しました。そして鞍上はモレイラ騎手。この人気は妥当としか言いようがありません。大きなマイナス要素はないので、可もなく不可もなく、といったところです。
3番人気想定はママコチャ。期待値党としては、オーシャンSを挟まずに、「僅差の連敗からの休み明け」というローテーションで出てきて欲しかったというのが本音です。スプリンターズSは0.1秒差ですし、好走確率は高そうですが、期待値は積んでいないでしょう。
昨年の覇者マッドクールが4番人気。想定7.6倍は悪くないものの、この馬のキャラ的にはもう少し人気を落として欲しいところです。基本的にはナメられがちなので、常に押さえておきたい存在。昨年同様、内枠をひければ。
前哨戦勝ち馬の人気が上がっていないのが特徴的で、シルクロードS勝ちのエイシンフェンサーが10番人気・35.5倍、阪急杯勝ちのカンチェンジュンガが8番人気・22.3倍です。特に後者はハマれば強いピンパータイプなので、頭の馬券で押さえておくのが面白そう。
トウシンマカオの4番人気・14.2倍はかなり甘い印象。G1で連対後、海外で大敗→休養明けという臨戦過程は、いかにも期待値がありそうです。
実績馬が多く、その各馬が勝ったり負けたりを繰り返している混戦模様。それだけに、「枠」「並び」「オッズ」の影響度が大きな一戦です。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言174
全頭に印を打ってもいい
★ピックアップレース★
2月23日京都10R マーガレットS 芝1200m良
◎2アメリカンビキニ
○7カルプスペルシュ
▲4カワキタマナレア
△6フードマン
☆3ポッドベイダー
注1モジャーリオ
―前回に引き続き、亀谷競馬サロンにリモート出演された2月23日の競馬を振り返ります。前回は○◎▲で3連単13,920円となったヒヤシンスSを取り上げましたが、この日は他に京都10RのマーガレットSが☆◎○で3連複25,280円、そして小倉11Rの小倉大賞典が◎注で馬単7,920円と絶好調でした。前回のコラムの最後が、
力を出し切ったらしっかり馬券に絡んで、そうじゃない時はボロ負けする。好走→凡走→好走→凡走みたいなタイプが期待値を取りやすいですね。小倉大賞典のロングランもそれに近いタイプでした。
とのことだったので、小倉大賞典の話からお願いします。
みねた)一言で表すと「重賞で強いタイプ」ですね。今までにも何回かお伝えしていますが、「リステッドだと弱い」「でも重賞では走る」というタイプがいるんですよね。
―ロングランは前年の2着馬ですが、その後は福島民報杯(L・1番人気8着/0.4秒差)→中京記念(GⅢ・6番人気4着/0.2秒差)→カシオペアS(L・6番人気3着/0.3秒差)→ディセンバーS(L・4番人気8着/0.8秒差)という成績ですね。
みねた)着順だけ追うとわかりづらいですが、中京記念が最も着差が小さいんですよね。そして、リステッドなら能力上位だろうと思われて人気になる局面で沈んでいます。今回も直前のディセンバーSで大きく負けたこともあって、前年2着馬ながら4番人気にとどまりました。
―タイプとしては、追い込み一辺倒ですよね。
みねた)それゆえに、クラスが下がって緩い流れになると前を捉えられないのですが、重賞で流れが締まって前が止まると差し届くというメカニズムですね。凡走→好走というリズムになる上に、格下で敗戦というローテーションになるので、期待値が取りやすいわけです。
―ちなみにこのレースでは1番のタマモブラックタイが出走取消になったことで、結果的に最内枠になりました。
みねた)この馬の場合は元々逃げハサミだったので有利な並びでしたが、時には出走取消の影響で有利な並びから不利な並びになったり、その逆もあるでしょう。私は事前に予想を出しているのでそれを変えることはありませんが、そうでない方は、状況が変わったら臨機応変に対応して、少しでも期待値を取りにいってください。
―続いてマーガレットSについてもお願いします。
みねた)こちらは改めて説明するまでもないのでしょう。先行馬占有率が50%でタイムトライアル濃厚。この場合は狙うべきは…?
―内枠ですね。
みねた)2~3歳戦において「逃げ」という戦法が固まっているのは好材料ですし、アメリカンビキニは1400mからの短縮ローテ。先行馬が揃って消耗戦になると、特に長い距離を走っていたスタミナが生きてきます。これは前回のドンインザムードにも通じますね。
―ちなみにこのレースは8頭立てで6頭印を回しています。これを「印多過ぎ」と捉える方もいそうですが…。
みねた)全く気になりません。実際に回収率を計算していますが、例えば6頭立てで6頭に印を回したレースで◎と○から3連複で4頭に流しても回収率は出ているんですよね。印の数にこだわりはなくて、期待値のない馬さえしっかり切ればいいのです。
―このレースの場合、1番人気のサウスバンクを無印にしているのですね。
みねた)この馬を危険と判断できたのは大きかったですね。データ的に1、2着の期待値はなかったので、3連単の3着に入れるだけならアリかもしれませんが、それでも長期的にみたら、完全に買い目から切った方が回収率は出るでしょうね。
―結果は☆◎○の決着。5番人気→6番人気→8番人気の組み合わせで馬連5,320円、3連複25,280円でした。
みねた)「少頭数でも競馬は勝てる!」を証明できてよかったです。それにしても、亀谷競馬サロンはパワースポットですね(笑)。