プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“オッズ切りを奨める意味”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
4月6日 阪神11R 大阪杯 芝2000m
大阪杯は阪神芝2000m内回りで施行されます。初角となる1コーナーまでは325m。先行争いにおいては内外イーブン、あるいは、やや内有利といったところ。頂上決戦であるG1である点も踏まえると、外よりも内がベターであることは間違いないでしょう。
登録17頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは6頭。先行と差しもイーブンと考えて良さそうです。
1番人気想定はステレンボッシュ。G1戦線を戦ってオール馬券内は立派です。距離も問わず、前走は香港の強敵相手に好走。そして鞍上はモレイラ騎手。戦歴にマイナス要素はなく、この鞍上で好走確率はアップしているので、あとはオッズ次第です。軸としての信頼度は高いでしょう。
2番人気想定はシックスペンス。前走の中山記念は6-7-8-7と道中動きがある競馬で1着。能力の高さを感じさせます。ただ6戦5勝、G2戦を連勝中という見栄えのする臨戦過程は、どうしても過剰人気になりがちです。G2で強いタイプである可能性もあり、G1戦での距離延長ローテも楽ではありません。想定4.8倍は見合っていない印象も。
3番人気想定はベラジオオペラ。昨年の覇者で、その後もトップレベルで戦っています。6着→4着という臨戦は期待値を積みやすく、また、この馬自身、人気になりにくいタイプでもあります。実績ナンバーワンホースが5.3倍もらえるなら◎候補。
4番人気想定はロードデルレイ。日経新春杯は鮮やかでしたが、G2で4番人気→G1で4番人気というのは過剰人気感が否めません。
ホウオウビスケッツの想定8番人気はかなり甘い印象。G1で力不足のイメージがあるのかわかりませんが、実際は、締まった流れでより良さが生きる馬でG1向きのタイプです。デシエルトが速い流れを作るのも歓迎で、このオッズなら期待値は高そう。
エコロヴァルツは2-3-5-3から2着した中山記念は価値ある内容。G1の相手、距離延長と条件は厳しいですが、この馬が想定13.9倍なら、期待値党はシックスペンスよりもこちらを選ぶべきでしょう。
ジャスティンパレスもここなら能力上位。戦ってきた相手を考えると6番人気・13.8倍は甘く、この馬も期待値がありそうです。
期待値のありそうな馬が揃っており、その馬たちの中からしっかり枠・並びに恵まれた馬を選ぶことが勝利への近道となりそうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言175
オッズ切りを奨める意味
★ピックアップレース★
3月16日中京11R 金鯱賞 芝2000m重
◎2ホウオウビスケッツ
○6クイーンズウォーク
▲8プログノーシス
△5デシエルト
―今回取り上げるのは金鯱賞。2番手から抜け出した◎ホウオウビスケッツを○クイーンズウォークがハナ差交わすという決着でした。馬連11.8倍という地味な的中なのですが、印を4頭に絞った点が興味深くて。
みねた)◎○がスンナリと決まって、あとはどこまで印を打つかだけというレースでしたね。特に期待値の見込める穴候補もいなかったので、むしろどこまで絞るか考えていました。
―まずは◎と○の思考からお聞かせください。
みねた)ホウオウビスケッツとクイーンズウォークは週中展望から評価していたので、それほど変わっていませんけどね。まずデシエルトとホウオウビスケッツとの比較では、戦ってきた相手とオッズとのバランスからデシエルト<ホウオウビスケッツだとすぐに判断できました。あとは並びですよね。先行馬(前走通過順位に3番手以内がある馬)が2番、5番、6番、10番という配置で、ホウオウビスケッツに理想的な並びだったのです。
―改めて言語化していただけますか?
みねた)まず、ポツンと1頭離れて配置されているのが有利です。その観点だと10番のマイネルモーントも有利なのですが、中京芝2000mは最初のコーナーまで300m強。僅かに300mを超えている程度なので、先行争いはやや内枠にアドバンテージがあります。「離れている」「(コース形態的に)有利な内枠」という2点からホウオウビスケッツへの◎がすんなり決まりました。
―なるほど。例えばデシエルトとホウオウビスケッツの枠順が逆だったら、また話は違ったと。
みねた)そうですね。ただその時は、おそらく◎クイーンズウォークだったので、むしろその方が良かったかもしれません(笑)。結果的にこの馬の単勝8.2倍はかなり甘かった印象です。
―もし、もう少し手を広げていたら、3着のキングズパレスも拾えて、3連複、3連単まで手が届いていたのでは?
みねた)手を広げていたら印は回っていたと思います。個人で馬券を買われる分には、もう少し手を広げるのも、例えば◎○の2頭軸で馬券を組むのも大いに結構です。あくまで事前に予想を配信する予想家の立場として、印を絞る判断をしたということですね。ただ、この印でもオッズ切りをしっかり守っていれば、悪くない的中なんですよ。
―では改めて買い目とオッズ切りの基準を紹介しますね。
【単勝】◎高オッズ3倍以上
【ワイド】◎→流し(〇▲△穴高)オッズ5倍以上、高BOX
【馬連】◎流し(○▲△☆注穴) オッズ7倍以上
【馬単】◎頭固定流し(→○▲△☆注穴)オッズ13倍以上
【3連複】◎1頭軸ながし、オッズ15倍以上
【3連単】◎頭1頭軸ながし、オッズ30倍以上
【3連単】〇▲△穴→◎→印、オッズ40倍以上
みねた)この基準に照らし合わせると、5.0倍だった馬連2-5は削るので、2点で11.8倍的中となります。3連複も◎1頭軸の3点のうち、8.4倍の2-5-8と14.8倍の2-5-6の目は削ることになるので、実質的には1点買いです。また、ワイドは3点とも下限オッズが5倍を下回っていたので見送り(0点買い)になりますが、ここまで絞れている=他に買う馬がいないレースにおいて、◎○のワイド4.6倍~5.2倍のオッズならこの組み合わせだけは期待値が取れるという判断も可能です。
―買い目に丸乗りだと目立たない的中でも、オッズ切りを活用すれば回収率を底上げすることは可能なのですね。
みねた)私自身もそうしていますが、皆さんにもオッズ切りをオススメします。1つには、オッズ切りを使えば、1番人気に◎を打ちやすくなります。人気馬から期待値のある馬へ流す(2列目に置く)馬券は有効ですが、その場合、3列目に期待値はないけれど好走率も加味して人気馬を回すケースがありますよね。そういう馬との馬連まで買ってしまうのは期待値的にマイナスなので、その組み合わせをオッズ切りで削ることが重要です。
―オッズ切りなしだと、5番手評価、6番手評価の馬との馬連も機械的に押さえることになってしまいますもんね。
みねた)そしてもう1つは、「オッズを見て欲しい」ということ。私の予想をみている方には、期待値の考え方をしっかり理解して欲しいと思っています。オッズ切りとはまさしく期待値そのものなんですよね。オッズ切りを活用することで強制的にオッズをみることになる、その結果、期待値の感覚が養われていくと考えているのです。