19日、全国で最後に四国地方の梅雨明けが発表され、梅雨のない北海道を除いて、全ての地方で梅雨が明けました。夏本番を迎え、今度は各地に熱中症警戒アラートが発表されています。こまめな水分補給・塩分補給を行うなどの対策をして、暑さから身を守りましょう。
さて、今回は、前回のコラムで出題したクイズの答えをご紹介します。あらためて問題をおさらいします。
前回ご紹介した「パドック周回時間を短縮する」という暑熱対策は、北海道を除く競馬場で実施されています。ところが北海道にある函館競馬場でも、前のレースが終わった後、次のレースのパドック周回がすぐ始まらず、少し遅れて始まります。函館競馬場のパドックの周回がすぐに始まらない「暑熱対策」以外の理由とは何でしょうか?
それでは答えです。
函館競馬場のパドックには、2010年にリニューアルオープンした「パドックシアター」と呼ばれる650インチの大画面と、パドックに面したパドックシートが設置されており、レース映像やオッズ情報などが映し出される大迫力画面で競馬観戦が出来るようになっています。
この大画面、パドックを周回する競走馬のすぐそばにあるため、オープン当初、1つ前に行われているレースの映像にパドック周回中の馬が驚いてしまうという事例が起きてしまいました。そのため、レース発走30分前というパドック周回開始時刻になっても、前のレースの映像が完全に終了するまでは周回を始めないことになったのです。
というわけで、競馬場ごとに異なる事情もあり、分刻みで行われている中央競馬のパドックやレースを全てライブでお届けするのは簡単ではありません。3場開催の時は、ほとんど隙間なく構成されているため、どこかで数分の遅れが発生すると、スタジオはかなりバタバタします。3場の中継を例えるなら、出負けや不利が致命的になる1200m戦・・・というイメージです。
今週末から3週間は、オリンピックの関係で新潟・函館の2場という変則開催が続きます。いつもよりレースが少なくなるのは人それぞれ感想があるかと思いますが、進行キャスターの立場では、時間に追われる緊張感が緩和するので、少しほっとしているというのが本音です。
3場の中継が1200m戦なら、2場の中継は2000m戦、代替競馬などで稀にある1場の時は3000m戦・・・というところでしょうか。競馬と同じで、それぞれペースがまったく違います。でも、競走馬は走る距離を知りませんが、私達は知っています。それぞれのペースにしっかり折り合いをつけて、これからも皆さんに安心して競馬観戦していただけるよう、スタッフともども頑張ります!