『名馬に学ぶ馬券術』に続く田端到氏による連載『王様と姫様の金満馬券王国』。王様と姫様が重賞レースを振り返りながら、今後に役立つ馬券術を見つけていきます。
今回のテーマは「NHKマイルC回顧と東京芝1600mG1の教訓」です。ぜひお楽しみください!
<キャラクター紹介>
王様:血統とローテーションを重視する。馬券名人として鳴らしたが、最近はヒモ抜けが多い。
姫様:競馬キャリアは10年くらい。ジョッキーと枠順に詳しい。川田と横山ファミリーが好き。
姫様:NHKマイルCはジャンタルマンタルが先行3番手から楽に抜け出して優勝! あちきの心の神・川田さまの自信満々な乗り方が目につきました。
王様:勝利インタビューでも「マイルでは負けられない」、「マイルならこの馬が一番強い」と繰り返し話していたね。よっぽど自信があったんだろう。やっぱり、パレスマリス産駒はマイル適性が高い。
姫様:ペースは前半1000mが58秒3。
王様:数字上はスローじゃないけど、過去10年でいうと8番目だから、NHKマイルCとしては遅いほうのペースだよね。結果的に後方に控えた馬は出番なしのレースになってしまった。
姫様:馬券はどうだったんですか。「3連複はジャンタルマンタルから薄めを拾う」って書いてましたけど。
王様:3着のロジリオンが抜けたよ。またヒモ抜けだ!
姫様:ロジリオンは東京【2-1-0-0】の「連対率100%ホース」ですよ! こういう馬は買っておけって、いつも王様が言ってるタイプなのに!?
王様:今年はそこを読み違えた。NHKマイルCはハイペースになりやすく、中距離実績のある馬が優勢で、1400mや1200mから参戦する距離延長の馬は不振という傾向がある。2014年から23年までの距離延長・短縮の成績がこの表だ。
姫様:たしかに距離延長の馬はあまり馬券になってませんね。
王様:しかも芝1400のファルコンSからの延長ローテだと、先行していた馬しかNHKマイルCで連対できないというデータもあった。
・ファルコンSで4角4番手以内【1-0-1-6】
・ファルコンSで4角5番手以下【0- 0- 0-12】
王様:これでロジリオンを消してしまった。ロジリオンはファルコンSで4角7番手から5着だったから。
姫様:どうしてハズレたデータを詳しく出してるんですか(笑)。
王様:失敗から学ぼうとしてるんだよ(笑)。ひとつにはNHKマイルCのペースが落ち着き、芝1400実績馬が走れる流れになったということだろう。
もうひとつ、今の東京芝1600はこういう「内枠の芝1400向きのタイプ」が走りやすい馬場だという見方もできる。
姫様:あ、なるほど! 今週もまた東京芝1600のG1があるから、そこに活かそうってことですか。
王様:その通りだ。ヴィクトリアマイルについても、2014年から23年の距離延長・短縮の成績をまとめておいた。