『名馬に学ぶ馬券術』に続く田端到氏による連載『王様と姫様の金満馬券王国』。王様と姫様が重賞レースを振り返りながら、今後に役立つ馬券術を見つけていきます。
今回のテーマは「ダービー回顧、ダノンデサイルを買えた理由とレガレイラを消せた理由」です。なお、当連載は今回が最終回となります。
<キャラクター紹介>
王様:血統とローテーションを重視する。馬券名人として鳴らしたが、最近はヒモ抜けが多い。
姫様:競馬キャリアは10年くらい。ジョッキーと枠順に詳しい。川田と横山ファミリーが好き。
姫様:日本ダービーが終わりました。ダノンデサイル優勝、横山ノリさんの単勝だけ当たりました! 単勝4660円!
王様:またどうせ横山ファミリーの単勝を、自動的に買っただけだろ。
姫様:違いますよ。王様が書いていたこのデータに乗りました。
●ダービーの横山典弘の枠順成績(23年まで)
1枠から3枠【2-3-0-7】
4枠から8枠【0-0-0-14】
王様:ああ、それな。ワンアンドオンリーの1枠とか、ロジユニヴァースの1枠とか、毎年ダービーを見ている人ならみんな知ってるツボかと思ったのに、そうでもなかったみたいで。
姫様:人気薄のマイスタイルで逃げて4着に粘った年もありましたよね。ダービーのノリさんは内枠だと積極先行するってことを思い出して、買いました。
王様:でも、何から何まで横山典弘名人の手柄にするのもどうかと思うぞ。いくら無駄のない進路だったといっても、ダービーで2馬身の差をつける完勝は、馬の力がないとできない。ダノンデサイルが強いんだよ。
姫様:おっしゃる通りです。後半1000m56秒8というラップタイムは、ダービー史上、最速らしいですね。前半はスローペースだったけど、後半5ハロンはハイレベルな持続力勝負だった。
王様:これでエピファネイア産駒は、早くもダービーとオークスだけで4頭目の連対。
・デアリングタクト(2020年オークス1着)
・エフフォーリア(2021年ダービー2着)
・ステレンボッシュ(2024年オークス2着)
・ダノンデサイル(2024年ダービー1着)
東京芝2400はこれだけ得意ってわかっているのに、ダノンデサイルを人気薄にしちゃダメだろう。「エピファネイア産駒は前走2着以内の馬がG1で走る」という話も以前にしたよね。
姫様:そんな勝ち誇って言わなくても(笑)。王様は▲ダノンデサイル、◯ジャスティンミラノで、タテ目だったじゃないですか。
王様:いいじゃないか。穴にダノンデサイルを強調しといんだから、ダービーの高配当が当たったときくらい勝ち誇らせてくれよ(笑)。もうひとつ、すごいデータを教えてあげよう。ダノンデサイルの母父コングラッツはボールドルーラー系で、これはシャフリヤールやドウデュースと同じ系統。つまり、過去5年で母父ボールドルーラー系のダービー馬は3頭目だ。
姫様:エーピーインディ系というまとめ方もよくしますけど、もう少しさかのぼったまとめ方がボールドルーラー系ですね。そんなにダービーに強かったとは!
王様:驚くのはまだ早い。父がヘイルトゥリーズン系(サンデー系かロベルト系)で、母父がボールドルーラー系のダービー出走馬を、過去30年並べるとこうなる。