『名馬に学ぶ馬券術』に続く田端到氏による連載『王様と姫様の金満馬券王国』。王様と姫様が重賞レースを振り返りながら、今後に役立つ馬券術を見つけていきます。
今回のテーマは「1枠のヴィクトワールピサ」です。ぜひお楽しみください!
<キャラクター紹介>
王様:血統とローテーションを重視する。昔話が多く、一度トークした話題を忘れがち。他のスポーツに気を取られ、最近はG1があまり当たらない。
姫様:競馬キャリアは10年くらい。ジョッキーと枠順に詳しい。これから血統も学ぼうとしている。城にひきこもり、なぜか、おいらん言葉を使う。
姫様:始まりました。王様とあちきで重賞レースを振り返りながら、今後に役立つ馬券術を見つけていこうというコーナーです!
王様:まずは先週の東京新聞杯を回顧しよう。これは痛恨だったよ。ウインカーネリアンから馬券を買ってたのに、1着のサクラトゥジュールがヌケてしまった。馬連で114倍、3連複で602倍って、雪に足を滑らせて後頭部を強打したくらいの痛みだった。
▼東京新聞杯レース結果
姫様:ウインカーネリアンは昨年も1着した馬だからわかりますけど、サクラトゥジュールは買える馬だったんですか。
王様:買えるだろう。東京コース【3-2-0-2】の馬だよ。しかも1枠だった。東京新聞杯というのは内枠がよく来る重賞だ。
姫様:昨年までの10年間で1枠から4枠が8勝、5枠から8枠は2勝。内差しがよく決まりますよね。
王様:さらにサクラトゥジュールの父はネオユニヴァース。「1枠のネオユニヴァース産駒を狙え!」は知る人ぞ知る馬券術だ。同産駒の芝重賞の枠番成績がこれ。
姫様:あ、ホントだ。1枠の勝率が断然いいんですね。
王様:ロジユニヴァースがダービーを勝ったのも1枠。ヴィクトワールピサが有馬記念を勝ったのも1枠。ネオリアリズムが中山記念を勝ったのも1枠。ネオユニヴァース産駒は気性が難しくて折り合いに苦労する馬が多いから、1枠に入ると馬群を壁にできて折り合いやすいんだ。
姫様:わかりました、覚えておきます……って、もうネオユニヴァース産駒なんて、ほとんど現役馬が残ってないじゃないですか!
王様:そこで思考停止しちゃダメなんだ。ネオユニヴァースの代表産駒はヴィクトワールピサ。こっちの産駒はまだまだたくさんいるぞ。
姫様:まさかヴィクトワールピサ産駒も1枠がいいとか?
王様:その通りだ。ヴィクトワールピサ産駒の芝重賞とオープンの枠番成績がこちら。重賞だけだとデータが少ないから、オープンも入れた。
姫様:マジすか! ネオユニヴァース産駒ほどじゃないけど、やっぱり内枠の勝率が高い。親子で一緒じゃないですか! 1枠から3枠がいい。
王様:しかもヴィクトワールピサ産駒の場合、その破壊力がすごいんだ。「1枠替わり」でとんでもない大穴を連発している。23年オーシャンSのディヴィナシオンは15番人気で2着、22年ダービー卿CTのフォルコメンは12番人気で1着などなど。
姫様:そういえばアサマノイタズラがセントライト記念で大穴をあけたときも、2枠2番でしたね。あれは獲ったから覚えている。ネオユニヴァースとヴィクトワールピサ産駒の1枠替わり、今度、気にしてみます!
王様:話を東京新聞杯に戻そう。このレースは断然1番人気のマスクトディーヴァがスタートで出遅れてしまい、これが波乱の要因と思われているが、もし出遅れなかったとしても、単勝1倍台の人気になるほど堅い馬だったかは疑っている。
姫様:どういうことですか。